米McAfeeは、スパムメール1通あたり0.3グラムの二酸化炭素が発生しているとする調査結果を発表した。
McAfeeでは、気候変動を研究している米ICF Internationalと共同で、世界11カ国でスパムメールに費やされるエネルギーの消費量を調査。全世界で1年間に送信されるスパムメールは62兆件に達し、これらのスパムメールの配信やフィルタリングに使われるエネルギーの総量は年間330億キロワット時になると算出している。これは、240万世帯が使用する電力に相当し、スパムメール1通あたりの平均的な二酸化炭素排出量は0.3グラムになるという。
スパムメールに関連するエネルギー消費のうち、約80%はエンドユーザー側の処理に起因するもので、スパムメールの削除や誤検知された問題のないメールを検索する処理などにエネルギーが消費されているという。また、スパムフィルタリングにも全体の約16%の電力が使用されているが、スパムフィルタリングにより年間1350億キロワット時の電力が節約されており、すべての受信トレイが最新のスパムフィルタで防護されれば、現在のスパム関連のエネルギー使用料を75%(250億キロワット時)削減できるとしている。
一方で、スパムフィルタリングは有効な手段ではあるものの、スパムメールの送信元を排除する方がより効果的だと指摘。2008年後半に、スパムメールの主な発信源だった米McColoがネットワークから切断されたことで、世界中のスパムメールが70%減少。スパムメール業者が送信体制を再構築するまでの間に減少したエネルギー消費量は、1日220万台の車が無くなるのに相当したとしている。
McAfee Avert Labs担当シニアバイスプレジデントのJeff Green氏は、「拡大する気候変動の問題に世界が直面している中、スパムが企業と個人に対して経済的、個別的、そして環境的に多大な影響を及ぼしていることが浮き彫りになった。スパムを元から絶ち、最新のスパムフィルタリングテクノロジーを導入することで、時間とお金を節約すると同時に、二酸化炭素排出量を減らすことで地球環境にも貢献できる」と述べている。
関連情報
■URL
研究レポート「スパムメールと二酸化炭素排出量」
http://www.mcafee.com/japan/security/carbonfootprint.asp
( 三柳英樹 )
2009/04/20 15:36
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