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著作者情報の検索ポータル開設、著作権保護期間の延長実現に向け |
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ポータルサイトは、協議会に参加する各団体が独自に持つデータベースへの入り口となる。ユーザーは、ポータルサイトで著作者名を入力することで、著作物を管理する権利者団体を無料で検索できる。検索結果ページには権利者団体のURLとメールアドレスが表示され、ユーザーはこの情報をもとに著作物の利用条件を問い合わせる。ポータルサイトで検索可能な著作者は、現時点で合計11万1413人。 また、連絡先が不明な著作者を捜すための「尋ね人Web」という掲示板サイトを限定公開。ユーザーは、「○○さんの連絡先を知りませんか」などと投稿できる。ただし、掲示板に個人情報が記載されたり、荒らされた場合の管理態勢が整っていないことから、半年間は協議会に参加する著作権団体、および団体から推薦を受けたユーザーのみに利用を限定。半年後に一般公開の可否を検討する。 なお、権利者が不明な著作物については、文化庁長官の裁定を受けて補償金を供託することで利用できる「裁定制度」が設けられている。ただし、裁定制度を利用するには、手数料や著作権者を探すための広告掲載料が数万円もかかるなど障壁が高い。このことから文化審議会著作権分科会の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」では、手続きの簡略化や料金の軽減などが検討されている。「尋ね人Web」について協議会の議長を務める作家の三田誠広氏は、「民間でこういうことができるという提案」としている。 協議会のポータルサイトを開設するためにかかった費用は約300万円で、協議会に参加する17団体が分担した。運営費については、年間約200万円程度を見込んでいるという。
● ポータルサイトで保護期間延長の弊害の大部分は解決できる
著作権の保護期間を検討する「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」では、保護期間延長を求める権利者側に対して、利用者側の委員らが「著作権の継承者が不明な作品が増え、著作物の利用許諾の手続きが煩雑になる」と反対。そこで協議会は、利用者側の問題提起をクリアするためのテストケースとしてポータルサイトを開設。「ポータルサイトは利便性が高く、保護期間延長の弊害の大部分は解決できるはず」と三田氏は語る。 「我々は利益のために著作権保護期間の延長を求めているわけではない。創作者としてのプライドの問題だ。欧米はすでに70年だが、日本では今後10年以内に谷崎潤一郎や江戸川乱歩の著作権が切れる。最近では、江戸川乱歩の原作『怪人二十面相』が映画化されたが、現在も利用されている作品の著作権があと数年でなくなるのは、創作活動に携わる人にとって残念なことだ。」（三田氏） とはいえ、ポータルサイトがどれだけ著作物の利用を促進するかについては未知数だ。協議会に参加する写真家の瀬尾太一氏は、「ポータルサイト単体で即効性は出ないかもしれない」と語るが、日本経団連が中心となって2007年6月に開設したポータルサイト「ジャパン・コンテンツ・ショーケース」などと連携することで、長期的な効果は見込めるとしている。 ジャパン・コンテンツ・ショーケースでは、映画や音楽など8つのカテゴリから、著作物の情報を検索することが可能だ。瀬尾氏によれば、ジャパン・コンテンツ・ショーケースと協議会のポータルサイトでは、同じ形式のIDが採用されていることから、両サイトのデータベースを複合することは容易だという。 関連情報 ■URL 創作者団体協議会のポータルサイト http://www.sousakusya.jp/ ■関連記事 ・ 創作者団体協議会、著作権者情報検索のためのポータルサイト構築を発表（2007/08/31） ・ 日本のコンテンツ情報を国内外に発信、ポータルサイト開設（2007/06/15）
（ 増田 覚 ）
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