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2008年のサイバー犯罪は15.5%増、中傷に関する相談も増加


 警察庁は26日、インターネットなど情報技術を利用した「サイバー犯罪」の2008年の状況を公表した。2008年に全国の警察が検挙したサイバー犯罪の件数は6321件で、2007年(5473件)に比べて15.5%増加した。

 検挙件数の内訳は、不正アクセス禁止法違反が1740件(対前年比20.7%増)、コンピュータまたは電磁的記録を対象とした犯罪が247件(118.6%増)、犯行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪(ネットワーク利用犯罪)が4334件(10.6%増)。

 ネットワーク利用犯罪の検挙件数の内訳は、詐欺が1508件(0.3%減)で2007年とほぼ同数。児童売春・児童ポルノ法違反では、児童売春は507件(8.0%減)と減少したが、児童ポルノは254件(同32.3%増)と増加した。また、青少年保護育成条例違反が437件(90.0%増)、出会い系サイト規制法違反が367件(200.8%増)と、検挙数が大幅に増加している。

 このほかのネットワーク利用犯罪の検挙件数は、商標法違反が192件(0.5%増)、わいせつ物頒布等が177件(12.8%減)、著作権法違反が144件(12.7%減)、その他(名誉毀損、脅迫、薬物事犯など)が748件(0.5%減)。

 全国の警察のサイバー犯罪相談窓口などに寄せられた相談の、2008年の受理件数は8万1994件で、2007年(7万3193件)に比べて12.0%増加した。相談の中では、詐欺・悪質商法に関する相談が3万7794件(15.1%増)と半数近くを占める。

 相談の中では、名誉毀損・誹謗中傷などに関する相談が1万1516件(29.8%増)となり、初めて1万件を突破した。このほかの相談は、ネットオークションが8990件(29.3%減)、迷惑メールが6038件(30.0%増)、違法情報・有害情報が4039件(15.5%増)、不正アクセス・ウイルスが4522件(50.5%増)など。

 また、警察庁では、2008年に全国の警察から報告のあった不正アクセス行為の認知状況を公表した。2008年中の不正アクセス行為の認知件数は2289件で、2007年(1818件)から25.9%増加した。

 不正アクセス後の行為としては、ネットオークションの不正操作(他人になりすましての出品など)が1559件と最も多く、以下はオンラインゲームの不正操作(457件)、ホームページの改ざん・消去(152件)、情報の不正入手(46件)、ネットバンキングの不正送金(37件)などとなっている。

 また、不正アクセス禁止法違反による検挙件数(1740件)のうち、「セキュリティホール攻撃型」の手口は1件のみで、1736件はID・パスワードを何らかの方法で盗み出した「識別符号盗用型」の手口となっている。内訳は、利用者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだものが1368件と多数を占め、以下は元従業員や知人によるものが163件、フィッシングサイトによるものが88件、スパイウェアなどを利用したものが48件など。


関連情報

URL
  サイバー犯罪の検挙状況について(PDF)
  http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf46.pdf
  不正アクセス行為の発生状況(PDF)
  http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf47.pdf


( 三柳英樹 )
2009/02/26 18:29

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