清水理史の「イニシャルB」

クレードル対応で自宅でも使えるモバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」

 UQコミュニケーションズから、WiMAX/WiMAX 2+/au LTEに対応したファーウェイ製モバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」が発売された。クレードルに対応し、有線LAN接続の端末も利用できるのが特徴だ。その実力を検証してみた。

携帯性か連続通信時間か

 「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15(以下HWD15)」は、既存モデルとなる「HWD14」の後継に相当するWiMAX 2+対応のモバイルルーターだ。

 従来機種からデザインを一新したほか、新たにクレードルをオプションとして用意。通信機能やバッテリー駆動時間など、さまざまな改良が施された最新機種となっている。

UQコミュニケーションズのファーウェイ製モバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」

 今回のHWD15の登場で、現状、WiMAX 2+対応のモバイルルーターとしての選択肢は、以下の3製品となった。

HWD15 HWD14 NAD11
    ファーウェイ ファーウェイ NECプラットフォームズ
サイズ   高さ104×幅64×奥行き14.9mm 高さ100×幅62×奥行き15.5mm 高さ109×幅65×奥行き8.2mm
  140g 140g 81g
連続通信 WiMAX2+ 10時間50分(650分) 9時間(540分) 420分
WiMAX 9時間40分(580分) 9時間30分(570分) 630分
LTE 10時間(600分) 9時間10分(550分) -
連続待受け 休止 970時間 950時間 500時間(リモート起動なし)
バッテリー容量   3000mAh 3000mAh 2100mAh
無線LAN   IEEE 802.11n/g/b IEEE 802.11n/g/b IEEE 802.11ac/n/a/g/b
対応ネットワーク   WiMAX 2+/WiMAX/au 4G LTE WiMAX 2+/WiMAX/au 4G LTE WiMAX 2+/WiMAX
クレードル対応   ×

 HWD14に関しては、徐々にHWD15へと移行していくと考えられるため、事実上の2択だが、今回のHWD15の機能強化で、クレードル部分の差がなくなり、両者の性格がより明確になった印象だ。

 具体的には、サイズとバッテリー駆動時間のどちらを重視するかだ。持ち運びの手軽さならスリムなNAD11、長時間利用ならバッテリー容量が大きいHWD15と、素直に選べるようになった。

 もちろん、NAD11はIEEE 802.11ac対応というアドバンテージがあるが、屋外では5GHz帯の11acは利用できない(au LTEにも対応していない)ため、やはり携帯性をとるか、連続通信時間をとるかという選択になるだろう。

HWD14と何が違うのか?

 続いて、従来モデルとなるHWD14との違いについて見ていこう。主な変更点は以下のような点となる。

 HWD14からの主な変更点
    ・外装デザインを一新
    ・UIの改善
    ・連続通信時間の向上(WiMAX 2+で公称約10時間50分)
    ・クレードル対応(ルーターモード/アクセスポイントモード)
    ・WiMAXハイパワーに対応

 まずは外観だが、前掲の通り、サイズに関しては、高さ、幅、奥行きのそれぞれに若干の増減はあるものの、ほぼ同じと考えていい。実際に並べてみると、ほんの少しだけHWD15が大きいが、重量が同じ140gということもあり、個別に手に持つと、ほとんどその差は感じられない。

正面
背面
左側面
右側面
従来モデルのHWD14との比較。高さが若干HWD15の方が大きい
手のひらサイズだが若干大きめ
付属のACアダプタはUSB接続タイプ

 デザインに関しては、好みもあるので一概に判断できないが、今回のHWD15の方が少し華やかで高級に感じられる。液晶面がフラットになったうえ、周囲がシルバーのモールで飾られたことが影響しているのだろう。

 外観より違いが感じられるのは、ユーザーインターフェイスだ。2.4インチのカラー対応タッチパネルであることは同じだが、UIのデザインが変更され、ボタンなどがフラットな印象のものに変更されている。

 全体的にシンプルでスッキリとした画面に見えるメリットもあるが、ボタンの印影などの3Dっぽい処理に無駄なスペースが使われなくなったおかげで、同じサイズの画面でも広く感じられるようになった。

 画面を見ながら設定などをするときも、ボタンがより大きく感じられ、操作がしやすく感じられるメリットもある。メニュー構成などは、ほぼ共通だが、HWD15の方が操作が簡単に感じられるのは、この新UIのおかげだろう。

