住宅都市工学研究所としあわせデザイン研究所は12日、施主が家づくりの過程などを記したブログ(施主ブログ)の傾向や影響力について調査した結果を公表した。建築家・工務店・ハウスメーカーに依頼して家を建てたブロガー(施主ブロガー)101人を対象に、2008年8月から9月までアンケートを実施した。
調査対象の施主ブロガーの年代は30~34歳が最も多く、35%だったという。建築依頼先はハウスメーカーが47%、工務店が43%、建築家が10%の順で、建築依頼先の社名を公開しているのは64%と過半数を超えていた。
施主ブログを始めたきっかけについては、94%が「自分の家づくりの記録を残すため」と回答。さらに、半数を超える53%が「他の施主の参考になるように」、28%が「他の家づくりブログに触発されて」と答えた。
他の施主ブロガーから受けた影響としては、6割が「建築専門知識の理解」と「家づくりにおけるモチベーションの維持や心の支え」を挙げ、2~3割が「プランの決定」や「事業者とのコミュニケーションの円滑化」「建築依頼先の選定」と回答した。
施主ブログの効果については、8割以上が「他の施主との交流」を挙げたほか、71%が「自分の家づくりの知識強化」と回答。「建築依頼先への牽制機能」や「建築依頼先とのコミュニケーション強化」と答えた施主ブロガーも2~3割に上った。
また、相互リンク数は平均12サイトで、この数字は建築事業者関係と比べると7倍以上だったとしている。「施主ブロガー同士で積極的にコミュニケーションを取ろうとしていると推測できる」。
施主ブロガーが家づくりの参考にしたサイトとしては、SNSや掲示板など双方向で他の施主と交流できるサイトが活用された。また、「住まいの水先案内人」や「All About」などプロから専門的な知識を得られるサイトも使われていたとしている。
今回の調査結果について住宅都市工学研究所としあわせデザイン研究所は、「家づくりは完成品に対する評価と合わせて、そのプロセスへの注目が集まる。その点でネットにおける口コミは、施主ブログの存在が大きい」と分析する。
施主ブログの影響力をとりまとめた調査は日本では初めてとしている。
関連情報
■URL
調査結果の概要(PDF)
http://sdijp.com/img/result.pdf
( 増田 覚 )
2009/05/12 19:17
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