米Qualcommは12日、PCを使わなくてもインターネットにアクセスできる新しい種類の端末「Kayak」を新興国市場向けに提案すると発表した。価格は200~300ドル台を目指しており、フルブラウザでWeb 2.0アプリケーションを利用でき、音楽再生やゲームの機能も付ける。
Qualcommは、Kayakのレファレンスデザインと推奨ソフトウェアの仕様をデバイスメーカーに提供する。レファレンスデザインには、QualcommのデュアルコアMSM7xxxシリーズチップセットが使用され、計算とインターネット接続双方に使用される。
さらに、Web 2.0アプリケーションをブラウザから利用できるよう、ノルウェーのOperaがブラウザを提供する。また、内蔵ディスプレイ以外にテレビやコンピュータのモニターを使用できるようにし、キーボードやマウスにも対応する。音楽プレーヤーまたは3Dゲーム端末機能も付加する。
Kayakの最初のトライアルは2009年第1四半期ごろに行われる予定。端末は台湾のInventec Corporationが製造し、東南アジアのCDMA2000、WCDMAネットワークを使って行われる予定だ。
Qualcommは、新興国市場においてデスクトップPCでインターネット接続するには、固定電話回線やその他周辺機器が必要で、3G無線ブロードバンドの方がインターネットアクセスを提供するには優れていると考えている。
Qualcomm CDMA Technologiesのマーケティング/プロダクトマネージメント担当シニアバイスプレジデントであるLuis Pineda氏は「3Gネットワークのカバーエリアの広さは、世界中の市場、特に新興国市場におけるインターネットアクセスへの答えが無線であることを示している」と説明している。
また、ブラウザを提供するOpera Softwareの営業担当シニアバイスプレジデントであるRod Hamlin氏は「Webアプリケーションは、パッケージソフトウェアが高価なものである新興国市場の人々にとって、新たな可能性を開くことになる」とコメントしている。
QualcommではKayakの最終的な販売価格について、端末メーカーが選択するディスプレイのサイズやメモリの容量などによって異なるとしながらも、「Kayakが成功するためには200ドルから300ドル以下の値段でなければならない」としており、メーカーとともに検討しているという。また、携帯電話事業者と協力すれば、それ以下の価格帯で販売することも不可能ではないとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.qualcomm.com/news/releases/2008/081112_qct_kayak.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/11/13 14:04
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