paperboy&co.は19日、ジャスダック証券取引所に上場した。募集売出価格1900円に対し、初値は4000円となった。同社は、上場に関する記者説明会を行い、家入一真代表取締役社長が今後の展開などを話した。
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ジャスダック証券取引所
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paperboy&co.の家入一真代表取締役社長
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● 自己表現市場の開拓に貢献
paperboy&co.は、2003年1月に設立し、個人向けのホスティング事業やEC支援事業、コミュニティ事業を展開している。2004年3月にGMOインターネットの子会社となった。従業員数は118人。「デザイナーや技術者が40人いる。クリエイターが多く、営業担当がいないのが特徴」という。
次に、業績推移や事業部門別売上比率、事業内容などを説明した上で、成長の秘訣として、「入金確認や顧客管理などの運用を自動化し、人件費を削減する“ローコストオペレーション”」によりサービス価格を下げ、「企業利用が中心だったレンタルサーバーやドメインを個人向けに展開・普及させてきた」と話す。
家入氏は、「今までになかった付加価値をインフラ事業に見い出し、個人向けサービスに特化したことで、個人の“自己表現市場”を開拓・成長してきた」とアピール。また、「インターネットの普及率および滞在時間が伸びてきたことにより、今後はさらに個人の自己表現に対する欲求が高まってくるだろう」と述べた。
● 自社でサーバー・システムの増強図る
paperboy&co.の今後の課題について家入氏は、「技術革新めまぐるしいインターネット業界において、最新技術を常にキャッチアップし続けられる力が重要。そのための人材育成に努めたい」とコメント。
また、「paperboy&co.はサービスの基盤となるサーバーを他社から借りている。固定資産を持たないシンプルなビジネスは強みだが、他社への依存が強くなり、それが弱みになる。自社のサーバー・システムを整備し、依存度を弱めたい」との考えを示した。加えて、「インターネット関連の法整備に速やかに対応するため、コンプライアンス体制の強化を図る」とした。
paperboy&co.の方向性としては、「今後も自己表現市場をリードしていきたい」と話す。「そのために、既存ビジネスの強化・拡充と、新規サービスの投入を行う」と説明。新規サービスについては、「iPhoneやWiiなど、インターネットに接続できる携帯端末やゲームに対応するサービスも開発したい」とした。家入氏は、「上場することで、さらに知名度を高めたい」と語った。
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目指す方向性
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コンセプトを基に価格を設定。ネーミングはサービスの方向性を決める。デザインを重視する点もペパボの特徴
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● コミュニケーションの次は自己表現
会社設立から約6年での上場となったpaperboy&co.。その心境について家入氏は、「GMOグループに入ったときから上場を考えていた。ようやく上場できたという思いが強い」と話す。GMOとの関係については、「paperboy&co.はネットサービスのアプリケーション面には強いが、サーバーやネットワーク面には弱い。GMOグループに入ることで、インフラの強化を図りたかった。今後もこの関係性は継続する」とコメントした。
家入氏は、インターネットユーザーの動向について、「コミュニケーションの次に来るのが自己表現だと考える」と語る。「ブログやSNSで日記を書いていた人たちが、それだけでは飽きたらずに動画を作って動画共有サイトにアップしたり、Webサイトを立ち上げて、ギャラリーページを作ったりする方向に広がっていくのではないか。ドメイン利用は今後も増えると思う。それに伴いレンタルサーバーの需要も増えていくだろう」と述べた。
上場セレモニーの様子。JASDAQ BELLを鳴らす家入社長。セレモニーには、GMOインターネットの熊谷正寿代表取締役会長兼社長も出席した(写真、上段右)
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.paperboy.co.jp/news/200812190900.php
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( 野津 誠 )
2008/12/19 18:33
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