趣味のインターネット地図ウォッチ
第135回:昭文社「山と高原地図」がiPhoneアプリに ほか
●昭文社「山と高原地図」がiPhoneアプリに/東京スカイツリーの撮影スポットガイド
昭文社の子会社である株式会社マップル・オンがiPhone向けの地図アプリを2タイトル公開した。「東京スカイツリータウン&下町散歩 まっぷる」と「山と高原地図」で、いずれもApp Storeからダウンロードできる。価格は「東京スカイツリータウン&下町散歩 まっぷる」が350円。「山と高原地図」はアプリ本体が無料で、地図が1エリアにつき450円。
「東京スカイツリータウン&下町散歩 まっぷる」は、5月22日に開業する東京スカイツリーの記念撮影スポット一覧と、周辺の観光情報を収録したアプリだ。モデルプランは「7大撮影スポットで記念写真を撮ろう」「スカイツリーと浅草パワースポット巡り」「船の上からスカイツリーを眺めて両国で歴史さんぽ」「向島・京島で下町レトロさんぽ」「亀戸から錦糸町の絶景スポットへ」の5つを収録。プランごとにスタートからゴールまでの見どころを確認可能で、各スポットの移動距離もわかる。
「東京スカイツリータウン&下町散歩 まっぷる」メニュー画面 | 地図画面 |
5つのモデルプランを用意 | 地図の下にプランのスポットが並ぶ |
おすすめスポットの写真一覧も用意しており、プランごとにまとめて見られるほか、「上野」「浅草」「蔵前・馬喰町」「両国」「押上」「向島」「京島」「錦糸町・亀戸」と8エリアに分けて、エリアごとのレストランやカフェ、飲み屋、神社などの写真を一覧表示できる。
地図上では現在地や各スポットの位置を表示するだけでなく、行きたいスポットまでの方向を直線で結んで常に示す機能も搭載しており、道に迷わないよう配慮されている。また、歩行軌跡を表示させることも可能だ。このほか、東京スカイツリー関連の知識を学べる「豆知識」のコーナーも用意されている。東京スカイツリーの観光に訪れようと思っている人にはぜひおすすめだ。
エリアを8つに分けて紹介 | スポットの詳細情報 |
行きたいスポットまでの方向を直線で表示 | おすすめスポットの写真一覧 |
「山と高原地図」は、昭文社が発行する「山と高原地図」シリーズのiPhoneアプリ版。「山と高原地図」は1960年から毎年発行されている定番の登山地図で、登山者の間では昔の「エアリア(マップ)」という名称で親しまれている。山小屋や水場など登山に役立つスポットが記載されているほか、参考コースタイムや危険個所の注意書き、景観解説なども記載されており、アプリ版でもこれらの情報を収録している。
無料サンプルの高尾山の地図 | 拡大画面 |
「金峰山・甲武信」の地図 | 「金峰山・甲武信」の拡大画面 |
また、自分が登ったルートを地図上に表示し、記録したルート(ログ)を保存する機能も搭載。記録したルートはメールで送信できる。ルート記録の間隔は、10秒・30秒・1分・2分・3分・5分・10分から選択可能。地図中に緯度・経度や高度を表示させることも可能で、軌跡の太さや色も設定できる。
下部メニューの「ルート記録開始」をタップするとログの保存を開始 | 設定画面 |
記録中のルートの表示方法も選択可能 |
発売されている地図は、第1弾が「奥武蔵・秩父」「奥多摩」「大菩薩嶺」「雲取山・両神山」「高尾・陣馬」など11点。さらに4月25日には第2回リリースとして「谷川岳 苗場山・武尊山」「赤城・皇海・筑波」「西上州 妙義山・荒船山」など18点が配信されて、現在は29エリアとなっている。
5月以降も順次リリースが予定されており、最終的には「日本アルプス総図」を除く全58点が発売される予定だ。サンプルとして高尾山の地図を無料でダウンロードできるので、どんな地図か見てみたい人は試しにダウンロードしてみるといいだろう。登山が好きな人には要注目のアプリである。
地図の購入画面 | 地図の詳細画面 |
どこのエリアなのかをわかりやすく表示 |
このほか、昭文社が運営する観光情報・地図サイト「MAPPLE観光ガイド」では、付帯サイトの「おでかけ地図」をリニューアルして、地図検索機能の強化を中心としてリニューアルを行い、「MAPPLE観光地図」として提供開始した。
「MAPPLE観光地図」トップページ |
新しくなった「MAPPLE観光地図」では、人気の高いスポットについては写真が地図上に表示されるようになり、おすすめスポットがわかるほか、気になるスポットを自分だけのガイドブックのように保存したり、選んだスポットの2点間の距離やルート・移動時間を表示したりできるようになった。
地図上に表示する情報は、「絞り込みタブ」でテーマごとに絞り込んで閲覧可能だ。テーマを単体で検索できるほか、複数テーマで絞り込むこともできる。例えば「寺めぐりをして、帰りにその地域の名物を買いたい」という場合に「神社・寺・歴史的建造物」と「お土産・休憩」をクリックすれば知りたい情報を得られる。より使いやすくなったこのサイト、観光プランを練る時などにぜひ活用していただきたい。
スポットを地図上に表示 | ジャンルの絞り込みが可能 |
スポット詳細情報 | スポットをキープして保存できる |
スポット間の距離計測も可能 |
