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インタビュー

日本でもいよいよKindle発売! Amazonリンプ副社長「すべての準備が整った」


 Amazon.co.jpは24日、電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」と、タブレット端末「Kindle Fire HD」「Kindle Fire」の日本での予約販売を開始し、電子書籍ストア「Kindleストア」を10月25日に開始すると発表した(詳細記事はこちら)。

 米国のAmazon.comでは、2007年11月に電子ペーパーディスプレイを搭載した「Kindle」端末を発売し、電子書籍コンテンツの販売を開始。2011年にはカラー液晶を搭載したタブレット端末「Kindle Fire」を発売。専用端末だけでなく、PCやMac、iOS端末、Android端末向けにもKindleアプリを提供し、購入した電子書籍を複数の端末間で同期できるサービスを展開している。

 今回、Kindleの日本での展開に合わせて来日した、Amazon.comのKidleデバイス事業部バイスプレジデント、デーヴ・リンプ氏に話を伺った。

ハードウェアだけでなく、ストアやアプリなどすべての準備を整えた

Amazon.com Kidleデバイス事業部バイスプレジデントのデーヴ・リンプ氏

――今回、日本で発売される「Kindle Paperwhite」「Kindle Fire HD」「Kindle Fire」の3機種は、9月に発表された最新機種ですが、既に販売が開始されている米国などでの反響はいかがでしょうか。

リンプ氏:3つの製品は、世界でもAmazonの人気1位から3位までを争う製品となっており、我々の予想を超える伸びとなっています。うれしい反面、悩ましい問題としてはこの人気に生産を追いつかせることが課題となっています。

――Kindleが展開されるのは日本が何カ国目になるのでしょうか。

リンプ氏:今回の製品は6週間ほど前に発表して、その後順次各国で展開していますが、日本は7番目の国になります。非常に短期で発売できたと思います。もちろん、理想的には同時に発売できればいいのですが。

――今回の製品は発表からそれほど間をおかずに早く日本にも投入されましたが、一方で、日本のユーザーにとってはKindleが開始されるまではずいぶん長く待たされたとも感じます。なぜ日本での展開には時間がかかったのでしょうか。

リンプ氏:それに関しては、我々はどの国でも同じアプローチを取っています。Kindleの発売にあたっては、ハードウェアの準備はもちろんですが、それに関するエンドツーエンドのサービスが準備できていることが重要になります。ブックストアの方の準備も必要ですし、iOSやAndroidアプリの対応、ミュージックストアの対応、そうしたすべての準備を整えたことで、本日、こうして発表できる段階に達したということです。

小河内亮氏(アマゾン ジャパン Kindleデバイス&アクセサリー事業部 事業部長):日本のAmazonで「近日発売」という案内を出してから、非常に多くのお客様から反響をいただいていまして、今日こうしてローンチできることをチーム一同とても喜んでいます。

――日本語版の書籍は英語版などとはかなりレイアウトが異なることなどから、コンテンツを揃えるのにも時間がかかったのではないかと思うのですが、そうした面では出版社などからの協力はどの程度得られたのでしょうか。

リンプ氏:そうですね。書き言葉としての日本語はとても複雑で、正しくレイアウトしていくためには非常に大変な作業になります。我々はこれまで12年間にわたって出版社との関係を築いており、そうした出版社の方々がKindleをサポートしていくということでサインをしていただいておりますので、たいへんありがたく思っています。

 そのためには、PaperwhiteのようなE-ink端末でも、Fireのようなタブレット端末でも、PDFのような静的なデータではなくリフロー可能なデータとして販売していくために、レンダリングの部分をしっかりとやっていく必要があり、レイアウトや最適なフォーマットについてもこだわって開発してきました。ルビもしっかりと読めるように、文字サイズを小さくしてもくっきりと読めるようになっています。タッチした部分の文字を、辞書で調べることもできます。また、文字だけでなく漫画のようなコンテンツも、とても鮮明に読むことができます。

――以前のKindle端末で日本語を表示させてみたときには、解像度的に少し厳しいと感じられたのですが、日本でKindleを展開するにはPaperwhiteのような高解像度の端末が必要だったのでしょうか。

リンプ氏:それについては同感です。ですから、このようにしっかりとしたE-ink端末を待つ形になったわけですが、Paperwhiteは212ppiという非常に高い解像度を持ち、コントラストも一段と向上しています。これらの要素は両方とも非常に重要です。

どの国でも「お客様が欲しいものを提供していく」点は同じ

――日本と米国ではKindleのコンテンツのラインナップや売れ筋に違いはありますか。

リンプ氏:これまでの伝統的な書籍に加えて漫画があるという市場的な違いはあると思いますが、それ以外では大きな違いは無いと思います。両国とも読書の人気は高く、ベストセラーをよく購入するという傾向も同じです。書籍の著者にとっても、この新しいサービスによってデジタルで本の出版ができるというメリットが得られる点は同じだと思います。

小河内氏:構造的には漫画があるといった違いはありますが、我々は12年間書籍事業をやってきて、お客様がどういったものを欲しいと思っているかということを重要視しています。日本のベストセラーも一番多く揃えていますし、お客様が欲しいものを提供していくという考え方は同じです。

――Kindle PaperwhiteとKindle Fireの売れる割合などには違いはあると思いますか。

リンプ氏:PaperwhiteとFireは大きく用途の異る製品ですし、どちらも購入していただいているお客様も多くいます。長時間読書をするのであればPaperwhiteの方が便利で目にも優しいでしょうし、ウェブブラウジングやゲームをするのであればFireの方になります。どちらがより多く売れるかということについては、お客様の動向次第ということになると思います。

――今後はどのようなサービスや端末を提供していきたいと考えていますか。

リンプ氏:将来的なことはあまり詳しく語ることはできないのですが、特に向こう数週間から数カ月の間に、今回発表した製品はますます良くなっていくということは言えます。まず、これからコンテンツの種類、品揃えの幅がどんどん広がっていきます。書籍やアプリなどコンテンツのタイトルが増え、ユーザーの選択肢が増えていきます。次に、我々がこれまでも行ってきたように、ソフトウェアのアップデートも提供していきます。デバイスを購入したら終わりではなく、さらにいろいろな機能が追加されることで、製品が良くなります。まずはこの2点について、取り組んでいきたいと考えています。

――ありがとうございました。


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(三柳 英樹)

2012/10/25 06:00