政府の教育再生懇談会は、第6回の議事録を公開した。この中で、子供の携帯電話利用に関する作業部会の取りまとめ(素案)が明らかにされた。
教育再生懇談会は、安倍内閣時代に設置された教育再生会議の後継組織として、福田内閣によって設置された内閣直属の機関。今年5月の第1次報告書の中では、小中学生に携帯電話を持たせないこと、持たせる場合は通話やGPS機能に限定したものを推進することなどが盛り込まれた。
今回、携帯電話問題ワーキンググループで取りまとめられた案は、基本的には第1次報告書の内容に沿ったものとなる。子供に携帯電話を持たせるかどうかについては、保護者が携帯電話の利便性と有害性を認識する必要性を指摘、家庭内でのルール作りも必要とされた。
また、地域住民団体および行政機関には、子供や保護者の自主的な取り組みを後押しするための啓発活動、およびその活動の支援が求められた。
教育委員会や学校には、学校への携帯電話の持ち込み原則禁止といった方針の明確化が要求されている。連絡手段としては、校内や駅などに公衆電話の整備なども必要とされた。
子供に携帯電話を持たせる場合、機能が限定された携帯電話が有効だとし、通話相手限定端末やGPS機能限定端末などをあげた。第1次報告書を受けて、携帯電話事業者は来春に向け、機能限定端末が検討されているとされた。今回の素案では、こうした機能限定端末を積極的に活用すべきだと結んでいる。
また、有害情報へのアクセスを制限できるフィルタリングサービスが必要とし、子供が安易に解除できないよう、保護者の真剣な取り組みを求めている。携帯電話事業者やフィルタリング会社、販売店には、地方自治体や学校と連携したフィルタリングの周知徹底を要求している。こうした連携を通じて保護者は、ホワイトリストやブラックリストの仕組みや趣旨を子供に説明する。
このほか、PTAには機能限定端末の推奨制度や推奨マークを付与するなど、仕組み作りが必要とされた。
取りまとめ(素案)では、携帯電話の問題は、家庭や学校、地域の教育力が問われているとされた。携帯利用に伴う弊害から子供を守るために、社会全体で早急に対策を講ずる必要があると強く求めており、政府に対しては、3年後を目途に施策全体の検証を行い、法的措置を含めた対策をとるよう要請している。
関連情報
■URL
教育再生懇談会 第6回議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku_kondan/kaisai/dai6/6gijisidai.html
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( 津田啓夢 )
2008/12/18 20:14
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