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海外に強い旅行口コミサイト「TripAdvisor」日本版開始


TripAdvisor
 トリップアドバイザーは22日、旅行口コミサイト「TripAdvisor」を本格オープンした。口コミを投稿するには会員登録(無料)が必要。観光名所やホテルなどの口コミ情報検索機能や、ゲームなどを用意する。

 「TripAdvisor」は、米TripAdvisorが運営する旅行口コミ情報サイトの日本語版。米国をはじめ、英国、イタリア、ドイツ、フランスなど世界7カ国のサイトがある。日本では、7月から試験運用を開始し、今回、本格オープンすることになった。

 「TripAdvisor」では、世界2000万人以上の会員が投稿した旅行に関する口コミ情報を検索・閲覧できる。トップページから、地名や施設名などを入力して検索できるほか、ホテル、航空券、レストラン、観光名所などを検索できる機能も用意する。日本語以外の口コミ情報は「Google 翻訳」で変換できる。

 口コミ投稿は、場所やホテル、レストランなどのカテゴリー別に行う。5段階評価や感想など書き込んで登録する。写真や動画も投稿可能。内容はトリップアドバイザーのチェックを経て、サイトに掲載される。ユーザーページでは、プロフィールや投稿一覧、投稿内容を地図上にプロットする機能を備える。優秀な投稿者を認定する「旅の達人」制度もある。

 また、地理が問われる「トラベラーIQゲーム」を用意。指定された場所を制限時間以内に世界地図上で答えていく。地図上に旗を立てて回答すると、正しい場所との距離も表示。都市、観光名所、首都など徐々にレベルが上がっていく。このほか、口コミ情報を基にした「ホテルランキング」や、宿泊料金の検索・比較機能なども備える。投稿でJALのマイルが貯まるキャンペーンも実施する。


口コミ投稿手順 投稿画面 旅の達人

トラベラーIQゲーム JALマイルプレゼントキャンペーン 旅行失敗談投稿キャンペーン

日本は世界2位の旅行産業市場

 米TripAdvisorのバイスプレジデントであるミシェル・ペリー氏は、「我々のミッションは楽しい旅のお手伝いをすること」と語る。「創業者兼CEOのスティーブ・カウファーが、旅行者の経験を反映したサイトを作りたいと2000年に会社を立ち上げた。その後、同種のサイトを買収し、現在は12のサイトを運営している」という。

 「TripAdvisor」がカバーする情報は、6万1000都市以上、観光名所7万8000カ所以上、ホテル27万件以上にのぼる。ペリー氏は、「サイトに掲載しているのは、旅行者からの真のアドバイス。良かったこと、悪かったことを紹介する。真実の旅行体験を掲載することで、どこに行くべきか、行かないべきかを伝えたい」と話す。

 ビジネスモデルは広告がメイン。「TripAdvisor」のコンテンツに関連した広告を表示することで、クリック率を上げる。「広告モデルの成功の秘訣は、旅行者の関心に近い内容を掲載していること。旅行者の行動に合った広告を表示することで、旅行者に次の行動(航空券の購入やホテルの予約など)も提供できる」とした。

 ペリー氏は日本での事業展開について、「世界旅行観光評議会の調査によれば、日本の旅行産業の市場規模は、米国に次いで世界第2位。インターネットの普及率が高く、CGMも発達している。CGMが盛んなことは、口コミ情報サイトにとって大きなチャンスである」とコメント。「日本語サービスの開始で、今後に期待している」と述べた。


米TripAdvisorバイスプレジデントのミシェル・ペリー氏 会社概要 ビジネスモデル

グローバル展開が特徴、ニッチな情報もフォロー

 トリップアドバイザーの山本考伸代表取締役は、日本の旅行サイトの現状について、「旅行代理店やホテルなど、サプライヤー視点の情報が中心。きれいな写真があり、見やすい構成だが、実際に行ってみたら掲載内容と違っていたという例がある」と指摘。また、「口コミ情報として個人の旅行ブログなどを参考にするが、サイトが多く、情報が散らばっている」とした。

 「TripAdvisor」では、「旅行を構成するパーツ(ホテルや観光名所など)ごとに口コミを整理しており、必要な情報を検索しやすい。また、口コミ情報サイトだと、個人旅行向けだと思われかちだが、パッケージ旅行を構成する要素としても見ることができる」と説明。さらに、グローバルに展開している強みを生かす。「日本人があまり行かないところなどもカバーしている。海外の口コミは基本的に英語だが、写真だけでも参考になる。重要な情報は翻訳もしていく」という。

 「試験運用を行った3カ月間で月間ユニークユーザー数79万人を得たことは驚きであり、サイトの価値が受け入れられた結果でもある。日本語口コミ数は約4万4000件と、少なくない程度にまで集まった。これらにより自信を得たので、本格オープンに踏み切った」とのこと。日本の会員数は非公開。さらに、ビジネスパートナーとして、海外ホテル予約サイト「アップルワールド」と提携した。アップルワールドの口コミ情報も掲載するほか、ホテル予約のリンクも設置。「いろいろなサイトの口コミが整理されたかたちで見られるようにするため、今後も他の事業者と提携を進めていきたい」とした。

 米国で2000年から運営している「TripAdvisor」だが、このタイミングで日本に参入した理由については、カウファーCEOが「もっと早くするべきだった。リソースを誤った」と話したという。「ただし、遅すぎることはない。日本の類似サイトでは、口コミ情報をカテゴリー別に見やすく整理したモデルはなく、十分に需要はあると考えた。それは試験運用の結果を見てもわかる」とした。なお、携帯電話向けサイトは未定。インターネットにおける旅行関連ビジネスについては、「ネットで航空券やホテルの予約をする人が増えている。我々のような口コミ情報サイトがネット予約の後押しになっている」と述べた。


トリップアドバイザーの山本考伸代表取締役 TripAdvisorの特徴 ビジネスパートナーシップ

関連情報

URL
  TripAdvisor
  http://www.tripadvisor.jp/


( 野津 誠 )
2008/10/22 19:26

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