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オークションの知財侵害対策で報告書「出品者との根競べに勝利」


 インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)は27日、2008年度の取り組みをまとめた報告書を内閣官房の知的財産戦略推進事務局に提出した。インターネットオークションでは、知的財産権を侵害する出品行為自体に顕著な減少傾向が見られたとしている。

 報告書によれば、インターネットオークション事業者が2008年度に自主的に削除した出品は57万7603件で、2007年度の93万6325件と比べると35万件以上減少した。自主削除した出品の内訳としては、商標権侵害が52万4802件(2007年度は74万8416件)、著作権侵害が5万2801件(同18万7909件)だった。

 一方、2008年度に権利者からの要請で削除した出品は4万7041件で、2007年度の3万1274件から1万件以上増加した。内訳は、商標権侵害が4万6746件(2007年度は3万907件)、著作権侵害が294件(同365件)。CIPPでは、2007年12月より大手携帯オークション「ガールズオークション」への削除要請数を含めたことから商標権侵害による削除件数が増えたが、全体的には状況が悪化しているわけではないとしている。

 また、2008年度におけるインターネットオークションでの知的財産権侵害品の割合は、全体の出品の1.23%。2007年度の1.06%からわずかに増加したが、CIPPでは「権利者側の体感としては増加しているとは感じられず、少なくとも抑止体制の維持は十二分に行われている」と説明。また、ネットオークションの総出品数が伸びていることを勘案すれば、侵害品の出品行為自体を減らすことができたとして評価している。

 「これまでも様々な施策により、出品はされても落札前に削除することにより、取引・流通を止めてきたが、これら施策によって侵害品出品者との根競べに勝ち、出品行為そのものを減少させた意義は大きい。」(CIPP)

 CIPPは、インターネットオークションにおける知的財産権侵害品の流通防止を目的として、権利者団体とオークション事業者によって2005年12月に設立された。2008年度の幹事社はヤフーおよびコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)。


関連情報

URL
  インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会報告書(PDF)
  http://www.cipp.jp/pdf/090427.pdf

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ネットオークションの著作権侵害出品率は0.5%、商標権は1.2%(2008/04/01)


( 増田 覚 )
2009/04/28 19:51

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