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第139回:昭文社「マップル」特集〜スマホナビアプリ、PC用地図ソフト ほか


 道路地図「スーパーマップル」シリーズや登山地図「山と高原地図」などでおなじみの株式会社昭文社およびそのグループ会社が、このところ新たなアプリやサービスを相次いでリリースしている。今回はこれらをまとめて紹介しよう。

スーパーマップル・デジタル13

マップルナビS 海外版マップルリンク

iPhone向けカーナビアプリ「マップルナビS」

 昭文社のグループ会社であるキャンバスマップル株式会社が6月26日、iPhone向けカーナビゲーションアプリ「マップルナビS」をリリースした。以前、同じく昭文社のグループ会社である株式会社マップル・オンがiPhoneアプリ「マップルガイドナビ」を2011年5月にリリースしたが、こちらはガイドブック「まっぷるマガジン」のスポット情報などを収録して、年額2900円という価格で提供している。

 一方、今回リリースしたマップルナビSは年額課金ではなく1400円の買い切りとなっており、料金体系が全く違う。ただし、マップルナビSにはマップルガイドナビに収録されていたガイドブックの詳細スポット情報などは収録されていない。ガイドブックとの連携機能も搭載されてはいるのだが、利用にあたっては別アプリでコンテンツをアドオン購入する必要がある(後述)。

 なお、従来のマップルガイドナビについてはサービス終了が4月に告知され、利用期間は2013年6月30日までとなっており、この日以前に利用期間が1年を過ぎても追加課金なしでサービス終了日まで利用を継続できることになった。実質的には、昭文社グループのカーナビゲーションアプリはこのマップルナビSに継承された形だ。

 マップルナビSはマップルガイドナビと同じように、地図データをiPhoneのローカルストレージに格納するスタンドアローンタイプの地図アプリで、3G通信やWi-Fiが通じない場所でも快適に地図を見られる。また、ルート検索データもローカルに保存されるので、検索速度が速く通信状況にも左右されない。その分、インストールデータは1.76GBと大きく、インストール時には約4GBの容量が必要となるので注意しよう。

 地図データの更新は2014年春までで、年間2回のデータ更新を予定しているとのこと。ちなみにマップルナビSは201年7月13日までの期間限定で半額の700円で提供されているので、購入する人はこの機会を利用するのがおすすめだ。

「マップルナビS」の起動画面 「マップルナビS」の地図画面 「マップルガイドナビ」の地図画面

 マップルナビSはリアルタイムの渋滞情報には対応していないが、代わりに全国47都道府県主要部の抜け道データを収録しており、道路を走っているときに渋滞に遭遇した場合でも抜け道を探せる。

抜け道を水色の線で表示

 また、地図上の文字の大きさを「普通」「でっか字」「もっとでっか字」の3種類から選べる機能も搭載する。「もっとでっか字」にするとかなり見やすく、信号待ちの時などにサッと地図を確認したい時などは便利だろう。なお、地図の色は昼・夜・外の3種類を用意している。

字の大きさを「普通」に設定 字の大きさを「でっか字」に設定 字の大きさを「もっとでっか字」に設定

地図の色を「昼」に設定 地図の色を「夜」に設定 地図の色を「外」に設定

 ルート検索はフリーワード検索、住所検索、周辺検索、電話番号検索、ジャンル検索が用意されているほか、まっぷるマガジンなど昭文社のガイドブックに掲載されている位置情報コード「まっぷるコード」にも対応している。メニューを呼び出して検索方法を選択できるほか、地図上をタップして目的地を直接指定することも可能だ。

メインメニュー 検索メニュー

 さらに昭文社の電子書籍アプリ「まっぷるマガジン」および「ことりっぷ」との連携機能も搭載している。まっぷるマガジンやことりっぷのページ内に掲載されているスポットをタップするとメニューが表示され、そこから「転送」を選ぶとマップルナビSの地図上にスポットの位置が表示されてルート検索を行える。

