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Wi2、11nを使った公衆無線LANサービス。東京・丸の内で4月に開始

リムジンバス車内でのネット接続サービスも提供

 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、理論値で最大300Mbpsの通信が可能なIEEE 802.11n対応の公衆無線LANサービス「Wi2 300」を、東京・丸の内エリアで4月に開始する。合わせて、成田・羽田空港路線のリムジンバスで無線LANを利用できる「Wi2 Vehicle」も提供する。


11n公衆無線LAN「Wi2 300」。月額105円から提供

「Wi2 300」サービス概要

丸の内エリアの活性化を目指す
 ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2:ワイツー)は、アッカ・ネットワークスが2007年7月に設立した「株式会社アッカ・ワイヤレス」が前身。その後、2009年1月にアッカ出資企業の1つだったイグナイト・グループ傘下の「株式会社AGSアドバイザリー」に譲渡され、現在の社名へと変更された。

 「Wi2 300」は、IEEE 802.11n ドラフト2.0の無線LAN、IEEE 802.11iによるセキュリティ性が特徴の公衆無線LANサービス。無線LANは2.4GHz帯を使用し、IEEE 802.11b/gとの互換性を持つ。また、無線LANセキュリティはWPAおよびWPA2が利用できる。バックボーンには、光ファイバ回線を利用する。なお、SSIDやパスワードなどの入力を省略できるユーティリティも提供する。

 4月中旬から下旬を予定するサービス開始当初には、三菱地所の協力を得て、丸ビルと新丸ビル、丸の内オアゾのビル構内をエリア化。また、丸の内エリア周辺を巡回する無料バス「丸の内シャトル」の停留所にも無線LANアクセスポイントを設置し、屋外での利用にも対応した。

 今後は首都圏の主要なオフィス、商業エリア、ショッピングセンターにもエリアを拡大させる考え。なお、丸の内エリアのアクセスポイント数は当初100カ所だが、将来的に300カ所前後まで拡大させる。

 利用料金は2段階定額制を採用。基本料金は月額105円、従量課金は1パケット0.0015円だが、上限は基本料込みで月額980円。7月末まではキャンペーンが実施され、期間中に加入したユーザーを対象に、月額基本料金が無料、上限金額490円で利用できる。なお、丸の内エリアに勤務する人向けの割引メニューも用意する。

 丸の内エリアではこのほか、無料の位置情報連動サービスも展開。Wi2が構築したプラットフォーム「Wi2 Engine」を活用し、無線LANの位置情報や利用者の属性、行動履歴に最適化した店舗情報などを、ノートPCやiPhone 3Gなどにプッシュ形式で配信する。対象エリアは丸ビルと新丸ビル、丸の内オアゾで、「丸の内シャトル」のリアルタイム位置検索サービスも無料提供する。


プッシュ型コンテンツも提供する 丸の内シャトルの運航状況も確認可能 iPhone 3Gで確認したところ。Safariベースで動作していた

リムジンバスでネット接続できる「Wi2 Vehicle」

「Wi2 Vehicle」概要
 「Wi2 Vehicle」は、バス車内でIEEE 802.11b/g準拠の無線LANによるインターネット接続を提供するサービス。まず、「リムジンバス」を運行する東京空港交通株式会社と提携し、リムジンバスの成田空港路線と羽田空港路線の全車両に、4月から順次提供を開始していく。

 リムジンバス以外にも、丸の内シャトルや皇居周辺を周回するスカイバスが対応。また、京急バスの空港中距離バス全線でも利用できる予定だ。今後はバス用ポータルサービスも提供する考えで、到着地の案内や広告などの情報を掲載するという。

 利用料金は4月の段階では無料で、6月に有料サービスに移行する予定。具体的な料金体系は未定だが、将来的に「Wi2 300」と合わせた1Dayチケットなどの販売も検討する。回線にはソフトバンクモバイルのHSDPA網を利用し、バス車内にはモバイルルータを設置する。

 このほか法人向けサービスとして、ソフトバンクモバイル網を利用したデータ通信サービス「Wi2 Mobile」と、会議室向けソリューション「Wi2 Biz」を4月に開始する。どちらも2年契約が条件で、初期費用2835円、月額料金5754円。「Wi2 Biz」は加えて、モバイルルータ利用料が必要になる。


リムジンバスの運行地域 法人向けサービスも展開

「首都圏最大の事業者を目指す」。今後は他社ローミングも検討

ワイヤ・アンド・ワイヤレスの日比野社長
 25日に開催した発表会で、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの日比野雅夫代表取締役社長は「無線LANは外国人来訪者のニーズが高く、日本人の利用者を含めて、誰もが簡単に利用できる通信基盤を整えたい」とコメント。その上で、「首都圏で最大級の無線LAN事業者に成長したい」と抱負を述べた。

 サービスエリア拡充に関しては、自社によるアクセスポイント設置が中心。ただし、他の公衆無線LANサービス事業者とのローミングも検討しており、ソフトバンクテレコムやライブドアなどと提携交渉を進めているという。

 屋外での通信サービスは無線LANのほか、HSDPAやモバイルWiMAX、PHSなど他のサービスも存在するが、日比野社長は「競合しないと考えている」と述べた。「Wi2 Vehicle」ではバックボーンにソフトバンクモバイルのHSDPA網を利用している点を挙げ、「競合と言うよりは、サービス提供にあたって協力・補完関係にある」とした。

 バックボーン回線は将来的には、モバイルWiMAXやLTEなども検討する。日比野社長は「バックボーンが変わっても、ユーザーは無線LANでサービスを利用できる」と、同社サービスの特徴を説明した。

 なお、目標会員数や売上げ目標の明言はなかったが、Wi2では事業開始から3年後の黒字化を目指すとした。


ワイヤ・アンド・ワイヤレスのビジネスコンセプト コンテンツプロバイダーと協業したB2Cサービスも視野に入れる

関連情報

URL
  ワイヤ・アンド・ワイヤレス
  http://www.wi2.co.jp/
  「Wi2 300」サービス開始について
  http://www.wi2.co.jp/press/2009/03/post-9.html
  リアルタイム位置情報連動サービスについて
  http://www.wi2.co.jp/press/2009/03/post-7.html
  「Wi2 Vehicle」サービス開始について
  http://www.wi2.co.jp/press/2009/03/post-8.html
  法人向けサービスについて
  http://www.wi2.co.jp/press/2009/03/mvno.html
  関連記事:Wi2、セルリアンタワー東急ホテルで無線LANトライアル[BB Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/24853.html

関連記事
アッカ、アッカ・ワイヤレスの全株式をAGSアドバイザリーに譲渡(2009/01/19)


( 村松健至 )
2009/03/25 20:53

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