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Shadeの作品例
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イーフロンティアは23日、3DCG作成ソフト「Shade 10.5」シリーズを発表した。同日行われた記者会見では、Shadeで作成した3DCGが利用できる仮想空間「Blue Mars」や、イーフロンティアが運営する作品投稿サイト「artist side」も紹介した。
「Shade 10.5」では、スナップ機能の強化や作業平面機能の追加をはじめ、マルチパスレンダリング機能、ハーフトーン・カラーハーフトーン機能、EPix/COLLADAフォーマット出力機能を搭載した。価格は通常版パッケージの「Basic」が1万2800円から。対応OSはWindows Vista/XP、Mac OS X 10.4.11/10.5。発売日は3月6日。
● 高スペックPCでなくても楽しめる美麗なメタバース
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Avatar Reality社プレジデントの橋本和幸氏
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Blue Marsのデモ
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シティの様子
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「Blue Mars」は、米Avatar Reality社が開発中の3D仮想空間。緻密なグラフィックを特徴としている。現在は一般公開していないが、3月にクローズドベータ、6月にオープンベータをリリースする予定。基本利用は無料で、アイテム課金となる。
Blue Marsの舞台は、テラフォーミング(惑星を改造して地球のような環境にすること)した2177年の火星。ユーザーはアバターを使い「シティ」と呼ばれる場所で、他のユーザーとチャットなどが行える。シティはいくつか用意されており、現在は600人までの同時アクセスに対応している。
Avatar Reality社プレジデントの橋本和幸氏は、「Blue Marsに来て話をするけでなく、ゲームをしたり、観光名所巡りをして楽しめるようにしたい」と話す。シティは、「同時アクセス1万人まで耐えられるように設計していく」という。今回、Shade 10.5がCOLLADAフォーマット出力に対応したことで、Shadeで作成した3DCGをBlue Marsで表示できるようになった。
Blue Marsは、「3DCGアーティストが作成した高品位なグラフィックを反映できる」ことを特徴とする。橋本氏は、「コンテンツが増えないとメタバースは発展しない。コンテンツが増えるには制作者のモチベーションが必要。3DCGアーティストが自分の力を発揮できるレンダリング性能があれば、作ってみようという気になる。クオリティの高い作品が集まれば、新しいものを見たいというユーザーも増えていく」と話す。
発表会のデモでは、最新ゲーム機に登場するような3DCGアバターやムービー、アバターの滑らかな動作、歩行に伴いウェーブするように揺れる髪の毛などを確認できた。グラフィックが特徴となれば、高性能なPCでないと利用できない印象だが、「デモは1200ドルのノートPCで動かしている」という。また、会場のブースにはデスクトップPCのデモ機も設置されていたが、「500ドルで組み立てたPC」とのことで、並のスペックであればストレスなくBlue Marsを楽しめるとアピールした。
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デモの画面
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ノートPCのデモ画面
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● Shade 10.5ベータ版を「artist side」で無償公開
このほか、イーフロンティアは、画像や動画、音声などの作品を投稿するコミュニティサイト「artist side」を紹介した。artist sideは、2008年10月1日に開設されており、無料のメンバー登録で利用できる。現在の登録者数は約2000人。コミュニティを作成して情報交換できるなど、SNS機能が特徴だ。
イーフロンティアの杉本征一郎氏(企画開発統括部製品企画グループマネージャー)によれば、「投稿者はShadeユーザーが多いが、Photoshopなどを使った2DCG作品や写真の投稿も多い」と説明。コミュニティは、イーフロンティア製品に関するものをはじめ、作品のジャンル別コミュニティなどもあるようだ。「イメージとしては『pixiv』に近いが、より情報交換しやすいサービスになっている」という。
イーフロンティアは、Shade 10.5のベータ版をartist sideで23日より提供する。メンバー登録していれば無償ダウンロード可能。ベータ版は機能制限などは設けておらず、Shade 10.5製品版の発売日まで使用できる。「Shadeの23年の歴史の中で、ユーザーにベータ版を提供するのは初めてになる」という。「イーフロンティアがCGMやWebコミュニティを活用していく1つの方法として、ベータをクローズドで公開することにした」。
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artist sideの概要
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トップページ
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コミュニティページ
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【追記 2009/01/26 14:00】
イーフロンティアは、Shade 10.5ベータ版の配布を延期した。ベータ版の使用については、「Shade 10ユーザーであること」「希望者はイーフロンティアとNDAを結ぶこと」が条件となり、Shade 10ユーザーへの配布開始は今週中としている。なお、「artist side登録ユーザーへの無償提供に関しては検討中」とのことで、開始時期は未定という。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.e-frontier.co.jp/company/press/introduction/2009/2009123shade_105shade.html
( 野津 誠 )
2009/01/23 20:44
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