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「クラウドでハイテクの世界を民主化」と米Google副社長


米Google製品開発管理担当副社長のブラッドリー・ホロウィッツ氏
 グーグルは8日、定例記者説明会にて、米Googleのブラッドリー・ホロウィッツ氏(製品開発管理担当副社長)を迎え、「Googleが考えるクラウドコンピューティングの世界」について紹介した。

 ホロウィッツ氏は、GmailやGoogleカレンダー、Googleドキュメント、Blogger、Picasaなど、Webアプリケーション製品の管理を統括している。Google入社前は米Yahoo!にて、Yahoo! Pipesの開発をはじめ、FlickerやMyBlogLogなどの買収を進めた。

 ホロウィッツ氏は、「クラウドは今後来るものではなく、今すでに存在している。Webメールや写真共有サイトなどを使っている人はクラウドのユーザーである」と話す。また、「インターネットの進化と同時に、クライアントPCもクラウド側にシフトしている。ネットブックの広まりがそれを象徴している」とした。

 しかし、Web上でデータを管理する環境においての問題として、「サービスごとにデータが独立しており、簡単にリンクすることができていない」と説明。「Googleでは、異なるサービスのデータをWeb上で自由に移動できる仕組み作りに挑戦している」とし、その一例として、Gmailを挙げた。「Gmailではメールとチャットという非同期と同期のコミュニケーションを可能にし、さらに、音声・動画チャットも1つのサービス内で実現した」。

 ホロウィッツ氏は、開発者向けのカンファレンス「Google I/O」で5月28日に発表した「Google Wave」についても言及した。「Google Waveは、データタイプの違いを超えて、メールやインスタントメッセージなどのサービスを融合していくための仕組み」という。詳細については語らなかったが、「開発者にはサービスのAPIやソースコードを公開して、我々の施策を世界のクリエイターと共有し、一緒に作っていきたい」とコメントした。


Gmailの動画チャット機能 Google Waveの画面 検索でも多様なデータタイプに対応

 クラウドの問題点としては、「言語の壁」も挙げる。それに対してGoogleでは、「所有する多数のWebのドキュメントから得た統計情報なども分析することで、機械翻訳の分野でも活躍していきたい」と述べた。

 また、PCや携帯電話など、さまざまなデバイスに合ったかたちで情報を提供することが重要だと説明。「ユーザーがクラウドから情報を取得する際に、使用するデバイスに最も合ったかたちになるようサポートしていく」と話した。

 クラウドを成功させるための条件としては、「個人情報など重要なデータを扱う上でのセキュリティ」をはじめ、「安定したシステム」「データの引き出しやすさ」「業界スタンダードを意識したクラウドへの移行」を挙げた。

 ホロウィッツ氏は最後に、「クラウドに積極的に取り組むことで、ハイテクの世界を本当の意味で民主化できると考えている。クラウドを有効利用することで、これまで解決されなかった多くの問題を解決できるだろう」と語った。


関連情報

URL
  Google Wave(英文)
  http://wave.google.com/

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( 野津 誠 )
2009/06/08 18:43

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