地域コミュニティサイト「Lococom」などを運営するネクストは30日、「SNS、コミュニティサイト利用者の実態・意識調査」の結果を発表した。
調査は、SNS・コミュニティサイトを日常的に利用している、都市部在住の20歳以上を対象に、6月20日・21日にインターネットで実施。999人 (男性425人、女性574人)から有効回答を得た。
● SNSは「メールの代わりになるコミュニケーション手段」が3割
これによると、「SNS・コミュニティサイトをどのような場だと思っているか」についてたずねた設問では、「自分の趣味や関心ごとについて、更に深い知識を得られる場」を選択した人が57.2%で最も多く、次いで「既存の知人・友人とのコミュニケーションを更に深めることができる場」の44.4%、「新しい趣味や関心ごとを見つけられる場」の36.5%、「新しい友人・知人との出会いの場」の32.0%、「共通の趣味・関心を持つ友人を新しく作れる場」の31.1%、「自分が現在住む場所や地域について、有益な情報を得られる場」の31.0%と続く。また、「e-mailの代わりになるコミュニケーション手段」と考えも29.4%あった。
一方、サンプルは少ないが、学生層(47人)に限定してみると、「自分の趣味や関心ごとについて、更に深い知識を得られる場」が70.2%、「既存の知人・友人とのコミュニケーションを更に深めることができる場」が61.7%となり、全体平均を大きく上回り依然として1位、2位に入っているが、3番目に多かったのは「昔の知人・友人をネット上で探すことができる場」の44.7%で、全体平均(19.6%)の倍以上。4位は「e-mailの代わりになるコミュニケーション手段」の36.2%で、やはり全体平均を上回る。このほか、「友人・知人の意外な一面を発見できる場」も29.8%で、全体平均(19.7%)を大きく上回っている。一方、自分が現在住む場所や地域について、有益な情報を得られる場」は10.6%で、全体平均を大きく下回った。
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SNS・コミュニティサイトに対する考え(地域コミュニティサイト「Lococom」調べ)
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実際のところ、学生層は「名前や学校名などの情報を検索して友人・知人を探した
(探そうとした)経験がある」が78.7%に上りった(全体平均は49.5%)ほか、「名前や学校名などの情報から友人・知人に見つけられた経験がある」も46.8%あった(全体平均は20.3%)。
これらのデータから、ネクストでは「学生層にはリアルコミュニケーションに非常に近い位置づけでSNS・コミュニティサイトが活用されていることがうかがえる」としている。
● 日本でも学生を中心に、SNSは「実名ベース」へ?
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ネクストLococom事業部事業部長の金相集氏
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調査結果についてネクストLococom事業部事業部長の金相集氏は、もともとは学生専用だったSNSの「Facebook」が世界に広く拡大したことなどを例に挙げ、ネットコミュニティ普及の鍵として「いかに学生たちに好まれるサービスを提供できるのか」という点を指摘する。
ただし、海外のコミュニティサイトは「実名ベース」であるのに対して、日本は「匿名ベース」を好む傾向が強いとし、人を探したり、見つけられるのが難しい現状だという。
今回の調査結果により、学生層において過去の友人・知人とのコミュニケーションをとりたいというニーズが高いことが判明したとし、「日本特有の匿名ベースのコミュニケーションが、世界的に主流となっている実名ベースのコミュニケーションへと、学生たちを中心に変わっていく可能性を示唆しているのではないか」としている。
関連情報
■URL
調査結果
http://homesclub.next-group.jp/research/research/2008/20080930.php
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( 永沢 茂 )
2008/09/30 14:30
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