東京大学医学部附属病院(東大病院)で2月27日未明、ウイルス感染によるシステム障害が発生した。障害は27日午後1時ごろには復旧したが、診療の待ち時間が伸びるなど一部業務に支障があった。医療安全上の問題は発生せず、患者の個人情報が外部に流出したことは無かったという。
東大病院によれば、2月27日午前6時ごろにウイルス感染が検知され、院内のLANに接続されている1000台以上の診療業務用のPCと、4台のサーバーにウイルスの感染が確認された。復旧作業などを行ったため、診療業務に支障が出たという。感染したのはワーム型ウイルスの「WORM_DOWNAD.AD」。感染したマシンはインターネットには接続されておらず、原因については現在調査中としている。
「DOWNAD」は、マイクロソフトが2008年10月に修正パッチを緊急リリースした「MS08-067」の脆弱性を悪用するワーム型ウイルスで、国内でも感染被害の報告が増加している。なお、このワームの名称はセキュリティベンダーにより異なっており、トレンドマイクロでは「DOWNAD」、シマンテックでは「Downadup」、マカフィーやマイクロソフトでは「Conficker」とそれぞれ呼称している。
関連情報
■URL
コンピュータウィルスによるシステム障害について
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/news/news.php?newsid=452
東京大学医学部附属病院
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/
関連記事:海の向こうの“セキュリティ” 第27回
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/security/2008/12/02/index.htm
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( 三柳英樹 )
2009/03/03 12:49
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