欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7日、通信市場の統一を図ることを目的とするEU電気通信改革(EU Telecoms Reform)のパッケージ案について、新たな修正案を提示した。これは、欧州議会において9月24日に行われた決議や欧州委員会における議論を考慮したもので、今後さらに欧州議会などでの議論を待つことになる。
EU電気通信改革は、2007年11月に最初の提案がなされた。EUの単一市場化を目指すとともに、競争を促進することによって、消費者により有利な市場として市場を活性化をするため、特に高速無線ブロードバンド市場の活性化を目的としている。今回の修正は議会での修正要求を受けたもので、2008年11月27日に開催が予定されている欧州委員会の通信関連大臣会合において議論されることになる。
今回の改正のポイントは、EUの規制当局のスリム化と独立化。2010年までに加盟各国における効力発生を目指しており、議会の修正要求を受け入れるかたちとなっている。規制当局自体の修正のほか、各国の規制当局の独立性を堅持することや、周波数割り当てについてフレキシビリティを増した規制方法の提案などがなされている。特にセキュリティやプライバシーの保護にも配慮するなど、加盟各国の要請を最大公約数的に受け入れたかたちとなったようだ。
次回の欧州議会での議決は2009年4月が予定されている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1661&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
■関連記事
・ EU、通信市場の単一化に向けて提言(2007/10/15)
( Gana Hiyoshi )
2008/11/10 13:06
- ページの先頭へ-
|