Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

日本の「OpenID」普及団体が本格活動、企業に参加呼びかけ


 シックス・アパート、日本ベリサイン、野村総合研究所(NRI)の3社が10月1日に設立した「OpenIDファウンデーション・ジャパン(OIDF-J)」が30日、本格的に活動を開始した。日本国内で「OpenID」を普及させるために、IDに関する事業を展開する国内の企業や団体にOIDJ-Jへの参加を広く呼びかける。

 OpenIDは、共通のユーザーIDを複数のサイトで使えるようにする認証技術。ユーザー側のメリットとしては、複数のIDを使い分ける必要がなくなるため、IDや個人情報の管理が容易になる点が挙げられる。一方、OpenIDを導入するサイトは、他の対応サイトで登録されたIDを自社サービスに受け入れられるため、ユーザー登録を促進できる。


OpenIDの特徴 OpenIDが生まれた背景

前列左からOIDF-J幹事の安田俊彦氏、代表理事の八木晃二氏、理事の柴田斉氏、後列左から発起人副代表の関信浩氏、発起人代表の崎村夏彦氏

OIDF-Jの活動内容
 OpenIDは、米Six Apartが2005年に開発。2007年6月には非営利組織の米OpenID Foundationが設立され、OpenIDの技術仕様を公開している。OIDF-Jは、OpenID Foundationの日本支部という位置づけとなる。

 活動内容としては、英語で記載されているOpenID各種仕様を日本語化するほか、実装ガイドラインの策定、日本発の追加仕様などを検討。12月12日には、OpenIDのビジネス活用を探るためのセミナー「OpenID BizDay」も開催する。

 現時点のOIDF-J会員企業は設立に携わった3社に加え、ヤフー、楽天、ミクシィ、ニフティ、ソフトバンクBB、KDDI、日本IBMなど32社。今後も幅広い業種に参加を呼びかけ、「今後1年間で会員企業は3桁に達する」(OIDF-J代表理事の八木晃二氏)見込みだ。

 また、運営に関するアドバイザーとして、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の須藤修教授ら3人を招へい。“ID社会への貢献”という視点からもOpenIDの普及を目指すとしている。

 「今週だけでもMicrosoftとGoogle、国内ではエキサイトもOpenIDに対応した。ECサイトの導入も進んでいるほか、ミクシィでは(友人登録したユーザーだけに閲覧や更新を許可する)グループ認証を行うなど、日本のOpenIDは世界で注目を集めている。今後はOpenIDをかたるフィッシング詐欺サイトも予想されるが、セキュリティの問題についてもOIDF-Jで議論していきたい。」(OIDF-J発起人代表の崎村夏彦氏)

 このほか、OIDF-Jと並ぶID管理コミュニティであるリバティ・アライアンス日本SIG(分科会)との提携も発表。今後は、双方の関連規格の相互乗り入れなどを検討する。主なIDの標準化団体としてはマイクロソフトが推進する「InfoCard」も存在するが、崎村氏は「『Identity10年戦争!?』といった様相」と指摘。OIDF-Jでは、リバティ・アライアンスとのパートナーシップを通じて、ID連携社会の推進に貢献したいとしている。


関連情報

URL
  OpenID ファウンデーション・ジャパン
  http://www.openid.or.jp/
  ニュースリリース
  http://www.openid.or.jp/081030_press-release.html

関連記事
シックス・アパートや日本ベリサインなどが「OpenID」普及団体設立へ(2008/02/28)
mixiがOpenID認証サービス、マイミクによるアクセス制御も可能に(2008/08/20)


( 増田 覚 )
2008/10/30 16:39

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.