イベントレポート

第1回先端コンテンツ技術展

アスナの目覚ましアプリ、96chスピーカーの立体音響樽など、「第1回先端コンテンツ技術展」が先端すぎる

 リードエグジビションジャパン株式会社は7月1日~3日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「コンテンツ東京2015」を開催している。同会場では「第22回東京国際ブックフェア」も併催されている。

 コンテンツ東京2015は、「第5回キャラクター&ブランドライセンス展」「第4回クリエイターEXPO」「第3回プロダクションEXPO」「第3回制作・配信ソリューション展」「第1回先端コンテンツ技術展」を内包している。本記事では、2015年から新たに開催している第1回先端コンテンツ技術展の様子を写真を中心にお伝えする。

ソニー・ミュージックコミュニケーションズのブースでは、音声対話型エージェントアプリ「めざましマネージャー アスナ」を紹介している。ソニーが持つ最先端の音声対話技術・音声合成技術をフルに活用しているアプリ。ソードアート・オンライン(SAO)のヒロイン「アスナ」が指定の時間に起こしたり、その人の占いやスケジュールを伝えたりと、朝の活動をサポートする。音声認識技術はGoogleのものを使用しており、音声はソニーのクラウドで蓄積・解析後にアプリ側にフィードバックされる
開発者がブースにいたため少し話を伺ったが、アスナをキャラクターに採用した理由として「俺の嫁だから」という力強いストレートなコメントをいただいた。また、SAOがソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)傘下のアニプレックス作品であり、アニプレックス傘下のA-1 Pictures制作であるほか、アスナの声を務める戸松遥さんがSMEJ傘下のミュージックレイン所属と“オールソニー”であったため、やりやすい作品だったのもあるようだ
ソニー・ミュージックコミュニケーションズが提供する360度パノラマ映像ソリューション。パノラマ映像の取り組みはかなり早くから開始しており、さまざまなコンテンツのパノラマ化を手がけている。撮影にはGoProを複数撮影したアレイシステムが一般的とのことで、360度撮影では視差を極力少なくするために、小型の動画撮影機材が必要だという。写真のHMDはスマートフォンアプリ「panovi」を使用したもの
ソニー・ミュージックコミュニケーションズでは、東京大学暦本研究室と共同で、ウェアラブル可能な全天球カメラを開発している。スポーツ用途を想定しており、選手の頭部に装着して撮影するものだが、激しい動きでもブレを抑えられるよう、全天球映像スタビライゼーション技術を採用している
ライブやコンサート会場などで、オーディエンスが装着するLEDライト「FreFlow」。数万個のFreFlowの色・明るさなどを無線で一斉制御することで、ホール全体で一体感のある舞台演出を実現できる
ソニーPCLの355インチ4Kディスプレイ「4KVIEWING」。パブリックビューイングやイベントなどでの使用を想定している。3Dパネルではないが、非常に立体感のあるラティチュードの広い色表現を見せていた
クリプトンのブース。クリプトンがイベントなどで披露しているリアルタイム3DCGコントロールシステム「R3」を紹介している。クリプトンの自社開発で、実際にイベントなどで使用しているもの
初音ミクが表示されているスクリーンは裏側が透けて見えていて、空間上に表示されているように見える。写真手前のコントローラーから、照明や3Dモデルを制御しているPCにMIDIデータを送信、顔の表情やダンスのステップなどをリアルタイムで操作できる。3Dモデルはクリプトンの自社開発
こちらは霧を下から均一に吹き上げ、そこにプロジェクターから映像を投影することでスクリーンにする「Thru Graph」。すでにイベントなどで使用されているが、これもクリプトンの自社開発。リアリティを出すために下から霧を照射する装置を探していたが見つからず、自社で作ってしまったという
スマートフォン用音楽カード「SONOCA」。専用アプリをインストールし、カードに書かれてあるシリアルコードを入力すると楽曲がダウンロードできる
東京電機大学のブースでは、96個のスピーカーを大きな樽内に配置した没入型聴覚ディスプレイ「音響樽」を展示している。80chのマイクを持つ「フラーレンマイクロホン」を使用して空間の音を取り込む
樽内にはスピーカーが貼り巡らされている。境界音場制御の原理に従い、フラーレンマイクロホンにより計測した空間領域を取り込む境界面上の音圧信号に、音響樽内のシステムを組み込むことで3次元波面を高い精度で再生するという
プロトタイプのブースでは、バイクによる高速走行が体験できる体験型シュミレーター「GODSPEED VR」を展示している。Unreal Engine 4で再現されたソルトレイク、ボンネビルの空間を、Oculus Riftにより再現。実際の1000ccバイクにまたがり、音響・振動を再現した内容で体験できる
エプソンのブースでは、スマートグラス「MOVERIO」の体験コーナーを設置している。実際に「BT-200AV/BT-200」を使用できる
ブースには、触れることはできないが、先日発表された業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」も展示されている
ヤマハのブースでは、複数の動画内の音声を一致させる技術「ChimeCa(キメカ)」を展示している。パーティーやイベントなど、複数のスマートフォンで撮影した動画において、時間軸を一発で一致できるため、その後の編集作業が容易になるという。技術単体での商用化は未定だが、アプリなどパートナーを探しているという
リアルネットワークスのブースでは、先日発表した動画・写真クラウドサービス「Realtimes」を紹介している。写真・動画を撮ってなんぼのサービスとのことで、「マッチョカフェ」とコラボレーションし、筋肉隆々な男性陣が被写体になってくれる
フォーラムエイトのブース。車の形をしたオブジェクトへのプロジェクションマッピング
3Dプリンターを手掛けるストラタシスジャパン/メイカーボットのブース

(山川 晶之)