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YouTube日本・アジア太平洋地域担当シニアプロダクトマネージャーの徳生裕人氏
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YouTubeの会津若松市チャンネル
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グーグルは20日、報道関係者向けの定例会見を開催し、動画共有サイト「YouTube」の地方自治体における活用事例を紹介した。
YouTubeの日本・アジア太平洋地域担当シニアプロダクトマネージャーである徳生裕人氏によると、YouTubeにチャンネルを設けている日本の自治体は、グーグルが把握しているだけでも、北海道檜山郡上ノ国町、福島県会津若松市、新潟県長岡市、新潟県三条市、長野県上水内郡信濃町、三重県いなべ市、京都府京都市、大阪府、大阪府大阪市、和歌山県、広島県広島市、福岡県福岡市、宮崎県延岡市がある。
このうち、グーグルが自治体に個別に問い合わせて開始時期を確認したところでは、会津若松市が2007年1月30日、いなべ市が2007年10月1日、上ノ国町が2008年2月3日、福岡市が2008年5月9日、大阪市と和歌山県が2008年8月28日、長岡市が2008年9月1日、三条市が2008年12月5日、大阪府が2009年2月12日だった。グーグルが把握している限りでは、会津若松市のチャンネルが国内自治体初で、2007年6月にYouTubeの日本語版サービスが始まる半年も前に開設していたことになる。
会津若松市のチャンネルは、市役所の総務部情報政策課で運営しているが、Webサイト管理部門および広報部門との協議の末、YouTubeを選んだという。Webサイトにおけるデジタルアーカイブの充実化や、同市が所蔵している16ミリフィルムをいかに多くの人に見てもらうかという観点から、利用者が多く、利便性も高いことを評価した。
海外向けも意識し、世界中で視聴されることも見込んでいたというが、その狙い通りの反応を得られた。会津に伝わる剣術の1つ「溝口派一刀流」の動画を公開したところ、カルトな人気を集め、セルビアの武道場から感動の言葉をもらったという。
一方、いなべ市では、市の祭りやイベント、文化など紹介する動画のほか、市の公式サイト側にも「映像館」というコーナーを用意し、決算などの行政情報も動画で埋め込んでいるのが特徴だ。
このほか大阪府では、自主広報のテレビ・ラジオを2008年7月に廃止したのにともない、インターネットによる動画配信を検討。市の職員が撮影・編集した「大阪府ムービーニュース」の配信を始めた。メールマガジンとの連動により、橋下徹府知事への突撃インタビューも毎週実施している。
福岡市では、YouTubeの動画と連携した観光サイト「よかなび」を開設したが、YouTubeを活用したことでページビューが22倍に急増したとしている。
徳生氏は、実際にYouTubeを活用している自治体の声として、動画配信サーバーの負荷軽減効果や、アーカイブに何を残すべきか悩まずに動画を追加できる点が大きいと説明する。また、会津の「溝口派一刀流」のように、ユニークな動画であれば海外からも参照される点も強調した。例えば、自治体の公式サイトに掲載するだけであれば、その自治体に関心のある人から視聴されるにとどまるが、YouTubeであれば、関連動画を通じて、そのテーマに関心がある人から発見されることもあるとした。
さらに情報を発信する自治体側も、街にあるものすべてがコンテンツになりえるという認識を持つようになったことや、会津若松市やいなべ市など、YouTubeを活用している事例として他のメディアで紹介され、自治体の認知度アップにもつながっていることも指摘した。
関連情報
■URL
YouTube
http://www.youtube.com/
■関連記事
・ 大阪府、YouTubeを利用して府政情報の動画ニュース(2009/02/13)
・ 福岡市、ぐるなびと提携して観光案内サイト「よかなび」(2008/05/09)
( 永沢 茂 )
2009/04/20 15:58
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