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文化庁、“iPod課金”結論を先送りへ〜依然として合意得られず


「私的録音録画小委員会」第4回会合
 私的録音録画補償金制度の見直しを検討している、文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の第4回会合が20日に開かれた。携帯音楽プレーヤーを補償金制度の課金対象とする、いわゆる“iPod課金”について関係者の合意が得られず、文化庁では今年度中の結論を見送る方針を示した。

 文化庁は5月8日の会合で、補償金制度を縮小することを前提に、暫定措置としてiPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機器」を課金対象とする制度改正案を提示。7月10日の前回会合では、権利者側が受け入れる姿勢を示したが、メーカー側は「補償金制度縮小の道筋が明らかでない」などと反対。その後も両者の意見は平行線をたどり、合意が得られない状態になっていた。

 3カ月ぶりの開催となった今回の会合では、事務局を務める文化庁著作権課の川瀬真氏が「非公式な場で関係者と妥協点を探ったが、結論が出ない状況」と現状を報告。小委員会の任期である2009年1月までに結論を出すことは難しいとして、文化庁が提示した制度改正案をめぐっては、両論併記のかたちで報告書をまとめる意向を見せた。今後は、11月末から12月初旬をめどに報告書案を作成。その一方で、関係者の調整による解決も探るという。


「ダウンロード違法化だけでも」権利者側は早急な法改正求める

 小委員会ではこのほか、著作権法第30条の範囲を見直すことで、違法複製物や違法サイトからの私的録音録画を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」についても議論されていた。この点について報告書では、ダウンロード違法化に賛成する権利者側の意見だけでなく、パブリックコメントの意見募集の結果なども踏まえて対応策をまとめるとしている。

 この問題について権利者側の委員は、「ネット上の違法流通の被害は深刻」と主張。補償金制度見直しの議論とは切り離して、早急な著作権法改正を求めた。「京都府警が9月18日に逮捕した仙台市の男性は、日本で未公開の洋画に日本語字幕を付けてWinnyにアップロードしていた。容疑者は、ファイル共有ソフトでダウンロードした映画を加工して、新たにアップロードしていたと聞いている。このように、違法なアップロードとダウンロードは密接に関係しており、どちらか一方を取り締まるだけでは、不正な流通を防ぐのは難しい」(日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏)。

 一方、30条改正に反対しているジャーナリストの津田大介氏は、「法改正後の流れとして、30条の制限がすべての著作物に適用されることになる」と懸念を表明。さらに、ダウンロード違法化を進める代わりとして、SNS世界最大手の米MySpaceが提供する音楽サービス「MySpace Music」のように、ユーザーが合法的に音楽を楽しめる環境を整えるべきだと訴えた。MySpace Musicでは、自らのプロフィールページに好きなアーティストの楽曲のプレイリストを作成し、音楽を再生することが可能。スポンサーの広告費によって、楽曲のフルコーラスが無料ストリーミングで楽しめる。

 この意見に日本レコード協会の生野秀年氏は、「CDレンタルがあるのは日本だけ。日本ほど正規品の流通がしっかりなされている国はない」と反論した。


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URL
  私的録音録画小委員会(第4回)
  http://www.bunka.go.jp/oshirase_kaigi/2008/chosaku_rokuon_081020.html

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( 増田 覚 )
2008/10/20 17:57

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