UIのデザインも一新され、フラットな印象になった。画面を広く使える分、操作もしやすい

さすがの連続通信時間

 続いて、連続通信時間について見ていこう。従来モデルとバッテリー容量は同じだが、スペック表の通り、WiMAX 2+で1時間50分、WiMAXで10分、LTEで50分ほど、連続通信時間がプラスされている。

 WiMAX 2+のエリアが拡大されつつある状況を考えると、WiMAX 2+で2時間弱通信時間が増えたことは大きなメリットと言えそうだ。

 実際、WiMAX 2+通信時に、定期的にPingとHTTP GET(Webと画像をダウンロード)を実行するバッチファイルを実行して、どれくらい連続通信できるかを確認してみたところ、15:11に測定開始後、3:19に通信不可になるまで、12時間8分ほど連続で通信することができた。

 測定日は異なるが、以前に本コラムでNAD11とHWD14をテストした際は(詳細はこちらを参照)、NAD11が6時間58分、HWD14が11時間34分であった。使用方法にもよるが、HWD14よりも長い時間通信できることは、確実と考えて良さそうだ。

 それにしても、連続で12時間を超える通信ができるようになったというのは、1つの大きな到達点と言っていいだろう。ここまでバッテリーが持てば、たとえ残業などで多少帰宅が遅くなったとしても、余裕で一日中使えるはずだ。この安心感は、本製品ならではのメリットと言えるだろう。

クレードル接続用のカスタマイズも

 新しく追加されたクレードルについても、なかなか使い勝手がいい。本体側面のmicroUSBコネクタにクレードル側の端子を差し込む方式なのだが、接続すると、自動的に画面が横方向に切り替わるようになっている。

オプションのクレードル
背面にLANポートを備える

 通常の縦画面では、画面上に「通信モード」、「省電力」、「クイックメニュー」、「設定」という4つのボタンが表示されるが、クレードル接続時は「WPS」、「SSID情報」、「設定」という3つのボタンが横方向に並んで表示される。

 このため、PCやゲーム機などを無線LANで接続する際でも、すぐにWPS設定を呼び出せるようになり、機器の接続が手軽にできるように工夫されている。

クレードル接続時は横方向のUIに自動的に変更され、ボタンも変更される

 無線LAN関連の設定も、クレードル接続時を想定したものとなっている。PCなどからブラウザで設定画面を表示すると、IEEE 802.11n/g/bの詳細設定を確認できるが、帯域幅が標準で20MHzに設定されているうえ、Wi-Fi送信出力も「高出力」に設定されている。

 通常、旧機種のHWD14では帯域幅は標準で40MHzに設定されていたうえ、「Wi-Fi送信出力」という設定そのものが存在しなかった。

 通常、モバイルルーターは、PCやスマートフォンなどのクライアントとの間の距離が近い状態(せいぜい数メートル)で使うことが多いため、送信出力が抑え気味に設定されていることが多いのだが、本製品では、これが高く設定されている。

 また、2.4GHz帯の混雑を避けることに加え、より遠くまで通信できるようにするために帯域幅も20MHzに設定されている。

 これは、明らかに、家庭内など長距離での設定を重視した設定だ。クレードルで利用されるケースが決して少なくないことを想定しているのだろう。

HWD15の設定画面。Wi-Fi設定では、20MHz幅、高出力に設定されている
従来機種のHWD14の設定画面。標準で40MHz幅設定で、送信出力設定は省略されている

 なお、動作モードは、WAN側にWiMAX 2+などのモバイル回線利用し、LAN側にクライアントを接続する(Wi-Fiでもクライアントを同時接続可)「ルーターモード」と、WAN側にLANを利用し(既存のFTTHなどを利用)、Wi-Fiでクライアントを接続する「アクセスポイントモード」の2種類が用意されている。

 標準ではルーターモードに設定されているので、必要に応じて設定を変更してから利用するといいだろう。

使い勝手のいいモバイルルーター

 以上、UQコミュニケーションズから登場したファーウェイ製のWiMAX 2+モバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」を実際に使ってみたが、従来モデルでも評価の高かった連続通信時間だけでなく、UIやクレードルなどの使い勝手を向上させた優秀な製品となっている。

 WiMAX 2+のエリア内での利用が主ということであれば、外出先で一日中使えるだけでなく、自宅に帰ってからも通信手段として利用できるおすすめの製品だ。WiMAX2+の契約を考えている場合は、その有力な候補として検討する価値がある製品と言えるだろう。

清水 理史

製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるWindows 8」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