決済処理大手の米Heartland Payment Systemsは20日、同社のシステムが不正侵入を受けたことを明らかにした。米国の複数の報道機関では、過去最大規模の情報流出となる可能性があると報じている。
Heartlandは、小売店やレストラン、サービス業など米国内25万以上の事業者に対して、クレジットカードやデビットカードの決済サービスを提供。同社サイトによれば、決済処理は年間40億件以上に上り、その実績は米国でトップ5に入るという。
流出した情報についてHeartlandは、「小売店のデータ、カード保有者の社会保障番号、暗号化されていない暗証番号、住所、電話番号は含まれていない」と説明するにとどまっている。不正侵入の対策は実施済みだという。
同社のRobert Baldwin社長は、「不正侵入は世界的なサイバー詐欺組織による犯行の可能性が高い」と説明。現在、アメリカ合衆国シークレットサービスおよび司法省に協力し、調査を進めているという。
Heartlandは、2008年にVisaとMaster Cardから「不正なカード処理が行われている恐れがある」と警告を受け、外部機関に調査を依頼。先週になって、Heartlandが扱うデータに影響を及ぼす悪意のあるソフトウェアの存在が明らかになった。
なお、Heartlandでは、不正侵入に伴うカード不正使用の被害に遭った利用者は被害額を負担する必要がないと説明。また、不正侵入に関する専用サイトを開設し、詳細が分かり次第公表するとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.snl.com/irweblinkx/file.aspx?IID=4094417&FID=7231254
不正侵入に関する専用サイト(英文)
http://www.2008breach.com/
Heartland Payment Systems(英文)
http://www.heartlandpaymentsystems.com/
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( 増田 覚 )
2009/01/22 16:09
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