 反対に、マップルナビSの地図上で気になる施設を見つけた場合に、右下の「ガイドブック」アイコンをタップすることで該当エリアのガイドブックの情報を呼び出すことも可能だ。ただし、ガイドブックのコンテンツは有料となり、事前にアプリをインストールした上で、該当エリアのガイドブックをアドオン購入しておく必要がある。

「まっぷるマガジン」の記事からメニューを呼び出して「転送」をタップ 「マップルナビS」が立ち上がってスポットの位置が表示される 「マップルナビS」の地図画面の右下にある「ガイドブック」をタップするとガイドブック連携画面が表示

 地図データは従来のマップルガイドナビと大きな違いはなく、地図上に有名施設の3Dランドマークが表示されるのも同じ。ただし、地図データは2012年春の最新版を収録しており、東京スカイツリーの3Dランドマークなどが掲載されているほか、新東名高速道路のルート音声案内にも対応(料金データは未対応)している。また、都市高速入口などのイラストも表示される。

ルート検索結果 ナビゲーション画面 都市高速入口のイラスト

横画面

 「Google マップ」および「MapFan for iPhone」と比較すると、カーナビ用ということで詳細地図で地下鉄の出入口が省略されているほか、建物の形状も主要なもの以外は省略されている。一方、交差点には信号機を示すアイコンが細かく記載されており、信号機の有無がわかるようになっている。一方通行表示の矢印も見やすい。また、コンビニなどのアイコンが充実しており、小縮尺図でもコンビニのチェーン名がわかるのは便利だ。

銀座四丁目交差点(マップルナビS) 銀座四丁目交差点(Google マップ) 銀座四丁目交差点(MapFan for iPhone)

六本木周辺(マップルナビS) 六本木周辺(Google マップ) 六本木周辺(MapFan for iPhone)

都内(マップルナビS) 都内(Google マップ) 都内(MapFan for iPhone)

 マップルナビSは地図は2D表示だけで機能的にもシンプルだし、渋滞情報にも非対応だが、その分だけ価格も安くお買い得感はある。まっぷるマガジンやことりっぷとの連携機能もなかなか便利なので、これらの電子書籍アプリを購入した人は要チェックだ。

URL
 マップルナビS
 http://www.canvasmapple.jp/mapplenavi_s/
 マップルナビS(App Store)
 http://itunes.apple.com/jp/app/mappurunabi-s/id532498301?mt=8

関連記事
 ・第110回:観光情報が充実のナビアプリ「MAPPLEガイドナビ」使用レポート ほか
  http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/20110512_444795.html

PC用地図ソフト「スーパーマップル・デジタル13」、Androidで持ち出し可能

 昭文社のインストール型のPC用電子地図ソフトの最新版となる「スーパーマップル・デジタル13」が6月8日に発売された。対応OSはWindows 7/Vista(SP2以上)/XP(SP3以上)。価格は「全国版」1万5330円、「関東甲信越版」5880円など。

スーパーマップル・デジタル13

 本バージョンの最大の目玉は、Androidに対応した付属アプリ「Super Mapple Digital for Android(SMDA)」が用意されたこと。SMDAの本体はGoogle Playからダウンロード可能で、PCソフト側で地図データやカスタムデータを出力し、SDカードにコピーした上でスマートフォンで読み込ませるとデータが閲覧可能になる。SDカードに保存した地図データを利用するので通信環境に左右されず、通信による電力消費も抑えられる。対応OSはAndroid 2.1〜4.0でマルチタップに対応した機種。

地図データの出力画面

 あらかじめPC上で入力したポイント情報にURLを登録することが可能で、登録情報をスマートフォンでも持ち歩けるため、外出先でも目的地の情報を確認できる。端末のGPS機能を利用して現在地を確認することも可能だ。また、Android用のGPSロガーアプリ「トコログ」との連携機能も搭載されている。トコログはGoogle Playからダウンロード可能で、価格は300円。トコログで記録したGPSログを取得して、SMDA上に軌跡を表示させることが可能だ。

