趣味のインターネット地図ウォッチ

第179回

地図会社による地図だらけの文具雑貨展、中野区新井で開催中 ほか

地図会社による地図だらけの文具雑貨展、中野区新井で開催中

 都道府県のシルエットが描かれたノート、伊能忠敬のボールペン、地球儀の形をした貯金箱……。地図に関するさまざまなグッズを集めたイベント「ちずもの展~地図だらけの25日間」が、文具雑貨店「旅屋」(東京都中野区新井1-37-2)にて1月7日から開催されている。期間は1月31日まで(11時~20時、水曜日定休)。

 地図会社の東京カートグラフィック株式会社によるこのイベントでは、同社が展開する地図グッズの販売だけでなく、ウェブと連動した来店者参加型イベントやワークショップなどの企画も用意されており、地図好きな人には見逃せない内容となっている。今回はこのイベントの模様をレポートしよう。

旅屋
さまざまな地図グッズが並ぶ

 1960年(昭和35年)に創業した老舗の地図会社である東京カートグラフィック。現在は地図調整や測量事業だけでなく、GISソリューションや地図データ、衛星画像の提供など幅広く事業を展開している。GIS関連ではオリジナルのGISソフト「地図太郎」を提供するほか、技術広報誌「地図の学祭」も年に2回発行している。

 法人向けの事業だけでなく、近年では地図をテーマにした文具雑貨にも力を入れており、ユニークな製品を数多く展開している。今回のイベントではこれらの商品を多数用意したほか、東京カートグラフィックが作成した地図データを使用した地球儀も展示している。

「ちずもの展」告知サイト

 「当社は50年以上の歴史を持つ地図会社で、これまでの地図製作で培った技術を活用して文具雑貨などを開発しています。地図グッズについては、子供向けの学習教材にも力を入れていて、小学生に楽しみながら地図に親しんでもらう、橋渡しのような役割になりたいと思っています」と語るのは、イベントの担当者である東京カートグラフィック営業部営業課の鈴木一郎氏。

 日本各地に関係の深い事柄をイラストで学べる日本地図クリアファイルや、都道府県の形を学べる「都道府県式地理力検査表ノート」、全国の平均桜開花日マップが描かれた付箋「サクラフセン」、伊能忠敬をモチーフに、江戸時代の測量風景をシルエットでデザインした「ino's フローティングボールペン」、組み立てると正12面体の貯金箱となる「ペーパークラフト地球儀」など数多くのユニークなグッズが今回のイベントには勢揃いしている。

日本地図クリアファイル(4枚セット1029円)
白地図セット(イベント特別価格500円)や下敷き(300円)
都道府県式地理力検査表ノート(378円)
サクラフセン(イベント特別価格200円)
ino's フローティングボールペン(840円)
ペーパークラフト地球儀(左が368円、右が300円)
世界地図(地球地図 樹木被覆率)が描かれた扇子(イベント特別価格1500円)
伊能図が描かれたリングノート(840円)とメモパッド(315円)
東京カートグラフィックが提供した地図データを使用した地球儀
東京カートグラフィックが提供する地図

 このほかユニークな商品としては、地質図がプリントされたハンカチやトートバッグのシリーズ「Geological Textile」も販売している。東京カートグラフィックは以前から地質図の調製も事業のひとつとして行ってきたが、この地質図の多様なカラーパターンを布製品や雑貨と組み合わせて商品にしている。ハンカチには地質図の見どころ解説も付いているという。

「Geological Textile」シリーズのハンカチ(1300円)、トートバッグ(2100円)、ポーチ(900円)

 商品展示と並んで行われた催しが、来店客参加型イベント「みんなでつくる旅地図」。これは店のガラスに描かれた世界地図や日本地図の上に、旅した場所とコメントを書いた付箋を貼っていくという企画で、書き込まれた情報は特設サイトで随時公開している。

 付箋はピンク(きれい)、黄(おいしい)、青(おどろき)の3色が用意されており、コメントの内容に応じて選べる。書き込む内容は自由だが、「ニックネーム」と「都市名」、「見つけたもの」の3点は必ず書くことになっている。特設サイトは、東京カートグラフィックが2013年に開設した「cart.e」のサイト内にある。世界地図の左横、書き込まれた付箋のリストがスクロールしていくというデザインになっており、付箋の中から選んで1つクリックすると、対応する都市の地図が拡大して表示されて、書かれた内容がポップアップ表示される。

 「今回の企画展では、単に当社の商品を並べて販売するだけでなく、来場者と交流できるようなイベントをやりたいと思いました。いろいろと考えたところ、旅屋さんには大きなガラス窓があったので、まずはこれに地図を描こうと。その上で、お店に来られる方は旅が好きな方ばかりなので、旅行の体験を書いてもらおうということになりました。」(鈴木氏)

3色の付箋から選べる
窓の地図に貼り付けられた付箋

 特設サイトの背景地図は、旅が好きな人向けということで、世界各国の国旗や時差が分かる世界地図となっている。この地図ももちろん東京カートグラフィックのオリジナルデザインだ。付箋をクリックしながらさまざまなコメントを見ていると、さまざまな国々の魅力が伝わってきて実に楽しい。

