情報通信研究機構(NICT)は7日、周波数共用型のコグニティブ無線通信システムの試作機を開発したと発表した。空き周波数帯などを無線機が認識し、それらを使って必要な帯域を確保するという。
コグニティブ無線とは、無線機が周囲の電波環境を認識し、状況に応じて周波数帯域やタイムスロットなどの無線リソースを適宜利用することで、周波数の有効利用を図りながら必要な通信品質を確保する技術。無線機が認識した既存の無線システムの中から適したシステムを用いて帯域を確保する「ヘテロジニアス型」と、既存の無線システムが使用していない空き周波数帯・時間帯を使う「周波数共用型」に分類される。
NICTではこれら2つの技術を研究・開発してきたが、今回、特に先進的だという「周波数共用型」の基礎試作を行った。他の無線システムが使用していない周波数を基地局が自律的に選択して運用。一方、端末はシステムから通知を受け、その周波数帯でネットワークを再構築する仕組みとなっている。
NICTでは今後、同システムの実用化に向けて小型化や機能追加を進めるとしている。なお、パシフィコ横浜で5月12日から13日まで開催されるイベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009」で試作システムを展示する。
|
コグニティブ無線ネットワークの仕組み
|
|
|
試作システムの概要
|
コグニティブ無線基地局の試作機
|
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h21/090507/090507.html
( 永沢 茂 )
2009/05/08 20:20
- ページの先頭へ-
|