インタビュー

無料で試せる高品質デザインのホームページ作成サービス「BiNDクラウド」

今、「ホームページ」を持つ意味とは? デジタルステージに聞く

 株式会社デジタルステージは8月19日、オンラインホームページ作成サービス「BiND Cloud(バインド・クラウド、以下BiNDクラウド)」の正式版の提供を開始した。

Bind Cloud

 BiNDクラウドは、ホームページ制作ソフトの最新版「BiND for WebLiFE* 7(バインド・フォー・ウェブライフ、以下BiND)」の機能をほぼクラウド化したオンラインサービス。jQueryベースのスライドショーが作れる「SHiFT2」やショッピングカート機能、日本語ウェブフォントなど、BiND7のほぼすべての機能がウェブブラウザーから利用できる。

 ホームページ作成機能に加えて、ページを公開するためのホスティング機能も備わっており、「エントリーコース」は初年度無料(2年目以降は月額480円、税別)で利用が可能。独自ドメイン対応やHTMLメール配信サービス、FTP機能などを備えた「プロコース」(月額2980円または年額2万9760円、税別)、1コースで20ライセンスまで利用できる「ビジネスコース」(月額9800円または年額9万8000円、税別)も用意されている。

コース別機能一覧

 BiNDやBiNDクラウドは、個人用途から店舗、企業など「ホームページ」を必要としているためのソフト・サービスだ。昨今では、情報発信はTwitterやFacebook、LINEといったソーシャルサービスの「公式アカウント」で済ませてしまっている場合もあるが、「ホームページ」があることも重要だという。

 「ホームページ」は、商売を営む人にとっては「顔」にあたる重要なもので、BiNDもそうした店舗や個人事業主、アーティストなどを主なターゲットにしている。BiNDを利用してホームページの制作を請け負い、以降の更新はクライアント側でも行えることをメリットとして掲げるホームページ制作会社も多い。

 一方で、TwitterやFacebook、LINEといった各種のソーシャルサービスをビジネスに利用するケースも増えており、小さな店舗などではこうしたSNSの公式アカウントしか持たないケースも目立つ。

 また、「食べログ」「ぐるなび」といった、業種ごとに情報を掲載するサービスも多くのユーザーに支持されており、飲食店などではネットで検索してもこうしたサービスのページしか表示されないといった場合も多い。

 こうした状況の中、「自分のホームページ」を作る意味とは何なのか。デジタルステージディレクターの洪泰和氏と、デジタル・オンラインスクールでBiNDの講義を担当する株式会社エー・クラン代表取締役でウェブクリエイターの里園成義氏に話を伺った。

「ホームページ」を持つ意味とは?

株式会社エー・クラン代表取締役でウェブクリエイターの里園成義氏

――飲食店や小規模事業者など、きちんとしたホームページを持ってない事業者はまだまだ多いように感じますが、理由としてはどういうことが考えられるのでしょうか。

里園氏:まず、そういうところはあまり予算がないという問題があります。もちろん、そういう事業者にとってもホームページを持つことはすごく大事で、お店やサービスの魅力、強みをきちんと伝えるためには、やはりホームページを持った方がいい。

 ただ、なんでもかんでもホームページを持てばいいというわけではなく、質の高いホームページである必要があります。もちろんデザイン的にもそうですし、大事なのは強みを見つけて、それをどうサイトで表現するか、伝えるかというところ、企画の段階が一番重要だと思います。

 飲食店に話を限れば、ぐるなびとか食べログとかのサービスがあって、そこからの誘導が一番重要だという状況があるので、そこにまず注力しようということはあります。ただ、やはり公式ホームページがあることで、お客様にきちんと自分たちのメッセージを伝えることも必要です。SEOの観点でも、お店の名前で検索したら、公式ページが上位にある方が信頼性も上がるし集客力の向上につながるはずです。キャンペーンやフェアといった情報もタイムリーに更新している、きちんとしたページであることが条件ですが。更新していないページでは逆効果かもしれません。

デジタルステージ ディレクターの洪泰和氏

洪氏:ただ、昔はHTMLをすべて更新することでしかホームページを更新できなかったのですが、今はSNSがあるので、例えばタイムラインを貼り付けるだけでも情報を更新できるようになったというのも、運営という意味では楽になりましたね。

 例えばお店を検索すると、グルメ情報サービスのようなページがいろいろ出てきますが、その中でどの情報をメインに認識すればいいのかというのは迷うケースが多い気がします。それを束ねる意味でも、常に一番最初に公式ホームページが出ていれば、これが一番正しい情報だという安心感はあるのではないかと思います。そういう意味では、情報が点在してるイメージが最近はありますね。