世界地図の横に貼られた付箋が並ぶ
付箋をクリックすると内容を見られる

 このほか、1月18日にはデッドストックの地図を使って作る紙巻き鉛筆とメモ帳のワークショップも開催された。主催者はデザイナーの五十嵐徹氏。紙巻き鉛筆とは、鉛筆の芯にボンドなどを塗って巻いていくことで作り上げるオリジナル鉛筆のこと。五十嵐氏は紙巻き鉛筆を中心とした文房具ワークショップを展開しており、「旅屋」では以前から五十嵐氏の作品を販売していた。自作の紙巻き鉛筆は新聞紙などで作られることが多いが、五十嵐氏は色紙を使うことにこだわっており、そこから地図を使うことにつながっていった。

 「地図で鉛筆を作ろうと思ったきっかけは、旅屋さんから『古い地図があるんだけど、これで何か作れない?』と提案をいただいたことでした。もともと色紙で紙巻き鉛筆を作っていたので、それなら地図でも鉛筆を作ろうと。紙巻き鉛筆の製作は材料もシンプルで誰でも手軽にできます。芯に巻く紙に地図を使うと、巻いている時や使っている時に『ここの国ってこんなところにあるんだ』とか、新たな発見があって面白いです。」(五十嵐氏)。

五十嵐徹氏
製作中の様子

 ワークショップは18日の1日限りだったが、店内では五十嵐氏が製作した作品も販売している。地図が好きな人にとって魅力的なグッズにあふれているこのイベント、興味のある人は訪れてみてはいかがだろうか。

店内では五十嵐氏の作品も販売している
「ちずもの展」以外にも、旅に関するさまざまなグッズを買える

旧日本陸軍や米軍が撮影した空中写真、「地理院地図」で公開

 国土地理院は「地理院地図」において、1936年(昭和11年)以降に旧日本陸軍や米軍が撮影した空中写真(単写真)を公開した。同サイトでは、従来は1974年(昭和49年)以降の空中写真を公開していたが、今回の追加により、単写真ではあるが、閲覧可能な時代の範囲が大幅に拡大した。

 写真を閲覧する際は、左のメニューから見たい時代を選び、チェックボックスをオンにすると地図上に写真が用意されているエリアが丸印で表示される。閲覧可能な年代は10年ごとに区切られているが、複数の年代を同時に表示させることも可能だ。

 地図上のアイコンをクリックすると写真表示へのリンクがポップアップ表示される。リンクをクリックすると諸元情報とともに写真が表示される。諸元情報には撮影年月日や撮影地域、撮影縮尺、撮影実施/計画期間、市町村名などの詳しい情報が記載されている。写真は拡大・縮小のほか、高解像度表示も可能だ。

 単写真ということで1枚ごとに写っている範囲は広くないし、地図に重ねてレイヤーを切り替えながら見比べることもできないものの、これらの写真は戦前や終戦直後の様子が分かる貴重な資料といえるだろう。

【お詫びと訂正 2014/1/24 12:55】
 記事初出時、年代別に閲覧可能なエリアは異なっているとしていましたが、これは誤りだったため、該当部分を削除しました。どの年代でも全国の写真が見ることができ、左フレーム下部にある「写真の再検索」を押すと、表示中の地図の中心に近いものから最大100点まで表示されます。お詫びして訂正いたします。

閲覧したい年代にチェックを入れると収録されている写真の位置が表示される
アイコンをクリックすると写真表示へのリンクが表示される
諸元情報と写真が表示される

スキルアップジャパン、位置情報を活用したリマインダーアプリ「GeoAlerts」

 スキルアップジャパン株式会社は、位置情報を活用したiPhone/Android向けリマインダーアプリ「GeoAlerts」を提供開始した。App Store、Google Playからダウンロードできる。利用する際はFacebookまたはTwitter、GmailまたはGoogle+のアカウントが必要。

 同アプリは、地図上の設定したエリアに出入りする際に自動的にメッセージを送信できるリマインダーアプリ。送信されるのはメッセージのみで、位置情報は直接ほかのユーザーに開示されることがなく、プライバシーを守りながら利用できる。

 この手のアプリはエリアを円状に設定するものが多いが、このアプリはエリア設定の自由度が高く、円だけでなく道路に沿った線や多角形状の複雑な形にも指定できる。使用する地図はiOS/Androidの標準地図で、エリアの範囲を距離で指定することも可能。アラートは複数項目を設定することが可能で、それぞれオン/オフを切り替えられる。

 このアプリを利用することにより、学校や職場に到着したり、そこから立ち去る時に家族に通知しする、あるいは家族が家の近くのスーパーに近付いた際に買い物をお願いするメッセージを送ったり、おすすめの店の近くを友人が訪れた際に店の情報を送るといったことが可能になる。

 現在のところ、アラート数の制限およびアラート宛のフレンド数の制限、エリア数の制限などはいずれも10個までとなっている。家族や友人などへの連絡を自動化できるツールとして便利なアプリだ。

右下の選択肢の中からエリアの指定方法を選ぶ
多角形で指定
線を結んでいくことで複雑なエリア形状を指定可能
円形で指定
入域時メッセージ
出域時メッセージ
メニュー画面

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。