警察庁は、「偽ブランド品・海賊版の根絶に向けて!!」という資料をとりまとめ、同庁のWebサイトで26日に公開した。知的財産権侵害品を「買わない」「持たない」「許さない」意識を高めるよう呼び掛けている。また、著作権者に無断で音楽や映画、コンピュータソフトなどをファイル共有ソフトやWebサイトで公開する行為は著作権法違反になるとして注意を呼び掛けている。
同資料によると、2008年の知的財産権侵害事犯の検挙事件数は385件で前年比12.7%減、検挙人員数は710人で同6.1%減。2005年の492件・805人、2006年の493件・783人をピークに減少傾向にあるが、それ以前に比べれば、依然として高水準で推移している。
検挙事件数の内訳は、偽ブランド事犯などの商標法違反が246件、海賊版事犯などの著作権法違反が115件、その他が24件。また、インターネットを利用したものが、385件のうち174件あった(さらに、そのうちの142件がインターネットオークションを利用したもの)。すなわち、知的財産権侵害事犯の45.2%がインターネット利用事犯となる。
資料では10年間の推移も掲載しており、1999年の検挙件数は全体で153件で、このうちインターネット利用事犯は商標法違反が3件、著作権法違反が13件、その他が8件の計24件だった。インターネット利用事犯の比率が15.7%だったのが、10年で3倍近くに拡大したことになる。
同資料では、2008年中の主な検挙事例も掲載している。国内封切り前の映画に字幕を付けてファイル共有ソフトで公開し、著作権法違反で逮捕された「字幕神」から押収したPCやDVDなど約2500点の写真や、携帯サイトで着うたフルを違法配信し、同じく著作権法違反で逮捕された事例などを掲載している。
関連情報
■URL
偽ブランド品・海賊版の根絶に向けて!!(PDF)
http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan4/nise_kaizoku.pdf
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( 永沢 茂 )
2009/03/27 11:12
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