 入り口としてぐるなびや食べログは大事ですが、質の高いホームページという意味では、ブランディング的な部分がホームページが担ってる部分なのかなと思います。

――やはりきちんとしたホームページを作るべきだと。

里園氏:とはいえ、質の高いホームページが必要だと言われても難しいですよね。周りに知識のある人がいれば相談できますけれども、そうでない人も多いでしょうし。ホームページは作りたいけど、業者に頼んだらお金がかかるし、自分では作り方がわからないといった具合に。

洪氏:あるいは、実益というか、作ることでどういうメリットがあるのかを想像しにくい人も多いのかと。ホームページで何をしたいのかが明確でない場合は、作りにくいですよね。認知度を上げたいのか、お客さんを呼びたいのか、何かを売りたいのか、それによって作り方も変わってくるので。

 ホームページは公開したらすぐに人が見にきてくれるものでもないですし。公開がゴールではなく、それをどう使っていくかが大事なのですが、そこは勘違いしがちなところで、公開はしたけれども更新していないとか。そういうページも多いように思います。

里園氏:熱意のある人だったら自分で調べたり、制作会社に問い合わせたりすると思いますが。予算がそれほどかけられないとなると、自分で作るのは大変ですからね。

BiNDはまずデザインが高品質で、カスタマイズも簡単にできる

――昔ならHTMLの参考書のようなものを読んで、自分で作るという選択肢もありだったかと思いますが。

里園氏:ホームページ作成の知識がない人にとって、一から作るというのは相当ハードルが高いですよね。それこそ、手書きのHTMLでもホームページといえばそうですけれども、ライバルがたくさんいる中でそういったページでいいのかという話になる。きちんとしたデザインできれいなページを作るとなれば、それなりに時間はかかりますし、簡単ではないですよね。

 そんな中で、BiNDがいいのは、テンプレートを使えば一定以上の見た目がきれいなサイトが簡単に作れてしまうところ。もちろん、コンテンツの中身が一番大事なのですが、まず見た目にきれいなサイトを作るというのが、今となってはハードルが高い。そこをクリアできるというのがとても大きいです。

 BiNDでなくても、今は自分でコードを書かなくても簡単にサイトを作れるようなサービスはありますが、デザイン的に質の高いサイトを作るのは難しい。テンプレートはよくできているのですが、手を入れれば入れるほどページが崩れていったりして、望んでいるものになかなかならない。BiNDはそういう問題が少ないのも気に入っています。

――ソフトとしてのBiNDの良さはどういう所でしょうか。

里園氏:まずデザインがきれいというのが初めの印象で。他のホームページ作成ソフトも、今は増えてきましたが、何年か前はとにかくBiNDがデザインでは圧倒的にいいという印象がありました。

 あとは、テンプレートをベースにページを作っていくというのがBiNDの特徴なのですが、本当に簡単に作れます。最初に、基本操作を覚える必要はあるのですが、感覚的にはOfficeのソフトを操作するような、PowerPointを編集するような操作でデザインができてしまうというシンプルさですね。

「BiND for WebLiFE* 7」のサイトテンプレート例

洪氏:私も最初に使った時には、慣れるまでに少し時間かかりましたが、BiNDはそれまでやってきたページの作り方とは少し発想が違っていました。通常のホームページの作り方というと、まず絵をデザインして、そうなるようにレイアウト、コーディングをしていくような手順ですが、BiNDは逆なんですね。先にレイアウトを組んでから、そこにデザインを当てはめていくのがBiNDの流儀という感じで。構造のパターンはすでに用意されていて、レイアウトはすぐに作れるんですね。

 こういう感じになるというモックアップ的な状態を先に作って、ここは文章量が多いなとか、ここにはこのサイズの画像が必要だなとか。とりあえず作り始めて、後からブラッシュアップをかけていけるというのがとても効率的ですね。

里園氏:サイトは作って終わりではなく、ちゃんと更新していかないといけないので、自分で作業できることが大事です。例えば外注でお願いしてページを作ったとしても、更新も頼んだらまたコストがかかりますし、時間もかかる。最初の作成は外注でもBiNDを使ってもらって、更新は自分で行うというのはいい方法ですよね。BiNDは1回使い方を覚えてしまえば、更新などは自分でできるので。

洪氏:クロスブラウザーで見え方が保証されているのもいいところだと思います。最近ではさらにモバイルからのアクセスも増えてきましたし。

里園氏:メディアのようなサイトだけでなく、自分が担当している一般的なサイトでもここ最近モバイルのアクセスが増えていますね。もうモバイル対応も必須になってきているという意味では、モバイルサイトも手間なくできるのがいいですね。

