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日本初のP2P融資サービス「maneo」、個人間のお金の貸し借り仲介


 maneo株式会社は15日、インターネット上で個人間の融資を仲介するソーシャルレンディングサービス「maneo(マネオ)」を開始した。日本在住のユーザーが対象で、利用するには無料のメンバー登録を行い、本人確認資料などを提出してmaneoの審査に承認される必要がある。


オークションで金利の低い順にマッチング

maneoでの取り引きの流れ
 maneoでは、お金の借り手(ボロワー)とお金の貸し手(レンダー)に対して、オークションとSNSのシステムを提供。借り手は10万円から200万円の範囲でオークションリストを作成し、希望借入金利と希望借入期間を設定する。貸し手は、maneo子会社のmaneoエスクローにあらかじめ預けておいたお金(デポジット)を使って、1万円から20万円の範囲で入札を行う。

 貸し手は、借り手の希望借入金利より低い金利で入札を行い、複数の貸し手がいる場合は、金利の低い順に落札される。最終落札金利は借り手の希望借入金利と同じか、より低い金利となる。落札条件による貸出実行後、maneoが返済管理および返済元利金の分配を請け負う仕組みだ。

 貸し手と借り手は、成立したローンに対してmaneoに手数料を支払う。手数料は、オークションが成立して貸出が行われた場合に、貸し手が貸出額の1.5%を支払う「実行手数料」と、借り手が元利金返済時に、支払金利の中から年利1.5%相当分を支払う「maneo金利」の2種類。

 貸し手と借り手が登録するSNSでは、プロフィールページを作成し、ここから他のユーザーに友人登録の追加依頼、友人へのメッセージ送信などが行える。SNSでは、共通の趣味や目的を持つメンバーが集まるコミュニティを開設することも可能。コミュニティでの情報交換など、メンバー同士のコミュニケーションによって信頼関係を深められるとしている。


貸し手の入札は自己責任で

 maneoでは借り手の返済を補償していないため、貸し手自身の判断で入札を行うこととなる。maneoでは借り手と貸し手がともにIDを使うため、本名はお互いに開示されない。このため、貸し手自身が借り手に返済の督促を行うことはできないが、返済延滞から60日間が経過した場合には、maneoが借り手に貸付元本および利息の全額を返済するように督促する。また、返済延滞から90日間を経過した場合には、債権回収を外部のサービサー(債権回収会社)に委託することがあるとしている。

 債権回収をサービサーに委託した場合、回収金額から債権回収会社の手数料を差し引き、さらに遅延損害金受領分を含むmaneo金利を差し引いた残額が貸し手に分配されるが、「その金額は相当低いものになり、出資した金額の全部または大部分が回収不能となることが予想される」(maneo)。

 借り手の登録条件としては、20歳以上、60歳未満、税込年収が300万円以上で、本人確認書類や年収証明などの必要書類を提出し、maneoの審査に通る必要がある。また、貸し手の登録条件としては、20歳以上、65歳未満、必要書類を提出してmaneoの審査に通る必要がある。

 maneoによれば、インターネット上の個人間融資仲介サービスは日本では初めて。「これまで日本には、個人がお金を借りる際、銀行と消費者金融の2つの選択肢しかなかった」(maneo)。しかし、海外では既に20以上のサイトがサービスを開始し、個人がお金を借りる際の新しい選択肢として定着し始めているという。maneoでは今後、個人が個人からお金を借りるしくみを提供することで、全く新しいお金の借り方を提案するとしている。


関連情報

URL
  maneo
  https://www.maneo.jp/


( 増田 覚 )
2008/10/15 15:39

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