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イベントレポート

iPhoneにも対応、20カ国語に翻訳可能な音声翻訳システムをデモ


 東京大学・本郷キャンパスで、「情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会」が3月9日に開幕した。これに合わせて、同キャンパスの御殿下記念館ジムナジアムをメイン会場に、情報処理の活動や将来像を紹介するデモ展示企画「今ドキッのIT@御殿下記念館2010」が10日まで開かれている。


情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会の会場となる東京大学・本郷キャンパス(写真は安田講堂) 「今ドキッのIT@御殿下記念館2010」のパンフレット

iPhoneアプリを使って、日本語から中国語への翻訳を試したところ

 情報通信研究機構(NICT)の展示コーナーでは、産官学が連携して横断的に多言語の音声翻訳やテキスト翻訳、対話応答システム技術を研究開発する「MASTARプロジェクト」の取り組みを紹介している。

 携帯型の音声翻訳システムでは、音声認識や話し言葉翻訳、音声合成の処理に必要な知識を大規模コーパスを使って自動で構築。日本語から英語に翻訳する場合、マイクに入力された音声を、大規模コーパスに蓄積する多数話者の音声データから日本語の発音列(ローマ字)に変換。次に、日本語の文例を使ってかな漢字列に変換して、日本語と英語の対訳文から単語列単位で英語に変換、さらに文法に合わせて語順を変更する。その上で、翻訳文を示すとともに、音声の出力にも対応する。

 デモ展示では、iPhoneにインストールしたアプリケーションを使って、サーバー連携による音声翻訳を試せたほか、本体のみで翻訳作業を完結させるスタンドアローン型機器も用意されていた。iPhoneアプリの場合、サーバーとの通信は3Gおよび無線LAN回線の双方に対応。実際に日本語から中国語の翻訳を試したところ、無線LAN経由の場合ではマイク入力から数秒を待たずに翻訳結果が画面上に表示された。3G回線の場合は、通信環境によって時間がかかる場合がある。翻訳結果の画面上には、翻訳文から日本語に再翻訳した文も表示され、音声入力した文との比較確認も可能だった。


20カ国語への翻訳が可能という スタンドアローン型の機器も用意する

 日本語の場合、英語や中国語、韓国語をはじめ、欧州やアジア地域の20カ国語への翻訳が可能。説明員によれば、英語や中国語、韓国語への翻訳精度が高いという。また、これら3カ国語に加え、合計7カ国語へは音声翻訳も可能となっている。今回、サーバーにアップロードした音声はADPCM形式になるが、設定を変更することでPCM形式なども利用できる。

 音声翻訳に関する取り組みではまた、各国に分散した音声翻訳サーバーを相互接続するための共通基盤に関する標準化提案を、他のアジア諸国と共同で準備しているという。共通基盤を利用することで、自国のコーパスや辞書フォーマットに翻訳先のデータが不足している際にも、他国が持つデータを使って翻訳作業が可能になるとしている。


音声翻訳の仕組み 携帯型音声翻訳システムについて

観光用途での利用を想定した携帯型音声対話システムも


携帯型音声対話システムも紹介されている

 NICTの展示コーナーではまた、京都観光での利用も想定した携帯型音声対話システムも紹介。同システムでは、「京都で紅葉の名所を教えて」などと質問すると、コンピューター内に保存したデータやインターネット上から質問に合った情報を検索・分析して、合成音声や画像、該当するWebサイトを表示しながら利用者と対話を図っていく。

 観光プランや観光地周辺の飲食店などを探す際には、起点となる観光地の座標をもとに周辺にある観光スポットや人気のある飲食店の情報をピックアップすることも可能という。

 利用イメージとしては、カメラやマイクを搭載した大型ディスプレイ上にガイドエージェントが登場しながら対話する方法に加え、iPhoneのようなスマートフォンを使ったクライアントとサーバー連携型などを例示。観光プランの場合には、大型ディスプレイを使って予定を決めた上で、移動中での確認や追加の情報取得などでスマートフォンを使うといった組み合わせも考えられるとした。


翻訳システムと同様にiPhoneアプリを用意 システム概要

NICTの展示コーナーでは、20カ国語に同時翻訳するシステムもデモ Webから用語の意味関係を自動獲得できる概念辞書も紹介していた

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(村松 健至)

2010/3/9 18:45