いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
見たいときに見たいものを高画質かつ定額で見放題の「Netflix」
(2015/9/9 06:00)
サービス名 | Netflix(ネットフリックス) | |
運営 | Netflix, Inc. | |
創業 | 1997年 | |
サービス開始 | 2015年9月1日(日本) | |
URL | http://www.netflix.com/ |
世界最大の配信業者、日本でサービス開始
9月1日、Netflix(ネットフリックス)が日本でのサービスをスタートさせました。もともと2日を予定していたようですが、サプライズで数時間ほど前倒しされました。
Netflixとは、全世界50カ国で6500万人の会員を抱える世界最大の映画・テレビドラマ配信サービスです。もとは、起業家のリード・ヘイスティングス氏とマーク・ランドルフ氏が、DVDレンタルサービスとしてスタートしましたが、定額制の導入がブレイクして成長しました。
動画配信は、2007年にパソコンで視聴可能なストリーミングサービスを導入したのが始まり。2010年にカナダでストリーミングサービスを開始し、2011年には南米とカリブ諸国、2012年には英国、アイルランド、北欧諸国などヨーロッパ各国へと広がり、2013年にはオランダで、2015年9月1日にはアジア圏では初となる日本でのサービスがスタートしました。2016年までに世界200カ国でのサービス展開を目標としているといいます。
映画やドラマシリーズ、ドキュメンタリー、クラシック、ハリウッド最新作、TV番組、スタンダップコメディー、子供向け番組などをカバーしていますが、「デアデビル」「sense8」「ハウス・オブ・カード」など、視聴履歴と資金を生かした独自コンテンツの制作にも力を入れているのも大きな特徴です。「ハウス・オブ・カード」はエミー賞3部門を受賞しています。また、現地と提携したコンテンツ作りにも力を入れており、日本ではオリジナルドラマ「アンダーウェア」が配信されているほか、フジテレビの人気番組「テラスハウス」の続編制作が予定されています。
3種類のプランを用意
用意されている料金プラン(税別)は、月額650円の「べーシッププラン」、950円の「スタンダードプラン」、1450円の「プレミアムプラン」の3種類です。違いは、配信される映像の画質と、同時視聴数。ベーシックプランは標準画質(SD)で同時視聴数が1、スタンダードプランは高画質(HD)で同時視聴数が2、プレミアムプランは同時視聴数が4で4K UHDの超高画質で楽しめます。
利用可能なデバイスは、パソコン(Windows/Mac)やスマートフォン、タブレットのほか、スマートテレビ、ゲーム機(PlayStation 3/4、Wii U、Xbox 360/One、Apple TV、Google Chromecast、ブルーレイプレーヤー、ホームシアターシステムなど。自分の視聴環境をベースにプランを選ぶといいでしょう。
申し込みはNetflixのサイトのほか、ソフトバンクでも取り扱います。ソフトバンクでは同社の携帯電話または光ブロードバンドサービス「SoftBank 光」を利用するユーザーを対象に、ソフトバンクショップやユーザ向け専用サイト、家電量販店、コールセンターなどで受け付けています。同社の端末にはあらかじめアプリがインストールされるほか、実際に店頭で試したり、代金を通信料金といっしょに支払える点が強味となるようです。
登録にはクレジットカードが必要
利用環境ごとに、ウェブブラウザーで利用できるものや、専用アプリのインストールが必要なものもあります。まずはウェブブラウザーでNetflixのサイトから登録操作を始めれば、必要に応じてナビゲートされます。スマートフォンやタブレットで使うなら、専用アプリをあらかじめインストールしておくと便利です。
会員登録に必要なのは名前とメールアドレスのみ。支払いはクレジットカードとPayPalのいずれかを選択できます。これらを入力すれば会員登録は完了です。
続いて使用するデバイスを選択し、必要に応じて複数のプロフィールを登録します。Netflixは、1アカウントにつき4名までプロフィール登録が可能。家族でそれぞれの好みのジャンルが違うときに便利なので、登録しておくといいでしょう。あとからでも簡単に登録できます。ただし、プロフィールごとにパスワードなどはかけられませんのでご注意ください。キッズ用のプロフィールはあらかじめ用意されています。
最後に78本の作品の中から好きなものを3つ以上選ぶと登録は完了。選択した作品を基準にお薦めのコンテンツが選ばれ、すぐに視聴が可能となります。
画面のインターフェイスはシンプルです。基本的には選ぶ、再生ボタンをクリックする、停止する、くらいなので、特に説明書を見なくても利用できます。パソコンで視聴中に停止しても、スマートフォンなどのモバイルデバイスから続きを見ることができます。接続状況を自動的に判断し、最適な画質で配信されるので、バッファ(待ち時間)もほとんどないようです。
また、各作品には必ず類似作品の紹介もあるので、これから新しい作品との出会いの助けになりそうです。
リモコンの専用ボタンなどちょっとした煩わしさを解消
これまで定額制の動画配信サービスがなかったわけではありません。2011年からサービスを開始した、HD画質、月額1007円で1万本の映画やドラマが見放題の「hulu」も米国からやってきたサービスです。ドコモの「dTV」(月額540円)や、KDDIの「auビデオパス」(月額606円)もすでに存在します。9月下旬にはAmazon.co.jpが同社のプライム会員向けに、4K対応の「Amazon プライム・ビデオ」を開始する予定です。(※迎え撃つライバルの動向については、リンク集「Netflixがいよいよ日本市場に参入! 定額制動画配信サービス市場を俯瞰する」を参照してください)
その中でNetflixを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。それは、4K UHDで楽しめること、テレビのリモコンに専用ボタンが装備されていること、ドラマを一気見できること、強力な学習機能とレコメンデーション機能があること、契約期間の拘束がないこと、広告がないこと、家庭の大画面テレビから、ゲーム機や片手で持てるスマートフォンまで、幅広い視聴環境を提供していることの7点といえそうです。
すでに東芝、パナソニック、ソニーといったメーカーのテレビでは、リモコンに「NETFLIX」ボタンが用意されており、テレビの電源がオフの状態からでも素早くNetflixにアクセスしてコンテンツを楽しむことができるようになっています。しかも4K UHDの高精細コンテンツが揃えられているので、高精細な作品を4K対応の大画面テレビで楽しみたいと思っていた方にはぴったり。もしドラマを見始めたら、一気に見ることができるので、待つという煩わしさもありません。
見たいときに、見たいものを、高画質かつ定額で見放題のNetflix。まだ始まったばかりで、日本向けのコンテンツ数も不明ですが、テレビは無料で見るものという習慣のある日本で、どこまで定着するか関心が持たれています。