総務省の情報通信審議会は28日、「ユニバーサルサービス制度のあり方」について答申案をまとめ、一般からの意見募集を開始した。募集期間は11月27日まで。答申案では、今後3年間(2009~2011年度)については、現行の制度を維持することが適当であるとしているが、その後については、光IP電話と携帯電話を制度の対象とすることや、ブロードバンドサービスを「ユニバーサルアクセス」として制度の対象とすることなどについての検討が必要だとしている。
ユニバーサルサービス制度は、加入電話などのサービスを全国どこでも公平に利用できるよう、サービスの維持に必要な費用を電話会社全体で負担する仕組み。現在は、1)加入電話、2)公衆電話、3)110番などの緊急通報――の3つのサービスが制度の対象となっており、これらのサービスを提供するNTT東西に対し、サービスの赤字の一部を補填する。負担金は各電話会社が電話番号数に応じて支払うこととなっており、2009年度については1電話番号あたり月額9円として認可申請が行われている。
情報通信審議会の答申案では、ユニバーサルサービス制度の対象範囲について見直しを行った結果、今後3年間については現行のままとすることが適当であると結論付けている。対象範囲については、加入電話は携帯電話や光IP電話ではまだ代替できず、公衆電話についても携帯電話の普及は進んでいるものの、完全に代替できる状況にはないとして、引き続き制度の対象とすることとされている。費用の算定方式についても現行の方式が適切だとしているが、都市部を中心に光IP電話化が進んでいることから、これに伴って補填対象額が減少しないよう、算定にあたっては補正が必要だとしている。
また、2010年代初頭以降の将来的なユニバーサルサービス制度のあり方については、光IP電話が利用者の過半数を占めるようになった後の「第1期」と、従来の電話網がIP網へ移行完了した後の「第2期」の2つの段階について検討。第1期においては光IP電話と携帯電話をユニバーサルサービスの対象とすること、第2期においてはブロードバンドサービスを新たに「ユニバーサルアクセス」として制度の対象とすることについての検討が必要だとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081028_5.html
■関連記事
・ ユニバーサルサービス制度の認可申請、負担金は月額8円に増額(2008/09/22)
( 三柳英樹 )
2008/10/29 19:34
- ページの先頭へ-
|