欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会で情報社会メディア担当委員を務めるViviane Reding氏は26日、ルクセンブルクで開催された安全なインターネットフォーラムにおいて、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)についての講演を行い、欧州委員会として初めてSNSに関する見解を発表した。それによると、EUとしても、EU経済および社会においてSNSが重要であるとの認識を有していることが明らかになった。
SNSはEU域内でもその存在感を増しており、2007年の成長率は35%で、ネット人口の実に56%がサイトを訪問するに至っているという。定期的に利用している人は現在の4170万人から向こう4年間で1億740万人に急増するとみている。国別では、英国がトップで960万人が使用。次いで、フランス890万人、ドイツ860万人となっている。平均利用時間はユーザーあたり月間3時間で、英国が最も長く、5.8時間だったという。他の主要国では、フランスが2時間、ドイツが3.1時間、スペインとイタリアが1.8時間だった。
欧州でも米国系SNSの人気は高く、FacebookやMySpaceなどが健闘している一方、欧州系のSNSも健闘している。フィンランドのHabbo Hotelは8000万人、英国系のFacepartyとBadooは合計で1500万人の登録会員があるほか、ベルギー系のNetlogが1700万人、仏ベースのSkyrockが1800万人、Dailymotionが1100万人などとなっている。この日、Reding氏は、MySpaceとDailymotionの代表者と会談したという。
EUとしては、経済的・社会的なインパクトを歓迎する一方で、プライバシー侵害や個人情報保護についても関心を寄せており、今後はSNSに関する相談窓口を設置し、これらの問題について取り組んでいくとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/08/587&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/09/29 15:49
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