第309回：健康計測器＋ネットサービスで楽しく健康管理
タニタの健康管理サービス「からだカルテ」

　タニタの「からだカルテ」は、体組成計で計測した体重や体脂肪、歩数計で計測した歩数などをネット上で手軽に管理できるサービスだ。脱メタボやダイエット、日々の健康管理を効果的に行えるサービスを実際に利用した。

●どうせなら楽しく効果的に健康管理

「からだカルテ」の使用機器

　頭ではわかってはいても、なかなか実践できない……。メタボ対策のダイエットの一番の関門は、最初の一歩を踏み出すことだろう。体重計に乗って現状を見つめ直すだけでも効果はあるのに、現実と直面する怖さ半分、手間半分で、なかなかその一歩を踏み出せない。そんな人も少なくないはずだ。

　そんなメタボ対策やダイエットを楽しく、効果的に実践する手助けになりそうなのが、今回紹介するタニタの「からだカルテ」というサービスだ。

　体重や体脂肪などを計測する体組成計や歩数計などの健康測定機器とネット上のサービスを組み合わせたサービスで、測定したデータをネット上にアップロードすると、Web画面で日々の測定値を管理したり、効果的な健康管理の知識などを参照することができる。


タニタの「からだカルテ」。健康測定機器とWebサービスを組み合わせた健康管理サービス	タニタの「からだカルテ」で利用する健康測定機器。上から体組成計、歩数計、リレーキー

　最近の体組成計は非常に高機能で、単体でも前回測定値からの増減などを管理できるが、ネット上でデータを管理することで、より長期間のデータを管理でき、日々の変化などをグラフで参照できるのが特徴だ。

●コストがかかると「やる気」が違う

　この「からだカルテ」は、前述した通り機器とソフトウェア、サービスをパッケージ化したもので、利用するには専用機器とサービスへの加入が必要になる。

　サービスメニューは、8月末の新メニュー追加と9月からの料金改定で、以下の4種類となった。

ダイエットメニュー
月額800円/1万8500円（24カ月一括）
体組成計＋リレーキー
スタンダードメニュー
月額1000円/2万3700円（24カ月一括）
体組成計＋歩数計＋リレーキー
アドバンスドメニュー
月額1560円/3万6900円（24カ月一括）
体組成計＋歩数計＋血圧計＋リレーキー
ライトメニュー
月額580円/1万3300円（24カ月一括）
歩数計＋リレーキー

　違いは提供される機器で、体重や体脂肪率、基礎代謝などのデータ収集に加えて、実際の運動量を管理するための歩数計が提供されるメニューや、血圧などの健康管理に役立つ機器が提供されるメニューも存在する。


体重、体脂肪率、、体脂肪量、内臓脂肪レベル、基礎代謝、筋肉量、体内年齢、推定骨量を計測できる体組成計	携帯することで歩数を計測、記録することができる歩数計	体組成計や歩数計のデータをPCへと転送するために利用するリレーキー

　健康管理だけなら体組成計のみのダイエットメニューでも十分だが、歩数計は後述するWeb上のイベントなどに活用できるため、スタンダードメニューの利用がお勧めだ。

　なお、前述した料金は機器の費用が含まれた当初24カ月間の料金となっており、24カ月経過後は2000円/6カ月（一括払い）でサービスを継続利用できる。また、24カ月以前の解約の場合でも機器は継続利用できるが、この場合は残期間合計金額の85％を違約金および測定機器残代金相当金として支払う必要がある。

　月額料金が必要なことに抵抗を感じる人もいるかもしれないが、考えようによっては、毎月のコストというのは健康管理を継続的に実施するための動機付けに有利だ。

利用には月額料金もしくは一括支払いの料金が必要（24ヶ月利用）。有料サービスだが、その分サービスとしてはかなり充実している

　もちろん、機器を購入したユーザー向けの無償サービスとして提供するのも1つの方法だが、この場合、いわゆる「三日坊主」になりやすい。しかし、毎月料金を支払っていると、少なからず元を取ろうという気になる。