起動すると都道府県の選択画面が表示 SMDAの地図画面 GPSログの表示

 Androidスマートフォンのローカルストレージに格納される地図データは、スーパーマップル・デジタル13の標準の地図表示に準じており、詳細地図も収録できる。ただし、道路や鉄道の計画線・計画情報や、アーケード、パーキングメーターなどの情報を省略しているほか、描画を簡略化するために線や文字の情報量を減らしているとのこと。

東京駅周辺

 施設情報やルート検索情報などのカスタム情報を転送するには、スーパーマップル・デジタル13からメール送信などで出力した「rcm」ファイルをスマートフォンのSDカードにコピーした上で、端末のメニューボタンを押して「カスタム情報」を選択して読み込む。取り込んだ情報のリストが表示されるので、位置を確認したい情報をタップすると地図上に施設のアイコンやルート検索結果が表示される。

施設アイコン ルート検索結果

 カスタム情報の施設アイコンなどを長押しすると詳細情報が表示されて、その施設を目的地として設定することも可能だ。目的地として設定すると、現在地から矢印で常に方向が表示される。また、スーパーマップル・デジタル13でルート検索すると、ルート上にある高速道路のSAやPAの場内地図がアイコンとして自動的に登録されるのだが、この情報もカスタム情報の中に含まれており、Android上に転送される。この場内地図にはトイレの位置やガソリンスタンドのブランド名などが記載されている。

目的地の方向を示す矢印が表示 SAの場内地図

 カスタム情報の取り込みについては制限があり、取り込める容量は1件あたり5MBまでで、件数は最大1000件までとなっている。さらに、旧バージョン形式のカスタム情報ファイルも利用できないが、いったんスーパーマップル・デジタル13に取り込んで「カスタム情報ファイル」として保存すれば利用可能だ。

 なお、カスタム情報はAndroid端末上で編集することはできず、PCソフト上で作成したファイルを見ることしかできない。

 このように、SMDAはカーナビ機能などは搭載されておらず、あくまでも地図データおよびスポット情報を持ち運ぶことに特化したアプリだ。家ではPCを使って街歩きのプランを練り、外出時はスマートフォンを持って散策するといった使い方には便利だが、カスタム情報の編集機能やロガー機能なども盛り込んで、もう少しアプリ単体での自由度も高くしてほしかったと思う。この点は今後のアップデートに期待したい。

 ちなみにGoogle Playでは「SuperMapple専用 お試しデータインストーラー」というアプリも無料でリリースされており、これをインストールするとSMDA用サンプル地図データとサンプル情報がインストールされる。使い勝手を体験してみたい人は、まずこちらを試してみてはいかがだろうか。

 このほか、PCソフトの強化点としては、住所データのインポート可能な件数が大幅に増えて、1万件以上の一括インポートが可能になった。施設や顧客情報などの住所情報をもとに地図上に情報を取り込むことが可能で、顧客管理ツールとして使っているビジネスユーザーには便利だろう。

 PCソフトについてはこのほかには特に機能強化が見られないが、地図データは最新版が収録されており、4月に開通した新東名高速道路にも対応している。SMDAに魅力を感じる人にはおすすめだ。

【お詫びと訂正 2012/7/20 20:10】
 記事初出時、Super Mapple Digital for Android(SMDA)上での目的地設定の可否について、「例えばAndroid上で地図を見ていて目的地として設定しようと思っても、あらかじめそこのスポットがカスタムファイルとして登録されていないと目的地として設定できない仕様になっている」と記載しておりましたが、これは誤りでした。Android上の地図から目的地として設定したい場合、「メニュー」キーから「目的地設定/解除」ボタンをタップすることで、目的地設定できるようになっています。お詫びして訂正いたします。

新東名にも対応

URL
 スーパーマップル・デジタル13
 http://www.mapple.net/smd/
 Super Mapple Digital for Android(Google Play)
 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.mapple.supermapple
 SuperMapple専用 お試しデータインストーラー(Google Play)
 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.mapple.smdasampledata

