欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、2020年の電子政府・公的サービスに関する報告書を発行した。
報告書によれば、2020年における公的サービスは情報通信技術の劇的な進歩により電子化され、まさに電子政府となることが予想されているが、そのために政府・EUが今後行うべき指針が示されている。
電子政府が存在する環境では、政府行政部門が完全に参画しネットワーク化された構造が確立することになる。ユーザーである市民に権限を与えることによって、そのニーズに応えるものになるとし、市民が参画することができる民主的な電子政府構造が必要であり、政府のパフォーマンスを評価し、改善する新たな形態が必要だとしている。
このような進展については、18世紀の自由的価値、19世紀の民主的価値、20世紀の社会的価値に加え、21世紀は権限的価値の時代になると評価。個々の市民が権限を持つ社会になるとし、その仕組み作りのために情報通信技術が非常に重要な役割を果たすという。権限を与えることによって、コスト削減と効率化が可能になるほか、市民の参画意識による自己統治の意識の重要性も指摘している。民主主義が誕生した地だけに、情報通信技術のとらえ方も能動的・積極的であり興味深い。
関連情報
■URL
Value for citizens - A vision of public governance in 2020(英文、PDF)
http://ec.europa.eu/information_society/activities/egovernment/studies/docs/final_report_web.pdf
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( Gana Hiyoshi )
2009/03/23 14:08
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