NECは24日、複数の通信事業者間において、インターネットのトラフィックを効率的に分散する制御方式の開発に成功したと発表した。ネットワーク回線や事業者間接続用ルータの負荷軽減にもつながるため、インターネットの安定性向上にも貢献できるとしている。
今回開発した制御方式は、特定の通信事業者を経由したトラフィックのみを制御するとともに、トラフィック状況に応じて自律的に制御メッセージの送信先を決定する方式。これらの制御方式を利用することにより、インターネット上の制御メッセージ量を、従来方式と比べて約30分の1に削減できるという。
トラフィック転送を行う通信事業者は、経路制御プロトコルを用いて他の事業者と接続している。しかし、トラフィック分散を想定して設計されていない従来の経路制御プロトコルでは、事業者の経路ごとに制御メッセージを複数に分けて送信する必要があり、ネットワークに流れる大量の制御メッセージを処理するための負荷が高くなっていた。
また、適切なトラフィック分散を行うためには、トラフィックの混雑状況に応じて適切な事業者を選択し、設定を変更する必要がある。しかし、トラフィック状況は頻繁に変化するため、従来の経路制御プロトコルでは管理者がその都度設定を変更しなければならならなかったという。
NECでは、今回開発した制御方式により、これらの課題を解消できると説明。通信事業者における運用コストの大幅な削減に貢献できるとしており、今後も研究開発を強化するとしている。
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NECが開発した技術のイメージ図
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0812/2402.html
( 増田 覚 )
2008/12/24 19:42
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