BiNDクラウドなら無料で高品質のページをすぐに立ち上げられる

「BiNDクラウド」のページ編集画面

――これまでソフトウェアとして提供してきたBiNDが、「BiNDクラウド」というサービスになったことのメリットは何でしょうか。

洪氏:まず、初期設定のわずらわしさがない。レンタルサーバーと契約して、アップロード用のFTPを設定したりといったことですが、意外とそこが最初につまずく部分なのかなと思います。BiNDクラウドだと、サインアップの時点でURL(サーバー名)を決めれば、後はもうページを作れば公開できる状態がセッティングされているので、とても簡単です。

里園氏:それは確かに感じましたね。料金もかなり安い設定だなと思います。一番安いコースで月額480円、初年度は無料。サーバー代のことを考えるとかなり安いなと思います。独自ドメインで運用する場合には、ドメイン登録などの手続きがありますが。いずれにしてもかなり手間なくできます。

 それと、どこでも作業できるというのも大きなメリットですよね。ソフトと違って、BiNDがインストールされていないPCでも作業ができる。操作もかなりサクサクでした。

――これまでBiNDのソフトを使っていた方、BiNDクラウドになって初めて使った方、どちらが多いのでしょうか。

洪氏:正式版が始まったばかりなのでそこはまだわからないのですが、オンラインのホームページ作成サービスも増えているので、そういうサービスと比較してみようというユーザーの方は多いかなと思います。当然、これまでソフトを使っていた方の需要もあると思いますが。まずは無料で試せるので、とりあえず使ってみようという人が多いのかなと思います。

――BiNDクラウドを他のサービスと比べた場合のいいところはどこでしょうか。

洪氏:無料で使えるエントリーコースでもほとんどの機能が入っていて、例えば無料だからこういうレイアウトは使えないとか、この機能は使えませんとか、そういうところがほとんどない。まずは試してもらって、こんなに機能があるんだと思っていただければ。

 BiNDというソフトの機能をほぼすべてオンライン化したので、他のサービスと比べると、操作性の面ではちょっと違いを感じるかもしれませんが、いろいろ探って、BiNDも使っていただければいいなと思います。ソフトの場合、まずパッケージを買わなければなりませんが、BiNDクラウドならまず無料で試せるので、使い勝手を確認した上で使い続けられるのもいい点だと思います。

左がソフトのBiND。右がBiNDクラウド。作成ソフトのほぼ全機能がオンラインサービスに

――BiNDとBiNDクラウドではユーザー層は変わりましたか?

洪氏:まだサービスを開始したばかりなので予想なのですが、ユーザーにとって導入の敷居は下がったと思います。これまで他のソフトやサービスに挫折してしまった人も、BiNDであれば、例えば写真を入れていくだけでもお店のホームページとしての体裁が整ってしまうので、そういう人が増えてくれるといいなと思っています。

 一度公開までのステップを踏めば、そこまでのトータルの流れが全部見えるので、そこから運用もできるし、さらに新しいものを作ろうという発想もできると思います。私の友人でも、全然デザインに触れたことのない人が、1週間ぐらいでちゃんとしたサイトを立ち上げていたり。そういう部分で、改めて優秀なソフトなんだなとも思いました。

アーティスト・表現者の方にもBiNDクラウドをすすめたい

――BiNDクラウドはどのようなユーザーにおすすめでしょうか。

里園氏:これまでも話してきたように、ホームページを作るにはいろいろなハードルがあると思いますが、まさにそうした、これまで苦手意識でホームページを作らなかった人に使っていただきたいですね。

洪氏:中小の事業者さんの話をしてきましたが、アーティストとかクリエイターなど表現者の方とかにも使っていただきたいですね。自分も音楽をやっているのですが、そうした人たちにとってもホームページの重要性は高いはずです。作品とか活動とか、アピールすることはたくさんあるのですが、お金のない人が多いという(笑い)。BiNDクラウドはまずは無料で使えるので、どんどん試していただければ。

 あとは急遽必要になったイベントページとか、一時的に必要なページなどにもいいと思います。

里園氏:BiNDをソフトとして買ったけど、あるいはBiNDクラウドを登録したけれど、中にはそこでつまづいてしまう人もいると思います。BiNDにはガイドブックや私も講師を務めるオンライン講座なども充実しています。そうした公式ツールで使い方の基礎を学ぶと習得への近道かもしれません。初めての人はもちろん、独学で学んでいた人にも、改めて体系的に勉強できたり新たな発見があると思いますよ。

――ありがとうございました。

(三柳 英樹)