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BIGLOBE、リモートデスクトップサービス「LogMeIn Pro」国内展開


「LogMeIn Pro」のサービスイメージ
 NECビッグローブ(BIGLOBE)は3日、米LogMeIn, Inc.と提携したと発表した。Webブラウザから利用できるリモートデスクトップサービス「LogMeIn Pro」の共同マーケティングを同日より日本で展開する。

 自宅や職場などのWindows PCに「LogMeIn Pro」の専用ソフトをインストールすることで、遠隔地にある端末からインターネット経由でアクセスし、各種操作が行える。Javaの最新版またはActiveXをサポートしているブラウザがあれば、Windows、Mac OSはじめ、Windows Mobile端末やiPhoneからもアクセスできるのが特徴だという。

 サーバーPCと手元のクライアント端末間でファイルやフォルダなどをドラッグ&ドロップで操作できるほか、同期も行える。また、サーバーPCにあるファイルをクライアント端末で印刷することも可能だ。オンライン会議に同僚などを招待し、自分のサーバーPCの表示権限と操作権限を付与して共同作業などを行える「ミニニーティング」、サーバーPCのメール通知音やボイスメール、音楽、ポッドキャストをクライアント端末側で聴くことができる「リモートサウンド」といった機能も備える。

 サーバーPCとクライアント端末の通信は、256ビットSSLで暗号化。また、プロキシーなどの設定不要、固定IPアドレスでなくても利用でき、NAT越えにも対応する。接続開始時にLogMeInのサーバーで認証した後は端末同士が直接接続されるため、ゲートウェイサーバーへのアクセス集中の影響を受けず、大規模な設備投資も不要だとしている。これには、認証・接続した後のセッション情報を維持し続けるためのLogMeInの独自技術が用いられているという。

 BIGLOBEでは今回、同社サイト内に「LogMeIn Pro」のサービス紹介・申し込みページを開設し、米LogMeIn, Inc.のアカウント申し込みページ(日本語)への誘導を行う。LogMeInのアカウント登録後、「LogMeIn Pro」の全機能を30日間または120分間無料で試用可能。無料期間終了後は、有料サービスに契約することで継続して利用できる。料金は、1ライセンス(1サーバーPC)が月額1700円または年額9400円。なお、有料サービスを契約しない場合は、機能限定の無料版「LogMeIn Free」として継続利用できる。

 BIGLOBEでは、共同マーケティングを3カ月間展開した後、9月までに「LogMeIn Pro」の販売や企業向けソリューションの提供を検討。今後3年間で、「LogMeIn Pro」の利用端末台数5万台、売上3億円を目指す。


リモートアクセスだけでなく、ファイル共有などのアプリも用意

サーバーPCへのログイン後のホーム画面

「リモート制御」画面
 BIGLOBEによると、「LogMeIn Pro」の特徴としてはまず、リモートアクセス機能だけではなく、アプリケーションが最初から用意されていることが挙げられるという。WebブラウザからLogMeInのアカウントでログイン後、さらに自宅や職場のサーバーPCにログインするとホーム画面が表示されるが、ここには「リモート制御」「ファイルマネージャ」「ゲストの招待」「ファイルの共有」というメニューが表示される。

 このうちの「リモート制御」が、いわゆるリモートデスクトップサービスに該当する。これをクリックすることで、ブラウザ上にサーバーPCのデスクトップが表示され、クライアント端末から各種操作を行える。

 「ファイルマネージャ」をクリックすると、サーバーPCとクライアント端末内のフォルダがそれぞれエクスプローラで左右に並んで表示され、ドラッグ&ドロップによるファイルのコピー、移動、同期が行える。

 「ゲストの招待」では、他のユーザーにゲストアカウントを発行し、サーバーPC上の表示権限や操作権限を与えることができる。これにより、サーバーPC上で「ミニミーティング」を開催してファイルの共同編集を行ったり、サーバーPC上のファイルを共有することでストレージとしても使えるとしている。なお、ゲストにはアクセス用のワンタイムURLが発行され、アクセスを許可する期限を区切ることも可能だ。共有を許可するファイルは、サーバーPC上のファイル単位で右クリックメニューから指定できる。

 なお、無料版の「LogMeIn Free」では、このうちの「リモート制御」のみの機能が使える。

 BIGLOBEではまた、「LogMeIn Pro」はさまざまなOS・端末間で接続できる点も特徴だとしている。サーバーPCは、Windows Vista/XP/Me/2000およびWindows Server 2003への対応に限定されるが、クライアント端末は、Internet Explorer 5.5以降、Firefox 1.0.6以降など、Javaの最新版またはActiveXをサポートしているブラウザからであれば、Windows Mobileも含めてさまざまなOSに対応している。

 さらに、ブラウザを使わずにリモートアクセスが行える有料のクライアントソフト「LogMeIn Ignition」も用意しており、これには、iPhone/iPod touchに対応する「LogMeIn Ignition for iPhone」があり、Apple App Storeで販売している。ただし、「リモート制御」機能に限定される。


モバイルWiMAXサービスとのバンドル販売も検討

 BIGLOBEによると、HSDPAなどモバイルアクセス環境が普及する中でリモートアクセスへのニーズは高まっているが、大企業を中心に普及しているVPNではゲートウェイの設置や運用などの負担があるという。導入のハードルが低い端末間のダイレクトリモートアクセスサービスが中小企業やSOHO、個人事業主を中心に普及するとして、「LogMeIn Pro」と提携することにした。

 BIGLOBEではさらに今後、ヘルプデスク用リモートサポートツール「LogMeIn Rescue」、企業のIT部門向けリモートメンテナンスツール「LogMeIn IT Reach」などの企業向けソリューションについても提供を検討する。

 また、外出先から自宅PCでのメール送受信、写真や録画した動画などの表示、音楽再生といった個人におけるリモートアクセスの活用も考えられるという。BIGLOBEの既存ブロードバンドサービスや、新たに提供予定のMVNO方式によるモバイルWiMAXサービスでのバンドル販売も展開したい考えだ。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.biglobe.co.jp/press/2009/0303-1.html
  サービス概要
  http://office.biglobe.ne.jp/lmi/index.html

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( 永沢 茂 )
2009/03/03 15:09

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