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偽の警告を見分けよう、信頼できないウイルス対策ソフトに注意


 情報処理推進機構(IPA)は5日、10月のウイルス・不正アクセスの届け出状況を発表した。

 ウイルスの届け出状況としては、検出数が約27万個で、9月の約22万個から23.7%増加。最も多かったのは「W32/Netsky」で約19万個、次いで「W32/Autorun」が約6万個、「W32/Mytob」が約4000個など。

 不正アクセスの届け出件数は17件で、そのうち被害があったものは12件。被害の内訳は、侵入が4件、アドレス詐称が1件、その他が7件だった。さらに侵入被害の内訳を見ると、攻撃の踏み台として悪用されたものが3件、SQLインジェクション攻撃によりデータベースを改ざんされたものが1件。また、その他の被害では、本人になりすまして何者かにログインされ、サービスを利用されていた事例が、ネットオークションで2件、オンラインゲームで1件、Webメールで1件、その他で1件あった。

 10月にIPAへ寄せられた相談の総件数は1171件で、9月の2154件から半数近くに減った。内訳は、ワンクリック不正請求に関するものが305件、セキュリティ対策ソフトの押し売りに関するものが31件、Winny関連が5件、情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメールに関するものが3件など。総件数が減ったことと同様、ワンクリック不正請求に関する相談は9月の651件から半減している。

 セキュリティ対策ソフトの押し売りも9月の50件から減少しているが、10月にも31件あったということで、IPAでは今月の呼び掛けとして「『偽の警告を見分けよう!』―あなたのセキュリティソフトは本物ですか?―」を挙げている。


ワンクリック不正請求に関する相談件数の推移

信頼できるセキュリティソフトの導入を

偽の警告メッセージの例。これは、タスクバーのアイコンから表示されるパターン

偽の警告メッセージの例。見覚えのないウイルス対策ソフトがスキャンを始めるパターン
 セキュリティ対策ソフトの押し売りとは、PCの画面に「Warning!」「ウイルスが発見されました」などの偽の警告メッセージを表示し、セキュリティ対策ソフトだと称するものを購入させようとする行為。IPAによると、この警告メッセージはウイルスによるもので、いったん埋め込まれるとPCの動作が不安定になったり、最悪の場合は初期化が必要になるなど被害内容が深刻化しているという。IPAには、「ウイルス対策ソフトをネットで検索して購入してインストールした後、パソコンが不安定になった」という相談も寄せられている。

 これに対してIPAでは、信頼できないウイルス対策ソフトを誤って購入してしまったものと指摘。ウイルス対策ソフトのような名前に見えても不正なプログラムの場合もあるため、注意が必要だとしている。

 押し売り対象のソフトとして、IPAが現状で確認している主な名称には、「AdvancedPrivacyGuard」「Alphawipe」「AntiSpyware」「AntiSpywareExpert」「AntiVirus2008」「AntiVirus XP 2008」「Doraibuhogo」「DriveCleaner」「HadodoraiBugado」「NetTurboPro」「SpyDajaba」「Spyware Remover」「SupaShuri」「VirusRemover2008」「VirusVanguard」「WinAntiSpyware」「WinAntiVirus」「WinAntivirusPro2006」「WinAntivirusPro2007」「WinFixer」「WinXProtector 2.1」「XPAntivirus」「XPSecurityCenter」があるという。ただし、これら以外の名称であれば安全という証明にはならないとも述べている。

 IPAのWebサイトでは、セキュリティソフトの押し売りを行うウイルスの仕組みや感染方法、起動画面などを紹介するとともに、被害を未然に防止するための対策として、1)迷惑メールに添付されてくるファイルを不用意に開かないこと、2)使用しているOSやアプリケーションを最新の状態にして、脆弱性を可能な限り解消すること、3)信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入すること――の3点を心掛けるよう呼び掛けている。なお、3)については、どのソフトを購入していいか判断できない場合は、パソコン店などでパッケージ版を購入することを勧めている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ipa.go.jp/security/txt/2008/11outline.html

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( 永沢 茂 )
2008/11/05 20:52

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