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フリービット、「ユビキタス家電」など次期戦略を説明


フリービット代表取締役社長兼CEOの石田宏樹氏
 フリービットは4日、機関投資家向けの懇談会を開催し、今後の経営計画の説明と新サービス「ServersMan@iPhone」などの紹介を行った。

 代表取締役社長兼CEOの石田宏樹氏は、フリービットが2008年から進めている3年間の中期経営計画「SiLK VISION 2010 ver 2.0」について、DTIを始めとするISPの買収などによる接続事業の強化「ハイブリッド戦略」に多くのリソースを投入してきたと説明。バックボーンの共通化などによりコストを削減したことで、売上増とともに高利益率の事業構造にシフトすることができ、「ISPビジネスの再編は大規模であっても効果的に行えることが証明できた」として、今後はさらに規模の大きいISPの再編も検討していきたいと語った。

 一方で、ハイブリッド戦略とともに今後の成長領域としていた「メッセージング」「VPN」「アドテクノロジー」「モノ・コントロール」の4領域については、買収以外のリソース割当不足により、成長は想定内にとどまったという。こうしたことから、中期経営計画の後半では、これらの分野に重点的にリソースを割り当てていくと説明。さらに、次の3年間の経営計画を1年前倒しで2009年度から開始し、現在の経営計画と同時進行していく予定を明らかにした。

 次期経営計画の具体的な戦略としては、ユビキタス技術によって実現される無料プロダクト群により、ユーザー獲得と有料サービスへの誘導を行う「UbicFrontier!戦略」を推進していくと説明。そのサービスの第1弾として、4日に公開したiPhone/iPod touch向けアプリ「ServersMan@iPhone」を紹介した。

 「ServersMan@iPhone」は、フリービットの仮想ネットワーク技術「Emotion Link」の応用により、iPhone/iPod touchをサーバー化し、外部からファイルサーバーやWebサーバーとしてアクセスできるようにするアプリケーション。現在、Windows Mobile版も開発を進めており、今後は独自ドメインが利用できるようになる有料サービスや、海外展開も進めていく予定だとした。

 さらにユビキタス分野の事業としては、「ユビキタス家電」の開発に向けて、デジタル家電製品の開発・販売を行っているエグゼモード株式会社との業務・資本提携も4日に発表。提携により、デジタルビデオカメラやテレビなどのデジタル家電に、フリービットの持つユビキタス技術を組み合わせることで、ネットワークを活用した「ユビキタス家電」の開発・販売を進めていくとしている。

 石田氏は、「ユビキタス家電の実現に向けてパートナーをずっと探していたが、理想的な相手が見つかった」として、提携により早期に製品化を実現したいとコメント。エグゼモード取締役社長の藤岡淳一氏は、「エグゼモードでは機能を絞った低価格な製品を開発・販売しているが、大手メーカーの製品でも使っている部品は同じものであったりする。違いはソフトウェア・ミドルウェアの部分で、ここにフリービットの技術を用いることで、新たな魅力を持った製品を提供していきたい」と語った。

 懇親会の会場では、PCに接続したビデオカメラをサーバーとして公開するデモも披露された。将来的にはカメラ本体にネットワーク機能を組み込んでいくという。


エグゼモード取締役社長の藤岡淳一氏 PCに接続したビデオカメラをサーバーとして公開するデモ

関連情報

URL
  フリービット
  http://www.freebit.com/

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( 三柳英樹 )
2009/02/05 11:09

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