欧州連合(EU)の下部機関である新たな健康リスクに関する科学委員会(SCENIHR)は、大音量の音楽を携帯音楽プレーヤーで長期間にわたり聴取する行動を続けることによって、永久難聴となるリスクがあるとの調査報告を発表した。携帯音楽プレーヤーを大音量で1日あたり1時間以上5年間使用した場合、5~10%にそのリスクが発生するという。
SCENIHRは欧州委員会とは独立した機関だが、欧州委員会からの委託を受けて調査をしていた。今回の調査結果は、若年層に対する警告であるとともに、その世代を保護するための対策を真剣にとるべきとのEUの意向が現れているとも言える。産業界に対する警告の意味合いも強そうだ。
現在の基準では、携帯音楽プレーヤーの音量は100dBまでに制限されている。しかしSCENIHRでは、89dBを超える音量で携帯音楽プレーヤーを1週間に5時間使用しただけで、職場における許容レベルを上回るとしている。EU全体では、最大で1000万人にこのようなリスクがあるという。
EUでは2009年初めにも、対策のための会合を開催する予定だ。産業界などからも参加者を募る予定で、EU全体の課題として取り組んでいくとしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1492&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/10/14 15:05
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