趣味のインターネット地図ウォッチ
北海道と東京近郊に対応した統計データ可視化ツール「Seseki」
2016年9月8日 06:00
地域が抱えるさまざまな課題を考える上で統計データの分析は有効な手段であるが、このような統計データを地図上で簡単に可視化できるツールが、今回紹介する「Seseki(セセキ)」だ。地域課題解決を目的としたオープンデータやツール、アイデアなどの創出を目指すプロジェクト「アーバンデータチャレンジ2015(UDC2015)」のアプリケーション部門で金賞を獲得した作品で、エンジニアの三好邦彦氏が開発した。UDC2015の賞を受けた当時は北海道に限定したツールだったが、6月からは東京近郊版もGithub上でリリースしている。
Sesekiは、市町村単位で集計されたデータをウェブ上で簡単に閲覧するためのアプリで、自治体などが公開した統計データをExcelなどの表計算ソフトで加工し、読み込ませることで地図上にヒートマップ表示することができる。また、ランキングやデータのリストなども表示させることが可能だ。
北海道版の場合は、トップページ下部の「CSVビューア」をクリックすると統計データ閲覧ツールが開く。このビューアでCSVファイルを読み込むことにより、地図上にデータが色分けして表示される。CSVファイルは、1行1列目にデータの題名(例:住民基本台帳人口・世帯数及び人口動態)を格納し、1列名に市町村名を列挙、1行目には系列名(例:「人口」「人口密度」「男性人口」「増減比率」など)を列挙した上で、1行につき1市町村でデータを列挙する。このとき、CSVファイルの文字コードはUTF-8にする。
CSVファイルを読み込むだけでなく、クリップボード経由でデータを貼り付けることも可能だ。右上の「スプレッドシート編集する」をクリックすると下部にスプレッドシートが表示されるので、ここにExcelなどからデータをコピー&ペーストして、「ヒートマップを更新する」をクリックするとデータが更新される。
Sesekiにはサンプルファイルも豊富に用意されており、上部メニューから「サンプルファイルで試す」を選ぶことで、「住民基本台帳人口・世帯数及び人口動態」「市区町村別飼養頭数・飼養施設数」「市町村別耕地面積」「市町村別の財政状況」などさまざまなデータをヒートマップ表示できる。
東京近郊版についても操作の仕方やCSVファイルの形式は北海道版と同じで、こちらはサンプルファイルとして「住民基本台帳人口・世帯数」を用意している。市区町村別の人口や転入者数・転出者数、増減率などさまざまなデータを調べられる。誰もが簡単に統計データを地図上で可視化できるツールとして、ほかの地域についても対応が期待されるツールだ。