米連邦通信委員会(FCC)は4日、未使用テレビ放送周波数帯、いわゆる「ホワイトスペース」の開放を決定したと発表した。
FCCは過去6年にわたってこの問題について検討してきたが、GoogleやMicrosoft、Motorolaをはじめとする多数の企業や団体が開放を求め、積極的にFCCに働きかけていた。一方で放送業界やエンターテインメント業界などは、ワイヤレスマイクや使用しているテレビ周波数帯との干渉が起こると主張し、開放に反対していた。
今回、FCCが満場一致で開放を決定したことにより、この周波数帯を利用したワイヤレスブロードバンド接続機器の登場が期待される。こうした機器は隣接するテレビ周波数帯やワイヤレスマイクとの干渉を防ぐため、位置情報を把握し、データベースと照合した上で、使用する周波数帯を決定する仕組みがなければならない。今後、新機器が開発され次第、FCCの実験室によって認定され、市場に出回ることになる。
ホワイトスペースの解放決定について、Google共同創業者のLarry Page氏は公式ブログの中で、この新周波数帯が既存のWi-Fiよりも電波の到達距離が長いため、少ない基地局で、かつ低コストで広い範囲をカバーするブロードバンドサービスを展開できる可能性があるとしている。また、無免許で利用できるため、Wi-Fiと同じように市場を席巻する可能性についても指摘している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文、PDF)
http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/DOC-286566A1.pdf
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2008/11/vote-for-broadband-in-white-spaces.html
■関連記事
・ 米GoogleのLarry Page氏、未使用周波数帯の利用方法について提言(2008/05/23)
・ 米Google、「ホワイトスペース」開放議論で世論に支持を訴える(2008/08/19)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/11/05 13:28
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