イベントレポート

第20回東京国際ブックフェア

楽天、国内発売未定の高解像度電子ペーパー搭載モデル「kobo aura HD」展示

 東京ビッグサイトで開催されている「第20回東京国際ブックフェア」の楽天株式会社のブースでは、日本では未発売の電子書籍端末「kobo aura HD」と、タブレット端末「kobo arc」がさりげなく展示されている。

kobo aura HD
kobo arc

 kobo aura HDは、画素数が1080×1440ドット/解像度が256dpiの6.8インチ電子ペーパーディスプレイを搭載しているのが特徴。発売済みモデルの「kobo glo」やAmazonの「Kindle Paperwhite」が6インチで758×1024ドット/解像度が212ppiであることから、kobo aura HDの高精細さが想像できよう。実際、欧文フォントのコンテンツを表示させた状態で、その美しさが実感できる。

 一方のkobo arcは、Androidベースの7インチカラー液晶ディスプレイ搭載タブレット。展示では当初、モノクロコンテンツが表示された状態で置かれていたため現行の電子ペーパー搭載モデルのkobo端末かと思って見過ごしてしまいそうだが、メニュー画面やカラーコンテンツを表示することでタブレット端末であることがが分かる。

楽天株式会社の舟木徹氏(パッケージメディア事業イーブックジャパン事業担当役員)

 電子書籍ストア「楽天<kobo>」が7月でサービス開始1周年を迎えることを受け、楽天の舟木徹氏(パッケージメディア事業イーブックジャパン事業担当役員)は3日、同ブースで報道陣の囲み取材に応じ、電子書籍事業の状況を語った。舟木氏によると、サービス開始時にまず投入した電子書籍専用端末の利用規模が当初の計画通りには達していないことに言及した上で、電子書籍専用端末だけでなく、PCやウェブ、スマートフォン/タブレットというマルチデバイス対応で展開していくスタンスであることを強調。特にスマートフォン/タブレットは現在の市場の中心とみているとし、実際、同社でもAndorid/iOSアプリを投入してから利用者が拡大。以降、月次の電子書籍取扱高も毎月20%以上の成長を示していることを明らかにした。

 その一方で、kobo aura HDなどの電子書籍専用端末の新モデルの国内投入については、カラー端末も含めて準備中であると回答するにととまった。

 ブースの説明員によれば、kobo aura HDではディスプレイが高解像度になることから、コミックなどコンテンツ側での最適化をどうするかといった検討がまだ残っているのだという。また、kobo arcについては、例えば「Kindle Fire」のようにAmazon専用機のような位置付けで行くのか、それとも汎用Androidタブレットに近いかたちで販売するのかといった部分で検討する必要があるとしている。

kobo aura HDの本体カラーは、白(写真奥)/エスプレッソ(黒に近い茶色、写真手前)/黒の3色をラインナップ
kobo aura HDの裏側。真ん中に縦に谷状のくぼみがある
kobo aura HDの欧文フォント表示の例
kobo aura HDの日本語フォント表示の例
ブースではkobo既存モデル用のケースも販売

(永沢 茂)