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夏休みに作りたい!「電子工作×IoT」3選

 僚誌「AKIBA PC Hotline!」とリレー形式で掲載している連載「触れてみよう電子工作×IoT」。“身の回りにあるモノをインターネット化する電子工作”をテーマに、これまで3種類のデバイスを自作してきた。使用する電子部品は秋月電子通商などのネット通販でも手に入りやすい物がそろっている。夏休みを利用してぜひ挑戦していただきたい。

 記事は、各回とも前・後編の2部構成。まずは本誌「INTERNET Watch」に掲載する前編で各電子工作のコンセプト・構想を説明、続く「AKIBA PC Hotline!」の後編で実際に制作している。

第1回:郵便物が届くと「FlashAir」がスマホに通知するドアポストセンサー

ドアポストに郵便物が届くとスマートフォンにメールでお知らせ。画像右のキャラクターはFlashAirの非公式応援キャラクター「閃ソラ」ちゃん

 集合住宅やマンションなどに設置されている玄関ドアのポストだが、開けるのが面倒で郵便物が届いたことに気付かなかったことはないだろうか? そんな“うっかり”を電子工作で解決する。

 「FlashAir」はカメラの画像を無線LAN経由で転送するSDカード。2017年8月時点で第4世代モデル「SD-UWAシリーズ(W-04)」までが発売されている。そんなFlashAirが持つ「GPIO機能」と「Lua機能」を活用して、郵便物が届くとメール通知するドアポストセンサーシステムを作ってみる。開発環境のインストールが不要でメモ帳でプログラミングでき、FlashAirを通常とは異なる用途で使えるのが面白いポイントだ。

 著者はサークル「れすぽん」などで技術系同人誌を執筆する余熱氏。

傾斜スイッチをドアポストの投函口に貼り付けて、ドアポストの開閉を検知

第2回:既存のプラモ戦車をスマホラジコン化、砲身発光ギミックも追加

 アオシマ「1/48 リモコンAFVシリーズ」の有線リモコン式戦車をミニ四駆IoT化キット「MKZ4」を流用してワイヤレスで操作できるスマホラジコンの改造に挑戦する。

 改造した戦車は前進・後退だけでなく、左右へ曲がることもできる。キャタピラ用のDCモーター2個をモータードライバーで制御し、2個同時に正転・逆転制御で前進・後進、どちらか1個だけ回転制御することで、左右に転回できる仕組みになっている。LEDはWi-FiモジュールのGPIOに接続して、スマートフォンからのコマンドで発光させる。

 著者はハードウェアスタートアップ企業「Cerevo」の回路設計担当者である押切眞人氏。

第3回:お米が減るとネット通販で自動注文する「スマート米びつ」

 ご飯を炊こうと思ったら、お米が残り少なかった……そんな悲劇を回避するために「スマート米びつ」を自作してみてはいかがだろうか。ストック残量が一定量より減ると日用品ショッピングサイト「LOHACO」にお米を発注するので、どんなに忙しいときでもお米に困ることがなくなりそうだ。

 ここでは主に「Raspberry Pi」とヤフーのIoTプラットフォーム「myThings Developers」を使用する。お米を入れる容器の下に感圧センサーを置き、Raspberry Piを経由して重さデータを取得。お米が一定量より少なく(重さデータの値が閾値より小さく)なったら、AWS(Amazon Web Services)に通知。AWSはRaspberry Piから通知を受けたら、myThings Developersに通知し、LOHACOのカートに指定の商品を追加する仕組みとなっている。

 著者はヤフーのmyThingsエバンジェリストである水田千惠氏、myThingsエンジニアの清土伸康氏。

カートに商品が追加されると同時に、Twitterのダイレクトメッセージで自分宛に通知することもできる