ノルウェーのOpera Softwareは4日、市場最速のECMAScript/JavaScriptエンジン「Carakan」の開発計画を公開した。
OperaのこれまでのECMAScriptエンジンは、古代の書記体系や文字の名称から採られており、今回もそれにならって古代文字の名前から「Carakan」と名付けられている。「Carakan」はこれまで数カ月間にわたって数名の開発者とテスターによって実装されてきたという。
かつてOperaが「Futhark」エンジンを公開した時には市場で最速のエンジンだった。「Futhark」では実行速度よりも、コードフットプリントの最小化を目指して開発されていた。しかし市場動向が変わり、最新のWebアプリケーションでは高速な実行速度が要求されるようになったことから、新たなエンジンの開発に乗り出すことになった。
「Carakan」では、スタック型のバイトコード命令セットから、レジスタ型のバイトコード命令セットに変更。また、高速になったバイトコード実行のオーバーヘッドをさらになくすためにECMAScriptプログラムの一部または全体をネイティブコード生成するという。
その結果、現在開発中の「Opera 10」アルファ版に搭載されている「Presto 2.2」に比べてSunSpiderベンチマークで約2.5倍高速だとしている。これは、ネイティブコードを使用しない通常のクロスプラットフォーム用のスイッチメカニズムを使用したバージョンだ。
Operaは、多くの異なるハードウェアアーキテクチャーに移植されているため、クロスプラットフォーム環境での改良が非常に重要となる。
「Carakan」は、ネイティブコードによるフルスケールテストの段階にはまだ達していないが、個別のベンチマークテストの結果では、5~50倍高速に動作するとしており、これまでのところでは期待できる結果を出しているといえそうだ。
関連情報
■URL
Opera Core公式ブログの該当記事(英文)
http://my.opera.com/core/blog/2009/02/04/carakan
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/02/06 13:56
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