スマートフォンの多機能化が進んでいるとはいえ、その用途は依然として音声通話とテキストメッセージに偏っていることが明らかになった。
フィンランドのHelsinki University of TechnologyのHannu Verkasalo氏が博士論文として発表した。携帯サービスの利用状況を端末で計測することで調査した初の学術論文だとされている。
それによると、スマートフォンに搭載されているアプリケーションのうち、モバイルインターネット、ゲーム、マルチメディア、地図アプリケーションの利用時間は全体の40%にとどまり、残りは音声通話とテキストメッセージに利用されていた。
それでいながら、スマートフォンユーザーの90%は、端末にコンピュータ機能が欲しいと考えているという。したがって、新しいアプリケーションの潜在的利用可能性はまだ高い可能性がある。
例えば、携帯メールを使用したいと考えている人のうち、実際にメールを使用しているのはわずか31%だった。この数字はマルチメディアメッセージング(MMS)では70%に、モバイルインターネットブラウジングでは72%にも上る。つまり、使用したいという願望と、実際の使用には大きなギャップがあることがわかる。
この調査は、複数回のアンケートと端末による計測によって行われたが、計測の結果、携帯サービスの利用分布がかなり偏っていることが判明した。全音声通話の51%は、上位25%のユーザーが行ったものだったほか、インターネットブラウジングでは87%、メールでは100%、カメラでは69%が上位25%のユーザーによるものだった。
また、スマートフォンの新機能を使用する最大の動機は「暇つぶし」であり、実際的な利用動機は少なかった。
スマートフォンに望まれる機能としては、インターネットブラウジング、マルチメディアメッセージ、マルチメディアアプリケーションに対する需要が大きかった。その一方で、携帯ファイル共有アプリケーション、インスタントメッセージ、携帯によるインターネット通話はそれほど魅力的ではないとの回答が得られた。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.tkk.fi/en/current_affairs/news/view/mobiili-internetin-multimediapalveluiden_ja_karttasovellusten_osuus_alypuhelinten_kaytosta_jo_40_prosenttia/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/04/16 15:07
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