　脱メタボも、ダイエットも、コストがかかればやる気も違うというものだ。

●赤外線→USB→回線でデータを転送

　では、実際の使い方を見ていこう。利用にはサービスへの登録が必要で、登録が完了すると機器が送られてくる。これらの機器とPCを利用してデータを管理するわけだ。

　ポイントとなるのは「リレーキー」と呼ばれる機器だ。「からだカルテ」では日々の体重、体脂肪率、体脂肪量、内臓脂肪レベル、基礎代謝、筋肉量、体内年齢、推定骨量などをWeb上で管理できるが、これらのデータの収集と入力は「リレーキー」を利用して自動的に行われる。

　実際のイメージは具体的な使い方を見た方がわかりやすいだろう。（1）リレーキーを手に持ち、体組成計に向けてボタンを押すと、体組成計の電源がオンになる。（2）測定準備ができたら、リレーキーを手に持ったまま、体組成計に乗って体重などのデータを測定する。（3）測定が完了すると、体組成計から赤外線を利用して、測定データがリレーキーに送られる。

【動画】測定の様子

　リレーキーにデータを受信できたら、これをネット上にアップロードする。アップロードにはPCと一般的なブロードバンド回線を利用する。（4）リレーキーにはUSBコネクタが搭載されているので、これを利用してPCと接続すると、あらかじめPCにインストールしておいた専用アプリケーションが自動的に起動し、リレーキー内部のデータをネット上にアップロードする。これにより、体重や体脂肪などのデータをWeb画面から参照することが可能となるわけだ。

　要するに、「[体組成計]－赤外線→[リレーキー]－USB→[PC]－回線→[Web]」という形で、データをバケツリレーのようにして登録することになる。

　もちろん、毎日測定して転送するのが理想だが、バケツリレーなので途中にデータを貯めておくこともできる。たとえば、リレーキーを利用した体組成計での測定を毎日実行し、データをリレーキーに蓄えておく。これを2～3日に1回、PCからアップロードするという使い方もできる。

　同様に歩数計を利用する場合もリレーキー経由でデータを転送する。歩数計にも赤外線ポートが搭載されているので、歩数を測定しておいた状態で本体のボタンを押してリレーキーにデータを転送。それをUSB経由でPCからWebにアップロードするというイメージだ。

●効果的な判断と楽しいイベントでモチベーションを維持

　アップロードしたデータは、Web上で日付ごとにグラフ表示できる。1週間や1カ月、年単位に加えて、一定期間のみのグラフ表示なども可能で、データの変化を時系列で把握することができる。

測定した体重や歩数などの各データは時系列に参照可能

　また、データは体重、体脂肪率などといった項目ごとに個別に表示できるだけでなく、設定した項目を組み合わせた比較グラフとして表示することも可能だ。たとえば、あらかじめ用意されている「ダイエットをしている方（男性）」というプリセット項目を利用すると、体重・体脂肪率・基礎代謝量・筋肉量の4項目を折れ線グラフで組み合わせて表示してくれる。

比較グラフを利用すると複数のデータを複合的に判断可能。プリセットされたメニューを選べば、ダイエット用に体重・体脂肪率・基礎代謝量・筋肉量の変遷を比較できる

　ダイエットの場合、単に体重を減らすだけでなく、基礎代謝を上げ、体脂肪率や筋肉量のバランスの変化に注目する必要があるが、こういった複数データの変遷も手軽に把握できるわけだ。

　体重も減っているが同時に筋肉量も減っているのでは、単に衰えていると言うことになってしまう。こういった複数データの組み合わせによる判断ができるのも、健康測定器単体にはないWebサービスならではの魅力だろう。

　また、歩数計の利用が可能な場合は、測定した歩数をベースにしたイベントへの参加も可能となっている。本稿を執筆している時点では「Walk around the world Machu Picchu」というイベントが開催されており、ペルーのリマから788km先のゴールまでのルートを、ナスカの地上絵やマチュピチュなどを訪れながらバーチャルウォーキングすることができる。