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ヤフー、「インターネット クリエイティブアワード2008」発表


受賞者と審査員一同
 ヤフーは28日、「Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード2008」の受賞作品を発表し、都内で贈賞式を開催した。一般の部グランプリは、ブログパーツ「Blog Ground Music」(作者:中川真仁氏)、企業の部グランプリは、Webコンテンツ「魔球ロワイヤル」(制作:バスキュール)が受賞した。

 「インターネット クリエイティブアワード」は、インターネット上でのクリエイティブ表現に注目し、優秀なクリエイターを発掘・表彰することを目的としている。2006年から開始され、今回が3回目となる。

 アワードは、一般からの応募作品を対象にした「一般の部」と、企業のプロモーションで制作された作品を対象にした「企業の部」で構成される。それぞれの部で、「バナー部門」と「ウェブコンテンツ部門」を設けている。

 応募数は、「一般の部」が293作品、「企業の部」が314作品で、計607作品が集まった。その中から、1次審査、Web上での一般投票、最終審査を経て、各賞(計22賞)を決定した。賞は、各部門において、「Gold」「Silver」「Bronze」のほか、最終審査員賞、一般の部のグランプリ、企業の部のグランプリなどがある。

 贈賞式冒頭、ヤフーの井上雅博代表取締役社長は、「インターネット上のクリエイティブはまだまだだと言われていたとき、優秀なクリエイターにインターネットの分野に入ってきてほしい、インターネットならではのクリエイティブ表現を追求したいとの思いから始めた企画」と説明。「年々、応募作品のクオリティが上がっている。さらにレベルの高い作品や、思いも付かなかった作品が、本アワードをきっかけに誕生してくれたら嬉しい」とコメントした。


総応募数 オリジナルトロフィーを刷新 ヤフーの井上雅博代表取締役社長

ブログパーツの作品は激戦区

 一般の部のグランプリは、ブログのテキストを基に音楽を奏でるブログパーツ「Blog Ground Music」(作者:中川真仁氏)が受賞した。「Blog Ground Music」を起動すると、五線譜がページを上から下へスキャンするように移動する。その間、ページ中に「ドレミファソラシド」と同じ文字があると音に変換し、オリジナルの音楽を生成する。楽器は、ピアノやギター、トランペットなどが選べる。

 最終審査員を務めたトリプルセブン・インタラクティブ代表取締役の福田敏也クリエイティブディレクターは、「今年、ブログパーツでのクリエイティブ作品は激戦区になった。その中で、Blog Ground Musicは音楽を奏でるというわかりやすさ、完成度の高さを評価した」とコメントした。また、作者の中川氏は、「バージョンアップの用意もしているので、いろいろな人に楽しんでほしい」と話した。

 一般の部ウェブコンテンツ部門では、gooの最新検索キーワードとYahoo! JAPANの画像検索を使用したマッシュアップアプリケーション「s.b.p.v_goo_yahoo」(作者:岡村直明)などが受賞した。

 一般の部バナー部門では、テーマ別に作品を募集した。「Yahoo! JAPANからのテーマ『Life Engine』」と「AC公共広告機構からのテーマ『環境問題』『人と人とのコミュニケーション』『モラルとマナー』」がある。

 Life Engineでは、Yahoo!ロゴのカラーを“運命の赤い糸”に見立てた作品「Yahoo!のロゴはなぜ赤い?」(作者:篠原史樹)などが受賞、公共広告機構では、ゲーム「テトリス」をモチーフに、環境問題に関する用語がブロックになって落ちてくる「ECORIS」などが受賞した。


Blog Ground Music 受賞者の中川真仁氏 グランプリ受賞者のみが座れる「BIG IDEA CHAIR」(中央)、椅子に座った写真がヤフーのロビーに1年間飾られる

今回は作者の熱意が伝わる作品が多数

 企業の部のグランプリは、Flashベースの野球ゲーム「魔球ロワイヤル」(制作:バスキュール)が受賞した。ユーザーは、ピッチャーとバッターの両方をプレイする。まず、ピッチャーとして球種(魔球カード)を選び、次にバッターとしてマウス操作で球を打つ。魔球はユーザーが作成できる。また、ゲーム自体が高校野球をイメージしたストーリー仕立てになっており、独特の世界観も特徴となっている。

 最終審査員を務めたタグボートの川口清勝アートディレクターは、グランプリに選んだ理由として、「細部の異常なこだわりが良かった。ここまで作り込んだ作品は過去になかった」と説明した。また、バスキュールのスタッフは、「自分たちの物作りへのこだわりを表す作品にしたかった」と述べた。

 企業の部ウェブコンテンツ部門では、ゲーム「ポケットモンスター」のサイトにあるコンテンツ「Pokemon GTS」(クライアント:ポケモンなど、制作:バスキュール/スリーハンズ)が受賞。バナー部門では、ホンダのインタラクティブバナー「Close Up! Yahoo! 2008」(クライアント:本田技研工業など、制作:電通/カイブツ/ドリル)が受賞した。

 最終審査員を務めたGT INC.の内山光司クリエイティブディレクターは、「インターネット クリエイティブアワード2008」の総評として、「年々作品の質が上がってきているのを実感している。技術やデザインなどが進化したのもあるが、今回は特に作者の熱意が伝わる作品が多かった。最終的に人に伝わるのは、魂のこもった作品になる」とコメントした。

 「インターネット クリエイティブアワードは、プロのクリエイターだけでなく、クリエイティブを仕事にしていない人にも広く門戸を開いているところが良い。それによって、新しいインタラクティブクリエイティブ作品を発見し、また、クリエイターが世界に出ていくための登竜門になる。クリエイターの次のステップになるよう、今後も続いていってほしい」と語った。


魔球ロワイヤル バスキュールのスタッフと最終審査員 GT INC.の内山光司クリエイティブディレクター

関連情報

URL
  Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード2008
  http://creative-award.yahoo.co.jp/

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( 野津 誠 )
2008/11/28 22:05

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