◆東京スカイツリータウン&下町散歩 まっぷる(App Store)
http://itunes.apple.com/tw/app/dong-jingsukaitsuritaun-r/id510420230?mt=8
◆山と高原地図(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/shanto-gao-yuan-de-tu/id504487370?mt=8
◆MAPPLE観光地図
http://map.mapple.net/
●地図上の道を指でなぞると飲食店を検索可能、iPhoneアプリ「なぞぽよ」
大日本印刷株式会社(DNP)は、iPhoneの地図画面を指でなぞると、その軌跡の周辺にある飲食店を検索できるアプリ「なぞぽよ」を開発し、グループ会社の株式会社DNPソーシャルリンクが提供開始した。App Storeから無料でダウンロードできる。
「なぞぽよ」はGoogle マップを使ったアプリで、起動すると地図の上に「ちず」「なぞる」というメニューボタンが現れる。「ちず」を押すと通常のGoogle マップと同じ使い勝手になり、スクロールやズームが可能。検索したいエリアを表示させたら、「なぞる」に切り替えると位置が固定されて、指でなぞった軌跡の周辺にある飲食店の写真がポップアップで表示される。
ポップアップ表示されるときに「ぽよ」という吹き出しとともにユーモラスな音がするのが特徴で、アプリのタイトルはここから来ている。検索結果が多いとポヨポヨポヨポヨ、と立て続けに音が鳴るのでちょっと気持ちいい。また、たまに「カモーン!」などといったかけ声がかかることもある。検索の条件設定は居酒屋、ダイニングバー、創作料理、和食、洋食、イタリアン・フレンチ、中華など全16種類から選べるほか、条件指定なしで探すことも可能だ。
検索結果の写真をタップすると詳細情報が表示される。この情報はリクルートのホットペッパーグルメの情報をもとにしており、店舗の情報のほかクーポンを入手できる。また、各店の情報をブックマークに登録したり、Twitterに投稿したりすることも可能だ。
指でなぞって検索というと思い出されるのが、「Yahoo!ラボ」が提供しているiPad用のウェブアプリ「yubichiz」だ。使い勝手は両アプリで似ているが、「yubichiz」では検索結果がマーカーで表示されるのに対して、「なぞぽよ」は写真が表示されるので、より直感的に情報を把握できる。地図を触りながら楽しく飲食店を探せるアプリとして注目だ。
地図上を指でなぞると軌跡が描かれる | 軌跡の周辺にある店の写真が表示される |
レストランの詳細情報 | 検索条件を指定できる |
さまざまなジャンルを指定可能 | ヒット件数の累積も調べられる |
◆なぞぽよ(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/nazopoyo/id517835903?mt=8
●MAPSHOPで古地図データをダウンロード販売、105点の高解像度サンプルが閲覧可能
地図専門の通販サイトとして知られる「MAPSHOP」が古地図データのダウンロード販売を開始した。扱う古地図は江戸・地方・全国・鳥瞰図・分県地図など105点。これまでMAPSHOPでは古地図の印刷販売を行ってきたが、今回から新たにデジタルデータのダウンロード販売に踏み切った形だ。
これらの地図はロイヤルティフリーなので、広告イメージや印刷、ウェブデザインなどにも利用可能。価格は画像データのサイズによって異なり、「サイズ(大)」が1万2600円、「サイズ(小)」が8400円となっている。もちろん従来通り、紙地図の印刷販売も継続される。
紙地図の場合、最も小さいサイズだと1680円や2100円といった価格なので、これらに比べるとデジタルデータは高めに感じるかもしれないが、ロイヤルティフリーでさまざまな用途に使えるほか、細かい部分も拡大して確認できるメリットは大きい。
これらの古地図データの購入ページで見逃せないのが、各地図の詳細ページの下部にある地図のサンプルデータで、「全画面」ボタンをクリックすると高解像度の地図を全画面で表示させることが可能だ。大きなディスプレイで全画面表示するとかなりの迫力で、これが無料で見られるのは得した気分だ。
さらに「-」「+」ボタンをクリックすることで拡大・縮小も自在に行える。かなり細部まで拡大できるので、どこの場所に何があったのかを細かく確認できる。これらのサンプル画像には「MAPSHOP」の透かしデータが入っているが、地図の内容を確認するだけなら十分に魅力的なコンテンツで、古地図が好きな人はサンプルを見て回るだけでかなり楽しめるだろう。
「MAPSHOP」トップページ | 古地図コーナー |
「江戸」カテゴリの古地図 | 「本所絵図(江戸切絵図)」 |
ページ下部にサンプル画像を掲載 | サンプル画像は拡大可能 |
◆MAPSHOP
http://www.mapshop.co.jp/
◆古地図コーナー
http://www.mapshop.co.jp/products/list.php?category_id=79
2012/5/10 06:00
-ページの先頭へ-