関連記事
 ・第115回:あの「震災時帰宅支援マップ」の情報を表示可能なPC用地図ソフト
  http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/20110721_461912.html

旅行ガイドブックとスマホを連携可能な「マップルリンク」の海外版

 昭文社は、旅行ガイドブックとiPhone/Androidアプリを連携させたサービス「海外版マップルリンク」を7月2日に提供開始した。マップルリンクとは、昭文社の旅行ガイドブックの購入者がガイドブックに掲載されているスポット情報や付録地図をiPhone/Androidスマートフォンで持ち歩けるサービスで、地図上で現在地や目的地の方向も確認できる。

 今年2月に国内旅行ガイドブック「ことりっぷ」や「まっぷるマガジン」に付属するサービスとして提供開始したが、今回、海外旅行ガイドブックとの連携も開始した。このサービスを利用できるのは7月2日に創刊の海外旅行ガイドブックシリーズ「TRAVEL DAYS(トラベルデイズ)」で、「ホノルル」「ソウル 釜山」「台湾」「香港 マカオ」「ベトナム アンコール・ワット」「バリ島」「グアム」「イタリア」「パリ」「シンガポール」の10冊が発売。

 アプリも「海外版マップルリンク」として国内版とは別にリリースされた。App StoreまたはGoogle Playからダウンロード可能だ。アプリを起動したら「QRコード読み取り」をタップして、TRAVEL DAYSに掲載されているQRコードを読み込むと、地図や検索データがインストールされる。ダウンロードは容量の多い「フル版」と、施設の写真などが省略されている「ライト版」が用意されている。

海外版マップルリンクの起動画面 フル版とライト版から選べる

 表示される地図はTRAVEL DAYSの本誌に掲載されているものと同じ観光地図で、名所や見どころがわかりやすく表示されている。端末のGPS機能を利用して現在地を確認することも可能で、目的地を指定して直線を引く機能も搭載する。さらに、端末のコンパス機能を使って、地図上の矢印で目的地までの方向を示す「ウインカー機能(方向誘導機能)」も搭載している。

ホノルルの地図 ワイキキ中心部の地図 ウインカー機能

 スポット検索は「掲載ページで探す」「名称で探す」「ジャンルで探す」の3種類から選択可能。さらに地図上では「周辺検索」機能も利用可能で、「見る・遊ぶ」「食べる」「ショッピング」「泊まる」「全ジャンル」の5種類から選択できる。

 周辺検索では現在地から近い順にガイドブック掲載のスポットの写真が地図画面の下に並んで表示される。同時に、周辺スポットの位置が地図上にピンで表示されて、ピンをタップして「ここに行く」を選ぶと目的地として設定できる。また、「詳細」を選ぶとガイドブックの掲載ページなども調べられる。

メニュー画面 スポット検索 ジャンル別で検索
スポット詳細 スポットの位置を表示

 このほか、地下鉄の乗り方やATMの使い方、電話のかけ方、緊急時の病院、領事館などの連絡先などの基本情報も掲載されており、いざというときも安心だ。

旅の基本情報

 これらの地図やデータは端末のローカルストレージに保存されるため、旅行前にダウンロードしておけば海外での通信料もかからない。事前の旅行プランはガイドブックを読んで検討し、外出時はスマートフォンを使えば荷物も減らせる。今年の夏、海外旅行の予定がある人はこのサービスを試してみてはいかがだろうか?

URL
 TRAVEL DAYS
 http://www.mapple.co.jp/mapple/product/guide/world/traveldays.html
 海外版マップルリンク
 http://mapple-on.jp/products/ml-kaigai/
 海外版マップルリンク(App Store)
 http://itunes.apple.com/jp/app/hai-wai-banmappururinku/id536455644?mt=8
 海外版マップルリンク(Google Play)
 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.mappleon.android.mapplelinkglobal

関連記事
 ・昭文社、旅行ガイドの情報をスマホで持ち歩けるアプリ「マップルリンク」
  http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120217_512897.html


2012/7/12 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。