いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
ファイルやフォルダーを自動で同期する「Dropbox」
(2015/8/19 06:00)
サービス名 | Dropbox(ドロップボックス) |
リリース日 | 2008年9月 |
運営会社名 | Dropbox, Inc. |
料金 | Dropboxベーシック:無料(容量2GB) |
Dropboxプロ:月額1200円または年額1万2000円(容量1TB) | |
ビジネス向けDropbox:1ユーザーにつき月額1500円(容量無制限、5ユーザーから) | |
URL | http://www.dropbox.com/ |
外付けハードディスクを持たなくても複数の端末でデータをすみやかに同期
Dropbox(ドロップボックス)は、ドリュー・ハウストンとアラシュ・フェルドーシによって2008年9月よりスタートした、クラウド形式のオンラインストレージサービスです。
Dropboxを使うことで、データの同期、ファイルやフォルダーの共有、バックアップ、環境復元、メモリカードからのファイルの自動コピー、スマートフォンのカメラデータの自動アップロード、スクリーンショットの自動保存と同期、アルバム機能、削除ファイルの復元といったことが可能になります。
利用できる環境は幅広く、Windows、Mac、Linux用のDropboxソフトウェアと、Android、iOS、Windows Phone、BlackBerry、Kindle Fire向けにアプリが提供されています。これらのソフトウェアがインストールされた端末なら、どこからでもデータにアクセスすることができます。
料金は、2GBまで無料で利用できる「Dropboxベーシック」のほか、1TB(1000GB)を月額1200円または年額1万2000円で利用できる「Dropboxプロ」、1ユーザーにつき月額1500円(5ユーザーから)で容量無制限で利用できる「ビジネス向けDropbox」の3コースが用意されています。
普段通りに使っているだけで自動的にデータを同期
単にオンライン上に保存領域を持つというのではなく、複数のパソコンを利用している場合、すべてのパソコンでデータの同期が行われ、同じ環境を維持することができるというのがDropboxの大きな特徴です。
Dropboxのソフトウェアをインストールしたパソコンには、Dropbox同期用の専用フォルダー「Dropbox」が作成されます。その中に作成したフォルダーやファイルは、種類にかかわらずすべていったんクラウド上にバックアップされ、同じくDropboxソフトウェアをインストールした別のパソコンの「Dropbox」フォルダーにも自動的にフォルダーやファイルがコピーされます。
パソコン内のフォルダーやファイルはそのまま操作することもでき、保存したファイルは別のパソコンにも反映されます。データの同期はパソコンがオンラインのときに限りますが、データそのものはパソコン内のストレージにあるため、作業そのものはオフラインでも可能。そのため、ファイルを開いたり保存したりといった作業に時間がかかることもありません。クラウドを意識することなく、いつも通りに作業しているだけで、バッググラウンドでは確実にバックアップがとられており、OSが異なるパソコン間でも簡単にデータの同期ができるというわけです。
なお、ファイルの同期中にパソコンを閉じても、再びオンラインになったときに自動的に再開できます。また、契約容量に対してパソコン内のストレージに余裕がないときでも、同期するフォルダを選択する「選択型同期」を設定することで、必要なものだけ同期できます。ウェブブラウザーから直接クラウド上を参照することもできるので、ストレージ容量が少なめのノートパソコンなどでも利用できます。データの競合が発生した場合でも、履歴ごとに変更前のデータが残されるので安心です。
モバイルデバイスはクラウドを直接参照
パソコンは同期データを直接持てるのに対して、モバイルデバイスはパソコンほどストレージ容量を持たないこともあります。そのため、アプリをインストールしてもモバイルデバイス内にデータがコピーされることはありません。そのかわりクラウド上を直接参照し、必要なファイルだけダウンロードして利用することになります。
モバイルデバイス用のアプリは、OSごとに機能が若干異なっていますが、インターネットに接続できる場所からなら、どこからでもデータにアクセスできるということに変わりはありません。うっかり印刷を忘れてしまった書類も、モバイルデバイスにダウンロードして、コンビニでプリントするといったことが可能になりますし、メールに添付して送るといったこともできます。
パソコンのデータ復元が簡単に
Dropboxのデータ同期機能は、パソコンのトラブルや買い換え時に大いに役立ちます。復元したいデータをすべて同期用の環境下に保存しておけば、新しいパソコンにDropboxのソフトウェアをインストールするだけで自動的に復元が開始されるため、メンテナンスの時間を大幅に短縮できます。
うっかりファイルを削除してしまったときでも安心です。Dropboxベーシック、Dropboxプロ版ともに、30日以内なら履歴からファイルを復元する機能を備えています。このほか、Dropboxプロ版にはオプションとして1年間のファイル履歴を維持する「エクステンデットバージョン履歴」機能が用意されており、ビジネス向けDropboxでは無制限のバージョン履歴が利用できます。
容量を気にせず大容量ファイルを送れる「リンク共有」
Dropboxのユーザー同士なら、任意のフォルダーを共有して作業できるのですが、ビジネスシーンでかなり役立つのが、Dropboxを利用しないユーザーにも大容量のデータを送れるリンク共有機能です。メールに添付するには大きすぎるファイルを送りたいとき、ファイル送信サービスを探して利用することも多いはず。しかし、Dropboxなら新たなサービスを契約しなくても、保存したファイルの共有リンクを作成して、そのURLを伝えるだけで済みます。
たとえば、ZIPファイルに圧縮した数十MBのファイルがあったとします。Dropboxは、ZIPファイルを作成した時点で、即クラウド上に同期されます。同期が完了したことを確認したら、自分のパソコン内でファイルを右クリックし、「Dropboxリンクを共有」を選びます。このリンクはクラウド上のファイルをダウンロードできるリンクなので、これさえ送れば容量に関係なくファイルをダウンロードしてもらえるわけです(自分のパソコンの中が覗かれるわけではありません)。ただし、リンクを知っている方なら誰でもダウンロードできるため、必要な人以外には知られないように注意しましょう。
画像データを簡単にパソコンに取り込める「カメラアップロード」
頻繁に写真や動画を撮影する方には「カメラアップロード」機能がおすすめです。メモリカードなら、スロットに差し込むだけで最新の撮影分だけが自動的にパソコンの専用フォルダー「Camera Uploads(カメラアップロード)」に取り込まれます。メモリカードのフォルダーを開いてファイルを選択して、といった操作が省けるので大変楽です。
スマートフォンの場合は、写真や動画、スクリーンショットなどが取り込めます。スクリーンショットは記録直後から同期が開始されるので、ワイヤレスでの取り込みが可能になります。仕事で頻繁にスクリーンショットを撮る方には特におすすめです。また、いったんクラウドを経由してパソコンの「Camera Upload」にも同期されるため、画像データはすべて同じ場所に集められることになります。いずれもファイル名は撮影日時に変更されるので、記録デバイスが異なっていても、取り込まれたファイルを並び替えるだけで整理しやすくなります。
このほか、パソコンのスクリーンショットを専用のフォルダーに保存する機能も用意されています。Macで撮ったスクリーンショットを、すぐWindowsパソコンで使うといったことが可能です。
Dropboxは、複数のパソコンやデバイスを利用している人、出張や外回りなど移動が多い人、特定のオフィスや座席を持たない人、ファイルを頻繁に共有する作業をしている人、バックアップを簡単に取りたい人、ハードディスクのメンテナンスから解放されたい人など、幅広い人々に向いているといえるかもしれません。