情報処理推進機構(IPA)は8日、Webサイト構築事業者を対象とした脆弱性対応ガイドを含む報告書をとりまとめ、IPAのサイトで公開した。報告書は、IPAの「情報システム等の脆弱性情報の取扱いに関する研究会」で2008年10月から行われた検討の結果をまとめたもの。
IPAでは、情報サービス事業者やセキュリティベンダー、セキュリティに関する有識者など約20組織に対してヒアリングを実施し、Webサイトの脆弱性対策を促進する上での課題を抽出。その結果、Webサイトを公開している企業の中には、システム導入・運営上の意思決定を担う層の脆弱性に関する知識が乏しく、運用・保守の予算が十分に確保されていないケースが少なくないことが判明したとしている。
また、IPAの「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」への届出の半数を占めるクロスサイトスクリプティングやSQLインジェクション脆弱性については、Webサイト構築時の原因も多く、Webサイト構築者が脆弱性対策への意識を高める必要があるといった課題があるという。
研究会ではこうした問題に対応するため、Webサイトの責任者向けに、脆弱性対策の重要性を簡潔に記したパンフレット「情報システムを安全にお使いいただくために」を作成。また、情報サービス企業の技術者やWebデザイナー、企業内でWebサイトの構築・運用を担当する技術者向けに、システムの納入前や購入後に考慮すべきことをまとめた「ウェブサイト構築事業者のための脆弱性対応ガイド」を作成し、IPAのサイトで公開した。
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■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/fy20/reports/vuln_handling/index.html
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・ IPA、Webサイト運営者に向けた脆弱性対応ガイドを公開(2008/02/28)
( 三柳英樹 )
2009/06/08 17:03
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