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Googleのプライバシーポリシー統合前に押さえておきたいこと

どんな情報が保存されているのか確認する(前編)


議論の前に、Googleがユーザーのどういう情報を保存しているかを確認しよう

 本誌でもすでにお伝えしている通り、3月1日より、Googleがプライバシーポリシーを統合することを明らかにした。これまでGoogleのプライバシーポリシーはサービスごとに定められていたが、3月1日以後は、統一したプライバシーポリシーのもとでサービスが提供されることになる。同時に、Googleではあるサービスを通じて収集した個人の利用履歴などを、よりよいサービスを提供するために他のサービスでも利用することがあると宣言しており、この点に関して不安を抱くユーザーも少なくないようだ。

 そうした反応を受けてGoogleは、より詳細な説明を行なったほか、EU作業部会からの追加情報を要求に対しても、「どのような質問にも喜んで答える」と回答するなどの動きがあった。Googleはプライバシーポリシーの変更について周知徹底すべく、全ユーザーに告知メールを送信しているほか、サービスの中でも、Googleの検索画面やGoogle Mapの画面など、ユーザーがひんぱんに利用する画面において、プライバシーポリシー変更を知らせる告知を行っている。

Googleの検索画面を開くと、画面の一番下にこんな項目が追加されている これはGoogle Mapだけではなく、翻訳やニュースなどさまざまなサービスで表示される

 サービス提供側の視点から見れば、サービスごとにプライバシールールを決め、それぞれに改訂していくのは非効率的であるのは当然で、またユーザーのプロフィールや履歴を利用することで、より要求する情報を素早く提示できるというメリットもあるだろう。つまり買い物であれば、よりユーザーの趣味に合ったブランドのものが真っ先に表示されるといったパーソナライズがなされる可能性もある。それを便利と思うか、余計なお世話だと考えるかは人それぞれだ。

 ここでは、ポリシー統合の是非の議論はとりあえず措いておくとして、その前段階として確認すべき知識として、「プライバシーポリシー統合で、自分のどんな情報がGoogle全体で共有されるのか」「現在、自分が利用しているGoogleのサービスで、どんな情報をGoogleが保存しているのか」を改めてチェックしようと思う。

 便利なサービスを享受しつつ、自分の個人情報をコントロールしていくには、面倒ではあるが、サービスについてきちんと知っておく必要がある。今回はプライバシー統合の概要をおさらいし、明日の次回では、Googleのダッシュボードを確認していく。その後、2回に分けて、Googleに保存された情報の削除依頼の方法や、Googleが提供するオプトアウトツールなどをご紹介していく予定だ。


プライバシーポリシー

 まずはプライバシーポリシーそのものについて。現在、つまり2月末まで有効なプライバシーポリシーはこちら(http://www.google.com/intl/ja/policies/privacy/)、3月1日から有効になる新しいポリシーはこちら(http://www.google.com/intl/ja/policies/privacy/preview/)である。

2月末まで有効なプライバシーポリシー。このページには全体のサービスに共通する内容が掲示されている。各サービスごとに異なる部分は、右ペインの「サービスポリシー」をクリックすると読むことができる 3月1日から有効になる新しいポリシー。現在は「プレビュー」扱いだが、3月1日からはこれが「現在のバージョン」に移動する。若干の例外を除きサービスごとの説明がなくなったため、全体は把握しやすくなった

 なお、上記URLはどちらも2月末まで有効だが、3月以後のポリシー(つまり新しい統合されたポリシー)は現行ポリシーのURL(http://www.google.com/intl/ja/policies/privacy/)に移動し、過去のポリシー(つまり変更前のポリシー)は、アーカイブページ(http://www.google.com/intl/ja/policies/privacy/archive/)に移動することになるので注意してほしい。

3月1日以降は「2011年10月20日」という項目がここに追加され、現時点でのプライバシーポリシーはここから見ることになる

 サービスごとに、内容の違いを細かく説明すると膨大な量になってしまうので、ここではサービスごとの比較は割愛する。自分が利用しているサービスでとくに確認したい部分がある方は、それぞれのプライバシーポリシーを見比べていただくのが良いだろう。

 大雑把に言えば、新しいプライバシーポリシーの下では、これまでGoogleが収集してきた以下のような情報が、広告サービスその他に利用される可能性がある。




  • 端末情報:PCの場合ならOSやハードウェアモデル、携帯やスマートフォンだと、電話番号や端末固有のIDなど

  • ログ情報:Googleを使っての検索キーワードやブラウザ情報、IPアドレス、電話の通話ログ

  • 現在地情報:GPSやWiFi/携帯電話などによる現在地の情報

  • 固有のアプリケーション番号:特定のサービスなどで利用されるアプリケーションのID番号

  • Cookieと匿名ID:PCあるいは端末に割り当てた複数のCookieと匿名ID



また、以下のような項目もあり、これも広義には広告に利用される可能性がある。




  • ローカル ストレージ:ブラウザやアプリケーションを通し、個人情報を含む情報をPCあるいは端末に保存することがある



 今回問題とされているのは、主に上にあげた項目となる。

 ただし、Cookieとか匿名IDなどは、これまでもGoogleの広告に利用されてきている。たとえば、「Google では Cookie をどのように使用して広告を表示しますか?(http://www.google.com/intl/ja/privacy/ads/)」というQ&A項目を確認してみよう。

 つまり実際には、サービスごと個別に運用ルールが規定されていたが、以前からこうした情報は広告に使われていたというわけだ。今回のプライバシーポリシーで、「今までは使われていなかった」多数の情報が、新たに保存され利用されるようになるというわけではない。

 とはいえ、これまでGoogleがサービスごとに収集・利用してきた情報が、「横断的かつ包括的に利用可能となる」という点がユーザーの不安の種となり、議論にもなっているというわけだ。

 今回は概要のみの話となったが、明日の後編ではGoogleダッシュボードを具体的に見ていく。その後、週明けの20日・21日には、情報の削除依頼やGoogleが提供するオプトアウトツールについて、具体的にご紹介する予定だ。



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2012/2/16 06:00


大原 雄介
 ライター業もそろそろ20年目を突破。一応当初はPC系兼業ライターということでスタートしたものの、最近は専ら組み込み系がメインの専業ライターに。PCや組み込み系ではOSから下のレイヤ、ネットワーク系ではL2〜L3以下のレイヤを専ら得意とする。ちなみに本職は「猫に傅く事」で、そのための費用稼ぎにライター業を営んでいる。